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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第3巻
  臨海学校初日(昼と夜)

今、IS学園の前で待っていた。今日から三日間臨海学校だが俺は、バスに乗らずに自分の車で行く事にした。今は運転席に乗っている。神姫達は、全員乗っている。クレイドルも持ったし、海で使うアーマーとかも。なので一年のバスは1時間前に出発してる、今頃はサービスエリアで休んでるんじゃないのかな。と思ったらやっと来たセシリアとシャル。

「お待たせいたしました、一夏さん」

「お待たせ一夏、早く行こうか」

「ああ、早く乗れ。荷物は後部座席に乗せろ。あいつらに追いつくために少々飛ばすがな」

言って発進。IS学園を出て、高速に乗りしばらく真っ直ぐだったけど。今頃あいつらはというと、まだサービスエリアにいるらしいな。全員女子だからトイレも時間かかる訳か。セシリアもシャルもずっと窓から外を見ていた、たまに酔い止め用として飴をなめていたけど。

『マイマスター、そろそろIS学園のバスが見えてくるはずです』

「そうかゼロ。だそうだ、セシリアにシャル」

ついでに、車種はフェラーリでちゃんと後部座席もついてるので真ん中が運転席で左右が助手席になってる。おっあのバスか、ついでにもうすぐ着くしな。俺はバスの一番前まで行って、セシリアに俺のケータイでバスの中にいる千冬に連絡した。

『もしもし一夏か。今どこにいる?』

「一夏さんは、ただいま運転中なので代わりに私が答えますが右隣におります、織斑先生」

『何?お、本当だ。一組の連中にも知らせておくか。旅館で会おう』

と切れた電話。そしたら一斉にこちらを見る一組の生徒たち。窓を開けて手を振っていた。でトンネルを抜けると、バスの中の女子たちは騒ぐ。隣にいるから筒抜けだけど。

「海見えたね、一夏」

「海なんて来るのは久しぶりだな、まあこちらはいつも通りだが」

「一夏さん、もしドウターが現れましたらどうするおつもりですか?」

「今回は機体持ってきてないし、しょうがないから黒鐵改で戦う予定だ。そのときはGN粒子を散布してくれるだけでいいから」

黒鐵改で戦うと疲労困憊になるしな、機体で来ようとも思ったが一般生徒もいるからだと思ってスナイプ・ゼロに乗っているけどな。まあその時は、セシリアとシャルがバックアップしてくれるからいいだろう。ちなみに俺の格好はアロハシャツにジーンズのズボン履いてる、あとサングラスかけてる。何かさっきから静かになったな、と思ったら千冬が静かにさせたのであろう。バスは旅館の目の前に停まったので、俺は旅館の駐車場で車を停めてから荷物を出して一組に混ざった。

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

「「「よろしくお願いします」」」

千冬の言葉のあと、全員で挨拶する。この旅館は実は俺が経営してる一つで、この旅館のオーナーである。あとこいつらの旅費は全て俺が払ってある、今回は客で来たからな。この旅館は毎年お世話になっていると聞くがな、着物姿の女将さんが丁寧にお辞儀をした。

「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があってよろしいですね」

歳は三十代だが、それ以下だと思っている。仕事柄笑顔が絶えないからなのか、若々しく見える。

「あら、オーナーじゃありませんか。今回は仕事ですか?」

「いや客として来た。こいつらが世話になる」

「一夏、お前この旅館のオーナーだったのか。それにオーナーをしてるのはこの前のレストランもそうだが」

「俺は経営というより、オーナーとしてだからな。だからここも女将さんに全て任してるのさ」

「それではみなさん、お部屋の方にどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますから、そちらをご利用くださってくださいな。場所が分からなかったらいつでも従業員に聞いてくださいまし」

女子一同は、はーいと返事するとすぐさま旅館の中へ向かう。とりあえず荷物を、置いてから海へ向かうのだろう。初日は終日自由時間。食事は旅館の食堂にて各自とるようにと。

