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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫

作者:黒鐡
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第2巻
  凱旋からの合流

ニール達がプトレマイオス神国に到着したのは、次の日の朝になっていた。バイクや車だったら昨日の夜に到着したが、ジスタート軍は騎兵なので馬とバイクや車との速度が違うのでこんなにも掛かってしまった。関所のところに近づくと、そこにはティグルがそこにいたのだった。

「ヴォルン隊長!」

「ニール達ご苦労さん、それとリムやルーリック達もだ」

「いえ、お役に立てたので。プトレマイオスでの戦い方を学びましたし、それに少人数での戦は見た事がなかったのですし」

「私も戦の見学をさせて頂いたので、あとでエレオノーラ様に良い報告が出来そうです」

そう言いながら神国の者はすんなり入れたが、リムたちジスタートの者達は関所でのIDカードを提示したら入国した。ティグルは先に屋敷に戻っていると言ってから、ニール達の報告を屋敷内で聞いた。オージュ子爵の兵達を味方に引き込んだらしい、それに関してはよかったがオージュが困っていた事を解決してくれたお陰なのだろうな。盗賊団という人間の皮を被った者には死を、が俺達神国では命乞いをしても抹殺駆逐するのが俺らのルール。賊の魂はこの世を去っても、地獄の番人に裁かられて永遠に処刑されている。リムからの戦費については即支払った、一度ティッタが全ての計算をした後に空間からこの世界の金の山を取り出した。

「これで間違いないか?」

「全て合ってます、ですがいつの間に準備されているとは思ってもみませんでした」

「他国で使われている金はいつも用意しなければいけない、我が神国では一切金はないからな。俺らの部下たちは忠誠を誓っている者達だらけだからなのか、給料は後払いでも怒る人はいない。それと俺らの戦闘スタイルを学んだようだな」

そう言うと思いだしたかのように、ニールにあの時の映像ファイルを取り出してから投影型端末で見たのだった。やはりというかシールドビットとライフルビットを使うと俺達は無双になってしまうと、改めて理解した。今回は人間同士でオージュが困っていたから助けたまで、盗賊団を駆逐した映像を見ながらエレンに報告するために紙に書いていた。何回も見せた後にニール達はトレミーの風呂場に向かったのだった、リム達も宿舎にある風呂でゆっくりせよと言ってからリムやルーリック達の疲れを癒すべく風呂に入った。その日は何もなかったが、次の日にエレンの放った急使が関所前に来ていた。関所の人間に手紙を渡した後に立ち去ったので、俺の屋敷まで来させてからその手紙をリムが来るまで開封しなかったがこれはリムに宛てた手紙だったからだ。

「手紙にはこう書いてあります『キキーモラの館で待つ。すぐ来い』だそうです」

「キキーモラの館?地図で見るとヴォージュ山脈を抜けた先にある別荘か」

「その通りです、別荘(ダーチャ)とも言います。今から私と一緒に来てもらいますか?ティグル様」

俺は頷くとすぐに出かける準備だけをしてから、リムは馬で俺はスナイプ・ゼロでのバイクモードとなり乗って行った。エレンの立場上別荘があったとしても何の疑いもないなと思った。神国の者は別にいらないが、貴族というのは領土の広さに合せて複数の別荘を所有している。随分前にマスハスに招かれた事あったなーと思いながら、俺とリムは夜明けの空を見ながら馬とバイクを走らせた。ルーリックに統率された百騎のジスタート兵は、そのままプトレマイオス神国で待機となった。俺らが離れたとしても、両軍がいるから牽制にもなるしテナルディエ公爵や彼に近しい貴族達は近付かないだろう。他で気になるとしたら、ブリューヌ王国に仕える騎士団が気にかかるが俺達の敵ではないからな。ヴォージュ山脈を越えてからライトメリッツに入ると、リムが先導するけど山脈を越えるのは山を両断して道を開いたので楽に通れた。

「もう、秋も終わりですね」

冷気を伴った風に吹かれて、葉を落とした木々を見ながらリムがぽつりと呟いた。まあ確かにそろそろ冬になりそうだが、俺ら神国は冬になったとしても寒さを調整できるので寒さを感じないほどの服装を持っている。草原は雑草が生えてない石ころだらけの荒野に変わり、やがて丘の上にぽつんと建つ黒い建物が見えてきた。リムの馬には一抱えもある大きな麻の荷袋を鞍の後ろに乗っかっていた。

「あれがキキーモラの館です」

「ところでキキーモラって何かの名前なのか?」

「我が国に古くから伝わる妖精で、善人の家の安全を守ると言われています。それゆえ、余程凝った名前でも付けない限り、別荘にはこの妖精の名前が冠されますね」

俺はふーんと思いながらそんな妖精いるんだーと思いながら、緩やかな傾斜を登ると別荘の形が見えてくる。二階建てで、壁は漆喰の上から黒く染めている。屋根は赤で、大きさは俺の屋敷を半分にした大きさだ。屋敷前に到着したら俺はバイクなので、空間にしまった。リムは厩舎に行っているので、俺はリムの荷物を持ったのだった。こういうのは男が持つ物だから気にすんなと言ってから、扉の前に立ってリムが軽くノックをする。足音が聞こえると扉が開かれてエレンが顔を出した。青を基調とした服装で、腰には銀閃アリファールを佩いている。

