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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫

作者:黒鐡
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第1巻
  物語の始まり

長剣の切っ先を向けていた俺は馬から転げ落ち、戦って敗北した少女に向けていた。剣を持っていたけど、俺が弾き飛ばした後に持ち主の手に戻ってきた事でそれを拾って握るが既に敗北の一歩手前まで来ていた。腰まである銀色の髪をしたのがとても印象的で、持ち主となる剣からはまるで俺を懐かしく思うと共に風が俺の周りに漂っていた。

「武器を収めな嬢ちゃん、既に勝敗は決した。我が神国であるプトレマイオスに捕虜として連れて行く事も可能だが、それだと面白くない」

周辺には剣劇をしたとされていて、地面には無数の槍や死体が転がっていて血の匂いが満載としていた。ジスタートが勝ちとされたが、一人の男によってそれが覆そうとしていた。

「俺の名はティグルヴルムド=ヴォルン、プトレマイオス神国の者だ。お前の名は?」

血の匂いをまるで最初から無いような男の声であった。それも男の容姿がまるで神格のような感じで、男が立っている場所も血で出来た地面ではなく再構築された新たな地面となっている。少女は戸惑いながらも、男の問いかけに答えたのだった。

「私の名はエレオノーラ=ヴィルターリア、ジスタート七戦姫の1人でライトメリッツ公国公主をしている。それで?私をどうするつもりだ」

質問をいくつか返した後、少女は男に捕虜となると思ったが思わず困惑するような感じとしたのだった。

「俺が君のとこで捕虜としても面白くない展開となりそうだから、お前の客将となら俺を連れて行け。お前との勝負、見た者は少ないが側近らが語るだろうな。あそこにいる者だけが語り部となるだろうが、無論こちらの条件を飲んでもらわんと困る。条件として、もしプトレマイオス神国に災いが起ころうとすれば客将から抜けて自国を守護する為に帰らせてもらう」

ティグルヴルムド=ヴォルン、その名が今回俺の与えられた名であり本来だったら捕虜になるはずだったのを一騎打ちで勝ってしまった。それもプトレマイオス神国以外の者から見たら、見た事がない飛び道具と剣を持っていて龍を慕っていた事に驚きもあった。こうしてこの外史での道は始まったのだが、そもそもこの世界にプトレマイオス神国と言う存在しない国を創った事から始まりである。

この地に王国が出来る前から存在した唯一の神国で、神が住んでいる国として王国ではなく神国として地図に描かれている。ジスタートは一年中雪の消えない高山を北に持ち、東には蒼海、西と南はブリューヌとムオジネルにそれぞれ接している。

気候は冷涼で冬が他国より若干長く、針葉樹の森が点在してる為か『雪と森の国』と呼ばれる時があった。ジャガイモや林檎を産し、中央には魚のよく獲れる内海があり金銀が採れる鉱山もいくつかある。

ジスタートと言う国が出来たのは約三百前の事、その時はこの地に五十を超える部族があり覇権を賭けて争っていた時代だった。百年に及ぶ戦いの中で滅亡・離散・他部族吸収か合併により、部族の数が三十から四十に減った。その時この地にて、敵味方ではなく中立とした小さな国、プトレマイオスから来た二人の男がふらりと現れた。

「我の名は創造神黒鐵、そしてコイツは我の使役している黒龍の化身だ。我はこれ以上戦が続くのは良くない、そこで我らがお前らを勝たせる為に従うのであれば我達は喜んで戦おうではないか!」

「俺は黒龍の化身!創造神様の命により、俺を王として従うのであれば勝たせてやる!」

ほとんどの部族が笑ったが、創造神の方は笑った者達を瞬殺させたのだった。我達を笑うのであれば、ここにいる全部族を消滅させるぞ?と疑問を投げかけても簡単には信じる部族はいなかった。だが七つの部族だけが創造神黒鐵と黒龍の化身である者に従い、忠誠の証として部族の中から最も美しく武芸に長けた娘を妻として差し出した。

創造神黒鐵は、七人の妻となった者達に『竜具』と呼ばれる力がある武器を創造して七人の妻に与えた。風・氷・光・炎・雷または雷光・空間移動・能力不明の力を武器にし、更に独自の意志付きで与えた。そして創造神黒鐵の使役している黒龍の化身はこう言った。

「これは創造神黒鐵様がお前達の為に創った武器だ、そして今からこの『竜具』はお前達の物となりコイツを持つお前らを今から『戦姫』と呼ぶ」

『竜具』はヴィラルトと呼び、『戦姫』をヴァナディースと呼んだ。その後創造神黒鐵は自国であるプトレマイオスに戻り、黒龍の化身は妻七人と七部族と共に他部族との戦を勝利に収めた。