「ね、ね、ねー。おりむ~」

この呼び方はのほほんさんだ。振り向くと、例によって異様に遅い移動速度でこっちに来た。

「おりむーって部屋どこ~?一覧に書いてなかったー。遊びに行くから教えて~」

「んー、たぶんオーナー室だと思うよ。ここの旅館のオーナーは俺だし」

またあとでなっと言って、俺はオーナー室に向かった。そして扉を開けると、これまた広い部屋だった。あと部屋には温泉付きだからな。荷物を置いてから、神姫達を出した。

「ここがマスターの部屋なんですか?」

「随分と広いんだね、もしかしてここは一人で使うの?」

「とても広いのです」

「マスター、ここで鍛錬してもいいか?」

「アン、アイネス、レーネ、そうだ。ここはオーナー室だからな。あとマイ、鍛錬より海で泳いだ方がいいと思うぞ」

と思い、俺は防水オイルと筆を準備した。昨日塗るはずだったが、荷造りや国連軍の報告書などを見てたから今日塗ることになった。

「まずは、アンからだ。この水着アーマだと結構使うが、まあいいか」

とアンから塗って、次にアイネスとレーネで最後にマイを塗っていたらノックが聞こえた。

「入るなら勝手に入ってくれ」

と言って塗るのに集中していたが、入ってきた人物は千冬だった。俺の作業をしていて、何をしているんだという顔をしていた。

「何やってるんだ?一夏」

「ああ千冬か。海に入るから防水オイルを塗ってるのさ、人間でいうならサンオイルってやつかな」

塗り終わったあとは、扇風機にアンたちは立ってオイルを体に乾かしていた。

「ところで何か用か。千冬」

「あ、ああ。一夏の部屋を用意させたんだが、いつの間にかいなかったので女将に聞いたらここにいると言ったのでな。にしても私の部屋より広くないか?」

「そりゃオーナー室だからな。それにあそこを出ると温泉があるから、大浴場なしでも入れる」

それに女子たちの部屋からは遠い、一番近いところだと千冬の部屋だろうな。

「それより一夏は、海には行かないのか?」

「あとで行くつもりだよ、それと一つ言っておくけどここは国連軍が管轄してるところだ。何かトラブルがあって軍事的な事になったら俺の指揮下に入ってもらうよ。学園長には許可をもらっている」

「そうか、まあそういうときが来ないことを祈ろう。私は先に行っている」

と言って行ってしまった千冬。ここで神姫たちのボディが乾いたところで俺は水着とタオルとアロハシャツを持って出た。ちなみに神姫は全員肩に乗せてる。別館に行こうとしたら、庭にウサミミが埋まっていた。しかも『引っ張ってください』と書いてあるが絶対束だな。俺はウサミミを引っ張った、ただのウサミミだろうと思ってあまり力出さずに引っ張ったらすぐに抜けた。そしたら空から人参が降ってきたのだ、地面に突き刺さると真っ二つに割れて出てきたのは束だった。

「いっくん久しぶり!この前までは小さかったのに今は身長抜かれていて、しかも歳も抜かれたっていう現象はこの私でも分からないよ。いっくん」

「抱き着かれるのは困るんですけど、とくに胸が当たってますが」

「わざと当ててるんだよ。っていっくん?なんか目の色が変わった?」

「こっちに来てください、ちょっとお話をしましょうか?」

「えっと、私は箒ちゃんを探しに・・・・」

俺は束をアイアンクローで、俺の部屋であるオーナー室に入って鍵を閉めた。そして片手でアイアンクローしながらもう一方の片手で隠れドアに入った。そこはベッドが置いてあるが、この部屋は防音で何も聞こえないし一度閉めたら行為が終わるまでドアは開かない。

「ねえねえいっくん。これから何するの?IS見せてくれるの?」

「これから始まるのは、束が悪いからね。俺の理性がブチンと切れたから」

「あ、や、やめて、いやーーーー」

と俺は強引に胸を揉んで情事を行った、いやー久々だ。だって相手はいないし、学園の学生を襲っちゃまずいと思った俺はずっと溜めてたが、束の胸で理性がブチンしちゃった。情事は、1時間くらいかな。まず束は胸5回イってから挿入して中に出したのも2回くらいか、服は脱がして今は俺と束は裸の状態。

「うぅ、束さん。お嫁に行けないよ」

「束が悪いんだから、しょうがないじゃないか。さてとそろそろ行かないとまずいからな、換気モードにして」

さらに浄化をして匂いを消した。ドアを開けた後、俺と束は部屋についている風呂に行って体の匂いを落とした。そのあと束は、いつの間にか服を着てどこかに行ってしまった。まあいい、束の処女は俺がゲットした。別館に行くと海からは既に、生徒が海に行っていたので俺も水着に着替えてから行った。

