ジュエル
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第三章
「菫ちゃんに笑顔になってもらうことがさ」
「嬉しいからなの」
「それで贈りものしてるから」
それで、というのだ。
「だからな」
「贈ってくれるのね」
「今度の贈りものは俺のこれ以上はないまでの気持ちを贈るぜ」
亮二は菫にこのことを約束した。
「楽しみにしてくれよ」
「亮二君の最高の気持ちをなの」
「ああ、贈るな」
「じゃあ楽しみにさせてもらって」
「ああ、いいよ」
こう言うのだった、菫に。
「そうしてくれよ」
「それじゃあね」
こう話してだ、そしてだった。
菫は亮二の今度の贈りものを楽しみに待つことになった、そして亮二は早速だった。ある店に向かってだ。
そこの店員さんにだ、細かく注文を話すのだった。
「はい、大きさはそれ位で」
「色はですね」
「その色でお願いします」
絶対に、というのだ。
「輝きも」
「強いものですね」
「きらきらとした感じで」
そうした光で、というのだ。
「お願いします」
「わかりました、では完成しましたら」
「連絡してくれますか」
「そうさせてもらいます」
「ではその時を」
「はい、楽しみにさせてもらいます」
熱い声で言うのだった、彼は本気だった。
そしてそれが出来るとだ、彼は店に飛んで行ってそれを見て言った。
「これでいいです」
「大丈夫ですね」
「はい、俺がお願いした通りです」
そうした品だというのだ。
「これなら問題ありません」
「それでは」
彼は金も払った、かなりの額だったが今の彼には問題なかった。そうしてそれを持って行って部屋に帰ってだ。
もう菫が帰っているのを見てだ、その彼女にだ。すぐにこう言った。
「あの、菫ちゃん」
「どうしたの?」
「この前言ってた贈りものだれど」
「それをなのね」
「今渡すから」
心の中の昂ぶりを必死に抑えながらだ、亮二は彼女に言うのだった。
「受け取ってくれるのかな」
「ええ、今からよね」
「そうしてくれるかな」
「わかったわ、それで贈りものは」
「これだけれど」
こう行ってだ、青紫の豪華な小さな箱を取り出した。
そしてその箱を菫に差し出してだ、こう言った。
「開けてみて」
「受け取ってから」
「そうしてくれるかな」
「ええ、それじゃあね」
こうしてだった、菫はその箱を亮二から受け取って。
その箱を開いてだ、驚いてこう言った。
「あの」
「驚いたな」
「驚くわよ」
そうなることも当然だというのだ。
「だってこれって」
「ああ、宝石だよ」
「そうよね」
「琥珀な」
それだというのだ。
「その目を見て思ったんだよ」
「私の目を」
「ああ、その目をな」
ここからはだ、亮二は気恥ずかしい顔になった。そのうえで言葉を慎重に選びながらそのうえで菫に話した。
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