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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫

作者:黒鐡
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第2巻
  今までとマスハスからの報告

一方マスハス卿と大公副官であるニール、ライル、ティッタとエレオノーラ筆頭家臣であるリムアリーシャは、テナルディエ家がまた何かしらの準備など知らない様子で会話をしていた。ちなみにリムとは既に敵意は出していない、共にティグルと共に戦う仲間として見ていたからだ。

「ティグル様が無事でいた事は本当に嬉しいと本人の目の前で言いたかったが、今は出かけたと聞いたので代わりにティッタが言ってくれ。まだディナント平原から顔を合わせていないのでな」

「そうさせて頂きますが、お茶の用意を致しますので少々お待ちを」

ティッタはメイド服ではなく、ニール達と同じ服を着ているが屋敷のメイドの仕事と変わりないので、ティッタが用意しに行ったのだった。

「私がヴォルン大公の代わりに報告をさせて頂きます」

ディナント平原でエレンを見た隊長は、1ベルスタある距離から正確に狙い撃ちをしたと言ったらさすがと言ったマスハス卿であった。リムはあのような光景を見ていたので正直な話、1ベルスタから正確に弓を射る事は誰も出来ぬ事と言ったらマスハスはそれはそうだと言った。そして全ての馬を倒した後にエレンとの一騎打ちをした後に勝ってしまったが、神国の捕虜ではなくジスタートの客将とならとティグルから条件を出されたとリムを始めとした者達がそう言った。その後客将になった後からはリムが話したが、途中でティッタが用意した五人分の冷茶を運んできたので、それを一口飲んでから話し始めた。客将になったティグルに色々と腕を見せてもらったら部下が心酔したので今後ティグルの監視役を自己推薦した事も、そして神国にテナルディエ軍が来る事を知った後からは実際に戦いに出たティッタを筆頭にニール・ライルも話に加わり攻められる所かテナルディエ軍を抹殺したのだとね。

「なるほど、まあここの者たちは騎士道ではない者ばかりだ。竜を従わせているのはティグル様だけだし、竜や機械兵を使うのが神国流とでも言おうか」

「するとマスハス卿は既に神国がどう戦うかをご存じだったのですか?」

「私が若い頃からの知り合いでな、仲が良いのでブリューヌ王国からの使者としてここに参るのが多い。ところで戦姫エレオノーラ=ヴィルターリア殿はなぜティグル様を救って下さった?ティグル様が単騎で向かっても倒せたのに、軍を動かすほどなのかが不思議でな」

「エレオノーラ様は義を重んじ、情に厚い方。それとヴォルン大公の客将になる条件を契約を結んでおります。ラジガストの名にかけて」

ラジガストという名で、疑問符が出たニール達神国の者だったが情報端末で見たらこう書いてあった。ブリューヌとジスタートで信仰されている契約の神だそうだ。この神の名を用いた約束事は非常に重いものとされている。まあ神国の者達にとってはその神様も神国の家臣とされているからか、約束事は直接神を呼んでは誓約書を書かせる事が神国流だ。

「ヴォルン大公はエレオノーラ様の客将となりましたが、彼が神国のヴォルン大公である事、プトレマイオス神国全体の領土を持ち、神国に火の粉がかかるならジスタートと共に払う事で契約は成立されました」

「なるほど。神国はジスタート王国を創ったともされている、そのジスタートが神国に力を貸すのは理解した。ブリューヌ内乱という火の粉がかかろうとすれば、プトレマイオス神国はブリューヌ内乱を鎮める力を持っている。ジスタートも加わるとなると大変有難いが、それでよかったのだろうか?神国はブリューヌ王国外であるが、テナルディエ軍やブリューヌ軍を二度倒している神国相手に他国と力を合わせて攻め込む口実にもなる時もジスタートが守ってくれるのか?」

ブリューヌ内乱を他国であるプトレマイオス神国が鎮めようとすれば必ずブリューヌ王国内にいる者達が、神国を滅ぼそうと考えるはず。その時になったらどうするかをリム問いただしたのだった。

「そうなりましたらジスタート王が戦姫を使い、プトレマイオス神国を守護しますでしょう。ですが初代王は七戦姫を従わせましたが、初代以降は従わせていません。ですがそれを一喝出来る者も神国の者と聞いております。それにブリューヌ国王陛下とティグル様は繋がりが太いと聞いています」

それを聞いたマスハス卿はホッとしたのであった。まあジスタート王を何とかするのもこちらの仕事だと思っているし、ブリューヌ王国で内乱が起これば必ず介入する国がプトレマイオス神国だからな。そしてニールが聞いたのだが、ガヌロンの兵やガヌロンをどう食い止めていたのかを。ガヌロンも神国を滅ぼそうと思っている者の一人だからなのか、そう聞いていたニール達だった。

「正直運がよかったと言いたいくらいだ、神国を襲うかもしれんと兵を動かしてはいたが時間稼ぎしか使っておらんよ」

ガヌロンが自身の領土であるルテティアから二千の兵を発たせたのは、テナルディエ公爵よりも三日早かった。それぞれ神国までの距離はほとんど変わらない。順調に進めば、ガヌロン軍はテナルディエ軍に先んじて神国に侵入し滅ぼそうと考えだった。ガヌロン軍を止めるためにマスハスが最初にした事は、近隣の諸貴族への呼びかけだった。それもマスハスと同じ小貴族で、中立を望んでいる者の自分では何を言っても耳を傾けてもらえないだろうと諦め、動けないでいる・・・・そんな者達に声をかけた。貴族がそうした考えを持っているかは、プトレマイオス神国に助けられた貴族ばかりであったために、神国を助けようと各地へ回っている事を知ったので、すぐに呼び集める事が出来た。集まったのは四人だったが、この数でガヌロン軍と接触し酒と食事を用意して二千の兵をもてなしをしたらしい。