「きゃああ、織斑さんよ」

「わあかっこいい!水着もそうだけど格好もいい」

とか言われていたが、まあいいと思った。セシリアのところに行くと、すでに準備していたのか待っていたらしい。

「一夏さん待ってましたわ、さあ、塗ってくださいまし」

「おうよ、任せな」

と言って手にサンオイルを塗って少し温めてから塗った。見てた生徒もあとで塗ってもらおうかとか言ってたがまあいい。背中を塗ったあと、太ももやふくらはぎも塗った。

「終わったぞ、セシリア」

「ありがとうございます、一夏さん」

終わったあと、しばらく泳いでいたけど。そのときはアロハシャツを脱いでいたから、上半身見た女子たちの黄色い歓声が聞こえたがまあいい。泳いでる時、神姫達も楽しく泳いだ。俺が出るのと同時に肩にとまる神姫たち。

「あ一夏。ここにいたんだ」

「ああさっきまで泳いでいたが、そこにいるタオルお化けは何だ?」

バスタオル数枚で全身を頭の上から膝下まで覆い隠している。

「出てきなってば。大丈夫だから」

「だ、だ、大丈夫かどうかは私が決める・・・」

ん?今の声はラウラか。いつもより声は弱弱しいが。

「ほーら、せっかく水着に着替えたんだから、一夏に見てもらわないと」

「ま、待て。私にも心の準備というのがあってだな」

「そんなこと言うと僕だけ一夏と遊ぶけどいいのかな?」

「ええい、脱げばいいのだろう、脱げば」

バスタオルから出てきたラウラの水着姿が出てきた。しかも水着が黒で、大人の女性の下着と勘違いしてしまうほどだった。

「わ、笑いたければ笑うがいい」

「おかしなところなんてないよね、一夏」

「おう、かわいいと思うぞ」

「か、かわいい。そうか、私がかわいいのか」

何か知らんが、急にもじもじしだしたラウラ。男心をくすぐる奴だな、もしかしてこの水着をセレクトしたの副長のクラリッサじゃないかのか。まあいいとして、しばらくはビーチバレーをしていたがラウラがまだ顔を赤くしたままだったからボールに当たってしまい、どこかに行ってしまった。それでもう少しでお昼になろうとしていたから昼食を食おうとしていた。

「それじゃあお昼食べに行こうか」

「うん、そういえば一夏の部屋ってどこなの?」

「あー、それ私も聞きたい!」

「私も私も!」

「私も~。おりむーの部屋遊びに行きたいよ」

「俺の部屋はオーナー室だぞ、広くて中には温泉付きだからな」

温泉と聞いて目がピキューンとしてたけど。だけど行けたらの話になるだろうな。

「あ、織斑先生だ」

「本当だ、かっこいい」

お、俺が選んだ水着着てるな。腰にあてた手はいつもより色っぽく見えるな、胸も大きいし束くらいか。さてと、食堂にでも行くか。生徒たちはぞろぞろと移動してたが。

「織斑先生の水着見た?すっごいきれー。かっこいい」

「あー、私もあんな風になりたいなぁ」

「いや、あんたは無理でしょ」

「や、やってみないとわかんないわよー」

で、一度別館に行ってから着替えて食堂に行った。そういえば箒見なかったな、鈴もだけど。すれ違いかなと思って行ったら食堂にいたけど。食堂で昼食を食ったあと、俺はオーナー室に行った。ちなみに神姫たちは自由行動で海に行っている。部屋に行くと、隠し扉の中に入ったら浄化や換気したおかげでにおいはなく、外には漏れていなかった。束と情事したあと、千冬の水着を見て思わず俺の下半身がヤバスになったけど。トランクスタイプのだったからバレずに済んだがまた処理するのもなと思った。で夜になるまで、俺はずっとギター弾いてた。オーナー室は防音でもあるからだ。ずっとボカロの曲を弾いてたり歌ったりしていた。

女将から聞くまでずっとギター弾いてたが、もう夜になっていた。大広間を三つ繋げた大宴会場で、夕食をとっていたが俺以外は全員浴衣姿だった。俺はいつもの普段着だけどな、まあここは俺がオーナーをやってるから服装は自由なんだな。この旅館の決まりらしいが、俺は関係ない。

「ところで一夏、昼食のあとどこ行ってたの?」

「あ、ああ。ずっと部屋にいたぞ。ギター弾いてた」

「あら、一夏さんの部屋って防音ですの?」

「そうだ、セシリア。だから女将さんが来るまでずっと弾いてた」

俺の右にはシャルがいて、左はセシリアだ。ずらりと並んだ一学年の生徒は座敷なので正座らしいが、俺はあぐらをしている。一人一人に膳が置かれている。メニューはさすがといっていいほどうまかったけどな。食事を終えた俺は、一度自分の部屋に行って神姫を肩に乗せてから千冬の部屋に向かった。千冬の部屋に入るといなかったので待つと、ちょうど来た。