その男は統一後も戦は続いたが、周辺諸国を滅ぼして領土を広げて行った。ただし創造神黒鐵が住むと言われる神国は手出し無用の要塞となるが、ブリューヌ王国内にあるので一度はプトレマイオスを亡き国にしようとした。

が、創造神黒鐵による神の鉄槌を喰らい、ブリューヌ王国とプトレマイオス神国は和平を行った。そうしている間にジスタート王国を作り上げたのだが、初代国王である黒龍の化身は国内に七つの公国を作り、自治や徴税、徴兵などの様々な特権と共にそれぞれの妻に与えた。

「戦姫より上位にある者は、ジスタート国王とプトレマイオス神国の者達と我が主だけだ。誰が、如何なる功績を上げようとそれが崩される事はない」

初代国王はそう明言し、戦姫達に告げた。

「戦姫は、ジスタート王とプトレマイオス王と関係者に跪き、両王を護り、王の為に戦うものだ。それだけは忘れるな」

玉座の側に置かれていた燭台の炎が王を照らすと、王の影がヒトの影ではなく龍の影に見えた。一方創造神黒鐵である我は人間の姿として、小さな国ではあるが俺らの仲間として何百年生き続けてきた。この世界に来た理由は、興味があったからだ。まだここに来るまでは拠点D×Dにいたけどな。

「何を読んでいるんですか?お父様」

「ん?ああ深雪か、いや何、現実世界から届いた小説を読んでいたのさ。俺以外の者達は全員異世界だが、俺だけは現実世界という世界から来た人間なのでな。俺の趣味である新たなアニメや原作である小説があると、片っ端から見たり読んだりするのさ」

「なるほど。次元パトロール隊発足は次元神の頼みだと言ってましたね、そこで現実世界からお父様が呼ばれてそれから発足したと聞いています。元々軍人をしていたのでブラック・シャーク隊のメンバーも呼んだと聞いてますが?」

「それはホントの事だ、最初は結構いたんだが月中基地本部であるバックアップと前線である外史を巡る課があった。0課は俺を中心とした班で1課から10課は、本来の主人公の脇役やらバックアップ出来るように行かせた。そしたらいつの間にか、こんな大きな組織となってしまったけどな」

0課は始まりの課でもあり、組織発足してまだ余り時間が経っていない時だった。次元神の特典として外史に行く為の拠点と技術を貰ったお陰で、今で言う機体と船と各外史の月を俺らの基地として機能している。技術は俺らが様々な外史へ行くと救済と破滅と言う二つの道が用意されていて、現在の立ち位置とされている黒鐵改の力を元にした創造神としての覚醒。

それから破滅外史は、ドウターとゼットンにより関わっていた人物を救出し、俺らの仲間となっていたのが今現在とされている。現在の拠点は、月中基地本部ではなく外史D×Dに拠点を置いている。記憶共有者や国連軍ブラック・シャーク隊と黒神眷属である新たな仲間と共に戦う事となっていき、ある外史に行っている時に深雪が生まれた。

現在俺の家族は奏・優斗・深雪の四人となり、更に各外史で救出した女性達は俺に好意を持ち逆告白されたので、一夫多妻制であるが本妻は奏となり増えて行った。現在正室は奏、側室は三桁はいるし技術も向上しているので母艦であるトレミー3番艦も大型戦艦となって旗艦。

「それで私が生まれてからは、私が主にお父様のバックアップをする事になったんですよね?」

「そうだ。そして今読んでいるのも、そろそろ前代創造神鋼が創り上げた世界に介入し、俺がストーリーを再構築するつもりさ」

読み終わった後、俺はトレミー3番艦と各クルーと共に次行く外史に発進した。今回行く外史も初めて行く外史だからか、身体中からウズウズしているのを抑えて今に至った訳。まだジスタートと言う国が無かったので、ブリューヌ王国の辺境に新たな国を創り上げて黒龍の化身と呼ばれたグレンデルは任務を終えて俺らの所に帰還してきた。

今は初代から次の世代へと一歩進んだ状態、バトンを次の王に譲渡後に黒龍の化身はドラゴンとなり飛び去ったと歴史本にそう書かれていた。

「ティグル様、朝ですよ」

「・・・・ッ、もう朝か。いつもありがとな、ティッタ」

「今回は貴方様のメイドと言うのは、いつも思いますが光栄に思います。それに今回の名も前とは違いますからね」

そうして起きたのが、今回の主人公であるティグルヴルムド=ヴォルンと言う名だけを貰うだけなので容姿はそのままとされている。黒髪に黒目での織斑一真としての姿であり、今回のメイドとしてティッタ役をテュールが引き継いだ。ツインテールとメイド服を着ていて、外史情報を見るとティッタと言う名らしいのでそのまま呼ぶ事となった。