「ではガヌロン軍は最初から我ら神国を攻めようとはしなかったと?」

「軍の指揮官と面会した後に、私らの目的が足止めという事には変わりなかった。向こうは私らの話を聞く代わりに周辺貴族の情報を求めてきた、軍を止めている間は斥候をやたらと多く放っていたがほとんどの斥候が戻ってこなかったと聞いた。数人戻ってきた斥候の話によれば、テナルディエ軍と間違われて神国によって抹殺されたと聞いた後に、テナルディエ軍一万の兵が神国に滅ぼされたと聞くととっととガヌロン公爵の元に帰っていった」

「そういえばテナルディエ軍じゃない斥候だったと報告にはありますね、その時は狙撃者が撃ったと報告が上がっています」

「やはりそうか!それに竜を殺した時も驚いたが、やはりティグル様が倒したと聞いておる。では今後の話をしよう、ティグル様率いるプトレマイオス神国はこれからどうするつもりなのだ?」

「ヴォルン大公の言葉を手紙にて残していますが、私が読み上げます」

『我々プトレマイオス神国はどの国にも属さない神国でありどの国にも中立国として見ていた。だが、牙を剥いてきたテナルディエ軍の攻撃により、我が王と大公である私の命により、ブリューヌ内乱に介入し、敵と見なす者は全て滅ぼす。それが神国に牙を剥かせた報いであり、それを果たすのはあくまで我ら神国に敵意があるブリューヌ王国内にいる貴族達。テナルディエとガヌロンも我らの敵とし、どんな敵が来ようとも我らの武器と技術によって滅ぼすべし。また他国でも敵意を剥いたら即刻滅ぼすべし』

「とそう書かれております、手紙のところにはヴォルン大公の印と神国の印がしてあります」

「なるほど、こりゃ全面戦争間違いないないくらいだな。ですが神国に牙を剥かせたのは間違いなさそうでしょうな」

「ヴォルン大公はマスハス卿に頼みとして、この書を預かっています。この書をブリューヌ国王陛下に送る事です。今ブリューヌ国王陛下がどんな状態かは既に知っていますが、とりあえず抗議文を出してみようとの事です。もう一つは神国にいる者達を使者として向かわせてブリューヌ王国内にいる貴族達を味方に付かせる事です。今現在のブリューヌ王国はどのような状態かを聞きたい事です。無論リムもここにいてくれ、後程エレン様やティグル様にも報告をするのでな」

リムは静かに頷いたので、マスハスが話し始めたが。ブリューヌ内乱という嵐に備える者と備えない者がいて、近隣諸国であるジスタート、ムオジネル、ザクスタン、アスヴァールも今どのようになるのか注目をしている。もちろん我が神国もどうなるかを見ているし、無人偵察機で各地を見ている。テナルディエとガヌロン以外の勢力というのは存在するが、それなりにいるそうだ。あとは中立派の貴族達をこちら側にすれば、プトレマイオスとブリューヌとジスタートの混合軍が完成となる。ブリューヌは中立派の貴族達で、ジスタートは戦姫とその軍となる。

「混合軍が出来るかは置いておいて、我が国を討伐しようとする国は多く存在する。が、プトレマイオス神国の強さを既に知っている他国はそう簡単に討伐軍として来ないと思われる。あとはブリューヌ王国内にいる騎士団がこちらに来ると予想はしております。とりあえずこの書状をマスハス卿に持たせます」

「うむ。任されよう、それよりユーグ=オージェ子爵を知っているか?」

「確か我が神国からブリューヌ南方に位置するテリトアール地方を治める貴族でしたか?」

「オージュも中立を標榜している者でな。知己も多い。紹介状を書いておくから一度会いに行ってみるが良い、きっと神国にとって力になってくれるはずだ」

その貴族に会いに行って力になるかは問題以前の問題だ、神国は他の国の争いを中立として見ているが隣国だからきっとブリューヌ内乱を何とかしたいと思うはず。ここまでで何か質問はないかとリムに聞いたら、敵と見なす者は全て駆逐するのですか?と聞かれたがニール、ライル、ティッタは即答で頷いたのだった。話が終わったのは昼頃になったので、ティッタが全員分の食事を用意していると言ったのでリムもマスハスも食べる事となったが、リムがこの味は・・・・?と聞いたらティグル直伝の料理だと聞いたらマスハスはなるほどと思ったらしい。そして食べ終わった後に全員が食堂から出るが、リムとティッタだけは残っていた。リムはあるお願いをするために。

「ティッタ様にお願いがございます」

「お願いですか?何でしょうか」

リムは腕を持ち上げて壁に飾られている熊の人形を差したのだった。

「よかったら、頂けませんでしょうか?・・・・・ああいうのを好きな人がいるので」

リムはこの屋敷を案内されて入れるところと入れないところを聞いた後にこの食堂にやってきてから、気になって気になってしょうがなかったようだ。そう質問されたティッタは隊長報告の中にリムは、熊の人形のコレクターでとても好きなようだと書いてあったからだ。

「あれはかなり汚れていますよ?それか明日にでも同じものを作りますが」

「いいのですか?」

「ええそれぐらいなら構いませんよ、それに熊の人形を好む家臣がいるとティグル様の報告に上がっていましたから」

そう言ったら固まったリムだったが、この事は誰にも言いませんよ?とティッタが言ったので諦めれてリム自身が欲しいと素直に言ったら手が空いたら作りますと笑顔で言っていた。そして同じような大きさでと注文したので、ティッタは出来るだけ早めに作りますと言ってから屋敷を出てから神国での武器や技術を見て回ったのだった。 
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