「おお、来たか」

そう微笑んでから、俺とリムを中へ招き入れた。

「随分と大きな土産だな」

「土産という程の物ではありませんが、ぜひ見て頂きたくお持ちしました」

「そいつは楽しみだ」

リムの言葉に、エレンは紅の瞳を好奇心で輝かせたらアリファールもまるでお帰りと言っているように感じた。まあ俺はアリファールの創造主だからなのか、直接言葉として聞こえる。そんで立ち話も何だからと、廊下を通って居間に二人を案内する。

「ここら辺は随分と綺麗だが、良く使っているとこなのか?」

「ここから馬で半刻ほど行ったところにロドニータという小さな町があってな。そこの住人に、定期的に掃除などをしてもらっている。今夜はその町に泊まる予定だ」

居間は広々として、壁に大きな暖炉があったがこれは標準だと思った。絨毯があったりしてるが、そういえばエレンの話を思い出した。この暖炉の前で皆身体を寄せ合い、暖かいジャガイモを食べながら歌などを歌うと随分前に聞いたから、この暖炉で乗り越えるのかーと思った。

「まずは再会を祝して乾杯と言おうか、まあティグルは王宮でも会ったけどな」

「それはどういう事でしょうか?」

「俺が創造神黒鐵だと言うのをバレたからだ」

そう言うと翼だけ出したらリムは驚愕をしていたけど、三人でテーブルを囲み葡萄酒の瓶を開けた俺が用意した三つのグラスに注いだ。俺が創造神という事は、秘密にしといてくれとリムに頼んだので俺が自分から創造神と名乗るのはこの先でいつかなと言いながら、乾杯と言った。あちらはジスタート語でこちらは普通に言ったけど。

「とりあえずこちらから話すとしようか、俺が創造神と名乗った後はジスタート軍は協力姿勢をしてくれた。まあ俺が創造神とバレたのは、謁見の間ではなく庭園でエレンとソフィーがいるとこでバレた。ちなみにジスタート国王には打擲十発はしたけど」

「打擲十発・・・・・・」

リムは顔を青くしたが、すぐにそれは俺が創造神と名乗ったから打擲しても文句はないと理解した。戦姫の声望、権威、影響力に怯えているという事は知っているが、創造神と名乗った後にジスタートはプトレマイオス神国と共にブリューヌ内乱に介入しても良いと許可をもらえた。

「王一人が、王に次ぐ権威と権力、公国と称するほどの領土と権勢、王を凌ぐ武勇を備えた者が七人いたとしても、俺は俺でやるだけだ。他国の貴族社会何ぞ興味はない、まあジスタートの位については俺の使役していた黒竜の化身に言った通りとなった。ジスタートの序列最上位は国王とプトレマイオス神国の関係者か王である俺、次に七人の戦姫でその下が貴族。戦姫に挑むバカは居らんが、他の戦姫が考えられる」

俺が真顔で答えると、エレンも真剣な表情で頷いた。

「テナルディエやガヌロンと付き合いのある戦姫がいる、まあティグルは創造神の格好をしていた時に会っている。普通に考えて戦姫同士が戦うというのは、普通に禁じられているが、あの国王なら黙認すると思われる。いくらプトレマイオスと忠誠を誓おうが、七人の戦姫までもが忠誠を誓えるかは分からない」

戦姫全員が敵という訳ではないからか、当面警戒すべきは一人のみ。出来ればそいつを事前に叩けるならいいんだが、そういう理由で攻め込む事はできない。俺らにその話をしたのなら、覚悟をしたという感じにもなる。エレンの話は終了したので、次はリムの番になった。俺はそん時にいなかったので映像で見たけど。とりあえずマスハスの助力を得た事と盗賊団をたった七人で殲滅抹殺駆逐したとリムが言ったからか、俺は事実だと言ったらエレンは驚愕していた。たった七人で二百相手の盗賊団を殲滅する事何て普通は出来ない事だと。それでオージュ子爵の協力も取り付けた事を話したリムだった。それから盗賊団の戦闘風景を見たいと言ってきたので、俺が投影型の端末で見せたのだった。見てる間に俺は言った。

「この映像を見ている間だが、マスハスが若い頃からの親友だ。ブリューヌで何かあれば報告して来ては、俺達がそれを何とかするという事をして来た。オージュ子爵も信用出来る方だと俺は思う」

「リムはどう思う?それにしてもこの銃で連射と上空での狙撃では歯が立たないな、私でも上空から狙い撃ちされれば後退するだけだな」

エレンは紅の瞳を無表情である副官へと向ける。

「ローダント伯爵は信用出来るかと、オージュ子爵についても我が軍とプトレマイオス軍との間に不和でも生じない限りは、問題ないと考えられます。それとこれについては私も同意見です、空から狙撃されては動く的となりますから。それとエレオノーラ様に見て頂きたい物があるのですが・・・・・」

リムがそこまで言った時に、玄関の呼び鈴が聞こえた。誰かが扉をノックでもしたのだろう。

「・・・・私がここにいる事は誰も知らないはずだがな」

「私が見てきましょう」

静かに席を立ったリムを見送ると、俺は話を再開するべく床に置いてあった麻の袋の中身を取り出した。金属製の鎧だが、所々に細かな傷はあるが、新品に近いし使用出来るくらいの物だった。通りで重かったと思えば甲冑が入ってたとはな。でも重くはなかったから何だろうとは思っていたけど、それが疑問視したのはすぐに解決した。 
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