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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十話 剣道少女その七

「野球はあの人を尊敬している」
「あの人の貢献はね」
 阪神対するそれはだ。
「相当だったからね」
「あの人が優勝させてくれた」
 留美さんは熱い声で言った。
「あの野球への想い、ファンへの心はだ」
「尊敬出来るんだね」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「私はあの人を尊敬している」
「そうなんだね」
「もう金本さんは引退されたが」
 それでもだというのだ。
「阪神は愛している、これからも勝っていて欲しい」
「そうだね、じゃあね」
「阪神の優勝を願ってだ」
 そのうえでというのだ。
「韓戦させてもらう」
「それじゃあ皆でね」
 行こうと話してだ、そしてだった。
 僕達は全員で甲子園に行くことにした、けれど。
 畑中さんがだ、僕にこんなことを言って来た。
「甲子園は駐車場は」
「あっ、ないんですよね」
「ですから駅からです」
「歩いてですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「バスは出せないです」
「そうですね、それじゃあ」
「はい、電車で行かれるか」
 若しくは、というのだ。
「歩いてとなります」
「それじゃあ電車で、ですね」
「それで行かれますね」
「そうさせてもらいます」
 僕は皆を見ながら畑中さんに答えた、そうしてだった。
 次にだ、僕は腕を組んでこんなことを言った。
「阪神は絶対がないからね」
「ここぞって時に負けるのよね」
 詩織さんもこう言ってきた。
「本当に」
「そうそう、だからね」
「そこが心配よね」
「勝負弱いんだよね」
 それこそ伝統的にだ。
「毎年ね」
「あの勝負弱さがね」
「心配なんだよね」
 それも心からだ、僕も阪神が好きなだけにだ。それでこのことを心から心配していた。そうしてお昼になってだった。
 僕達は昼食、この日はお昼も食堂で皆で食べてからだった。そのうえで。
 甲子園に向かった、その時に電車に乗ってだった。
 ダオさんがだ、日本の電車の中を見回してこんなことを言った。
「綺麗ね」
「そうあるな」
 水蓮さんもダオさんのその言葉に頷いてこう言った。
「黒と黄色である」
「目がちかちかする位よ」
「虎の色だネ」
 ジューンさんは電車の、僕達以外の乗客の人達の多くが身に着けている阪神タイガースのグッズを見て言った。
「これは」
「そうだよ、黒と黄色の縦縞はね」
 まさにそうだとだ、僕も答えた。
「阪神タイガースの色だからね」
「それでこんなになのね」
「黒と黄色あるか」
「綺麗になってるんだネ」
「阪神ファンは特別なんだ」
 日本の中でもともだ、僕は三人に答えた。
「熱狂的なんだよ」
「ドジャースファンよりも上だネ」
 ジューンさんはカルフォルニアのこのチームの名前を出した。ロサンゼルス=ドジャースのことだ。
「熱狂さは」
「そうあるな、サッカーみたいあるよ」
 水蓮さんは中国でも人気らしいこのスポーツを例えに出した。 
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