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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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自分が優れていないのは立派な恥


他人と比較して、他人が自分より優れていたとしても、それは恥ではない.
しかし、去年の自分より今年の自分が優れていないのは立派な恥だ。
—ラポック—

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自分が優れていないのは立派な恥





昼は鍛錬、夜は裏社会科見学というパターンが出来て一月もたっただろうか

本日は珍しく、演習場ではなく、忍待機所の受付に集合とのこと

ようやく任務を受けるのかと内心ワクワクしている


家に帰ればナルトが今日の任務がどうだ、明日の任務はこうだとうるさかった

自慢されているようで腹立たしかったのだが、これでオレも下忍の一歩を踏み出したか・・・

興奮しすぎて寝不足だが、今日も元気に頑張るぞ



「よし、六班揃っているな
 それでは初任務の発表する
 ・・・抜け忍の死体の後始末・・・墓穴掘りだ」



・・・え?



「待った、それ下忍にさせる任務か?」

「D・・・Cランクを初任務にさせる?」


言葉をかけることも忘れ、ただただシナイ先生を見上げるオレ

シュロとイカリは冷や汗たらして抗議していた

何故Cランクなんだろうか、Dでもよさそうだけれど・・・

そう思っているとイカリが説明してくれた


「忍者の死体って術や血継限界の宝庫なんだよ
 どこの里でも死体の処理はランクが高い
 私達にやらせるってことは重要度の低い抜け忍・・・かな」


そのとおりとでも言いたげなシナイ先生

死体か・・・

切り刻まれてる|まだ生きてる《・・・・・・》人なら耐性あるんだが・・・


「いや・・・私もまだ早いと思ったよ?
 だけどな?お前ら拷問耐性あるしある程度術も覚えてる
 体力不足はこれからだが、そろそろ実践もしておかないとな」


半年は裏社会科見学コースの計画だったんだよと語られる

遠巻きに眺めていた他の忍たちが青ざめている

そんなに酷いのか


(半年の予定が一月ってことは・・・)(あぁ、短縮されるほど拷問耐性あるんだ・・・あの班ちょうこわい)


・・・ひそひそ何話してるんだろうか

シュロは聞こえたみたいだが教えてくれない


「はい、これが貸出品のスコップ
 元気に墓穴掘りに行こうぜ!」


受付でのこんな会話が原因で、それから暫くオレ達六班のあだ名は暗黒系忍者となった

やだな


















墓穴掘りから始まり、拷問部の道具清掃、医療部の洗濯、暗部の訓練器具の整備等々

あまたのD及びCランク任務をこなしてきた

基本血みどろだった

本日の集合場所は木の葉の門

昨日、先生から里の外へ出るため弁当を作って持ってくるようにと言われ用意した

ちなみにイカリはシュロの分を作って、オレは先生とナルトの分を作った

ナルトも弁当持って里の外に出るらしい

・・・あれ、なんか引っかかるぞ

 

「それでは今回の任務は久々Cランク
 
 |暗殺《・・》でございます」


「待て待て待て!
 確かにオレらは大丈夫だけどな!?」


シュロが叫んだ

イカリはオレを見てから目をそむけた

そうだ、暗部だったシュロと血霧時代を生きたイカリは暗殺は慣れたものだ

裏社会科見学も、オレとは違いすぐに調子を取り戻し、怯える演技までして見せた

拷問される側のオレは・・・ダメだった

血の匂いは平気でも、あの痛みが降りかかっているのかと思うと眩暈が起きた

この班の不安要素はオレ


「その任務オレがする!イカリとコンはそのサポートを—「今回の任務はすべてコンにさせる」

 ッ!」


先生がオレと向きあう


「血の匂いに慣れても肉が潰れる感覚に慣れていても殺したことは、ないだろう?」


殺しなさい、感情も想いも全て殺しなさい


戦乱の時代に生きるしかなかった先生の言葉は、とても、重かった



「それでは出発する
 ターゲットは波の国に滞在している、ガトーという男だ
 何、心配いらん、大名などと比べれば警備も薄いしな」



「・・・オレ、この爆弾発言に泣けばいいのか笑えばいいのかわからない」


本当にこの人馬鹿だよ


「コン、気を強く持つんだ頼むから」


哀れむんじゃねー


「え、何、何の話?」


「あれ?シナイちゃん?」


「コンがいるってば!」「・・・イ、イカリ・・・っ」「仲良しトリオ!?」


自分の発言を理解していないだろう先生の背後から第七班、原作主人公組と老人が現れる

先生を三人で囲み、彼女の耳元で呟く


(シナイちゃん先生、波の国、七班で思い出すことは?)

(あとガトーね)

(制限時間は三十秒ですよ)


「・・・あ、原作・・・」


(気づいてなかったんかい!)

(だってもう60年たってんだもん・・・)



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限りなくBに近いCランク
 
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