オズのムシノスケ
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第五幕その十
「遊びと似ているよ」
「そういえば遊びも」
「自分から好きなものをして楽しむね」
「はい」
その通りでした、遊びとはそういうものです。
だからです、カルロスも教授のお話に頷くのでした。
「その通りですね」
「そう、だからね」
「学問は楽しむものですね」
「そうだよ、勉強は義務かも知れないけれど」
「学問は楽しむものだから」
「ベンキョー錠もないんだよ」
それで済ませるものではないからというのです。
「勉強は義務、義務は果たすだけでいいけrど」
「そうでないと」
「自分で楽しんで進んでいかないといけないからね」
「自分で見てベンキョー錠も使わずに」
「進めていくものだよ」
「スポーツもですよね」
カルロスはここではっとしました、そのうえで教授に言いました。
「自分で好きなものをしていきますね」
「そうだね、怪我をしない様に気をつけてね」
「準備体操をして」
「スポーツもね」
「楽しむものですね」
「オズの国では皆楽しんでるよ」
スポーツもというのです。
「そうしているよ」
「そうですか、それにしてもスポーツも」
「スポーツも。どうしたのかな」
「楽しむことが第一ですよね、やっぱり」
カルロスはここでさらに深く考えるお顔になりました、そして言うことはといいますと。
「人間は」
「そうだよ、スポーツは楽しまないと駄目だよ」
「勝つ為じゃないんですね」
「勝ったら嬉しいね、スポーツは」
「はい」
「けれどどのスポーツでもね」
それは教授が好きな高跳びもカルロスが好きなサッカーだけではありません。その他のスポーツもでした。
「勝つことが全てじゃないね」
「はい、確かに」
「いいプレイをした、自分の限界を超えた」
「そして身体を動かしたということが」
「楽しいね、そしてフェアプレイを出来た」
あらゆるスポーツに欠かせないこのこともでした。
「大事だね」
「勝つだけじゃないんですね」
「スポーツが勝つだけだったら」
それこそ、というのです。
「面白く元何ともないよ」
「楽しくもですね」
「そう、その他にも様々なことがあるからね」
「じゃあ負けたら丸坊主にしろとか言う先生は」
「それは卑怯なことをした場合かな」
「いえ、普通に勝負をして負けて」
そしてというのです。
「その場合にです」
「ああ、それはね」
教授はそうした先生についてすぐにこう答えました。
「その先生が間違ってるよ」
「そうなんですか」
「うん、スポーツは勝ち負けじゃないからね」
「フェアプレイに反しないで負けてもですか」
「それでもいいんだよ、大切なことはね」
「楽しむことと」
「ルールを守ってすることだから」
スポーツに大事なことはというのです。
「負けて髪の毛を丸坊主にするとかはね」
「間違ってるんですね」
「しかもその先生は自分は丸坊主にしたのかな」
「いえ、それは」
しなかったとです、カルロスはすぐに答えました。
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