俺らの家は一戸建てであるが、武装はこの世界に存在しない様々な武器を持っている。例えば銃と言う飛び道具は、この世界には存在しないが代わりに弓がある。剣に槍はあるが、どうやらこの世界=外史には銃と言う技術がない世界のようだ。そんでこの国であるプトレマイオス神国は、俺=創造神黒鐵が創った国とされていて隣のブリューヌ王国とも和平を持っている。

俺の正体が創造神黒鐵を知ってるのは、この神国に住んでいるブラック・シャーク隊の者しか知らない。更にもし当主がいなくとも、この国に刃が来るのなら壁が競り上がり要塞化する。住民=ブラック・シャーク隊の者なので、働かずとも食料やその他諸々は真上にあるトレミーから補給されている。

「確か今日からだったか、お隣のブリューヌ王国とジスタート王国が戦するから手を貸してくれだったか?」

俺は顔を洗いいつもの戦闘服に着替えた、そして料理を作るティッタだったが。俺がそう話すと頷いていた。

「はい。ブリューヌ王国の王からの手紙によりますと、今回の戦は王子の初陣らしいので手を貸して下さいとの事です」

「こっちも準備はいつでもOKだったし、この世界のストーリーが始まる予感がする。まあ一応前代創造神鋼の本来のストーリーを見させてもらったし、あとはそれをどう再構築するかは俺のやる事次第。一応弓も学んでいるが、正直言ってやり辛いからやはりこれが一番さ」

「我らは元々ライフルでの攻撃を得意としてますし、この国の見回りとしてオートマトンを配備させております。あとはどのくらいの人数で行くかが問題です」

「そんなに人数はいらんよ、俺らの国は神様が住んでいると言われている聖域。夜叉数人だけで十分だ、それに俺が負ける訳がないんだから。まあもしあちらの戦姫に捕虜になる程なら客将になっても構わんよ」

そう言いながら俺は普通に朝食を食べていたが、この世界の食べ物とは違う。何せ我らは異世界から来た者だからか、この世界で食べられる物とは大きく違うからだ。俺が戦に出ても、メイドであるティッタは文句は言わない。元々ブラック・シャーク隊のメンツだからか、今回の戦はブリューヌ王国対ジスタート王国なのだが俺らがいる所から山を越えるとジスタート王国となる。

「我らがいるプトレマイオス神国は、聖なる地ともされていて外からの者が来ると拒みます。足を踏み入れると、まるで最初からなかったような幻覚を見せます」

「それに真上にはトレミー3番艦がいるし、何かあれば即対応可能だ。今回この世界に国連軍とかは存在しないので、第0課から来てくれた者達や異空間にいる神界と冥界にいる神々がいる。ジスタート王国とブリューヌ王国も我が国は和平というより、中立であるからなのかもしれん」

ジスタート王国を創ったのは俺の部下であった黒龍の化身なので、戦姫より上の立ち位置なのでもし何らかの縁で一緒に戦い文句があったとしても俺の一言で何とかなる。朝食を食い終わったので、メイドは俺の支度が終わると「行ってくる」と言ったら一礼をしたのだった。屋敷を出るとプトレマイオス神国内を巡回しているオートマトン達を挨拶した後に俺は側近の者と話しかけた。

「旦那の言う通りにしておきました、兵はいません」

「ご苦労、さてと呼ぶか。異空間または異世界にいる神界よ、我の声を受けて参上されたし、来い!」

そう呼ぶと地面から魔法陣が出てきて夜叉十人がいた、バイクではなく馬だが一応この時代に合せている。この世界にバイクとか銃とか現代技術がない世界、俺らみたいな未知なる武器や武装をしているのは、鎖国みたいな感じのプトレマイオス神国のみである。 

『主様の声により参上しました』

「うむ。ご苦労さん、異世界だろうが異空間に在ろうが呼べるというのも便利になったもんだ」

「ところで旦那は伯爵ですか?この世界は貴族社会ですからな」

「俺は本来ならプトレマイオス神国の王であるが、それを隠すんでな。王の側近だから大公かな?で、お前さんも準備できたかニール?」

「我らは上空から見守らせてもらいますので、今回は夜叉達だけとなります。我らはどちらの味方でもありませんので」

そうだったなと思いながら、夜叉十人を人間に疑似コーティングを済ませた後に俺達はディナント平原に向かった。途中、ブリューヌ王国の知り合いであるマスハス卿と合流する事となる。マスハス卿=我らのスパイなので、念話で会話が可能。

記憶共有者なのでな。こうして俺達プトレマイオス神国唯一の部隊であるブラック・シャーク隊の騎兵達は軍旗を掲げた。獅子の旗は、プトレマイオス神国の旗としても有名な旗であるとされているからだ。 
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