「一夏、なぜここにいる?」

「久々にマッサージしてやろうと思ってね」

「ああ、そういうことか。ならば久々に頼むよ」

と俺は千冬を布団の上にうつぶせになってもらってやろうとしていた。一方、箒と鈴とラウラは一夏が織斑先生の部屋に入って行くところを見た後に織斑先生も入っていったので入り口のドアに張り付いて聞く二人とも。

『千冬、久々だから緊張してる?』

『何年ぶりだからな、・・・・んっ!もう少し加減をしてくれ』

『はいはい。じゃあここは・・・・と』

『くあっ!そ、そこは・・・・・やめっ、つぅっ!!』

『すぐによくなるさ、だいぶ溜まってたようだし』

『あぁぁぁっ!』

盗み聞きをしていた箒と鈴は引きつっていた。

「こ、これは一夏め。何をしているのだ」

鈴とラウラは沈んだ顔をしていたが沈黙のまま聞いていた。

『じゃあ次はっと』

『一夏、少し待て』

三人の声が途切れる。あれ?と思いドアにぴったりと耳を寄せた三人。

『バンッ!!』

「「「へぶっ!!」」」

思いっきり、ドアに殴られた。打撃の刹那、反射的に漏れた声は十代女子にあるまじき響きをしていた。

「何をしているか、馬鹿者どもが」

「は、はは・・・・」

「こ、こんばんは、織斑先生・・・・」

「さ・・・・さようなら、織斑先生っ!!」

脱兎のごとく逃走開始・・・が、すぐに捕まった。箒と鈴が首根っこを取られたからだ。ラウラは浴衣の裾を踏まれて終了。

「盗み聞きとは感心しないが、ちょうどいい。入っていけ」

「「「えっ?」」」

予想外の言葉に目を丸くする二人。

「ああ、そうだ。他の二人『セシリアとシャルはまもなく来るよ、呼んどいた』そうか、では待つ間は篠ノ之。布団の上にうつぶせになれ」

「は、はいっ!」

首根っこを開放された箒と鈴。ラウラは浴衣が着崩れたのか直してた。箒は、布団の上にうつぶせになる、もしかしてさっきやってたことをやるのかと思いなあがらうつぶせになる。

「さて、始めるぞ」

「な、何をするのだ。一夏」

「何って決まってるだろう。おいしょっと」

ギュウウウウぅぅぅぅ~~~~~~ッ。

「!?いたたた、いたっ!い、一夏何をしているのだ!」

「何ってマッサージだよ、さっき千冬にやっていたと同じことだが」

と俺は親指に力を込めてやっていたが、痛がっていたのでゆるめにした。腰はひどくないが、背中だな。そこを重点的にやるか。

「く、くぁ~、き、気持ちよすぎる~!」

聞こえなーい、聞こえなーい。と背中をやっていたらノック音が聞こえたからやめた。

「入れ」

「「失礼します、織斑先生」」

「一夏、マッサージはもういいだろう。ほれ、全員好きなところに座れ」

ちょいちょいと手招きされて、二人は堂々と部屋に入る。ちなみに箒は布団から降りて座った。

「ふう、久々にやったよ。マッサージ」

「相変わらず手を抜かないところだけは、昔から変わらんな」

で楽しそうに会話してる俺と千冬を見て、箒と鈴とラウラはやっと状況を飲み込む。さっきの千冬の声はマッサージの事だったからだ、箒も鈴もラウラも顔を赤くして何か想像をしていた。

「まあいいか、一夏。ちょいとこの五人と話がしたいから席を外してくれないか?」

「ん?ああいいぜ。女だけの会話でもするんだろう、セシリアとシャルは話し終わったら俺の部屋に来い。じゃあな」

と言い残して俺は行ったけどな。一方部屋にいる女子五人は、黙っていたが。

「ところで織斑先生、私達に何か聞きたい事でもあるのでは?」

「ん?ああそうだったな。オルコットとデュノアは分かっているらしいが、そこの三人。葬式か通夜か?いつものバカ騒ぎはどうした」

「あ、いえ。その」

「教官と話すのは、久しぶりなので」

「ど、どう話していいかわからなくて」

「全くしょうがないな、私が飲み物を奢ってやろう。篠ノ之何がいい?」

いきなり名前を呼ばれて、箒はびくっと肩をすくませる。言葉がすぐに出てこずに、困ってしまった。そうこうしていると千冬は旅館の備え付けの冷蔵庫を開け、中から清涼飲料水を五人分取り出していく。

「ほれ。ラムネとオレンジとスポーツドリンクにコーヒー、紅茶だ。それぞれ他のがいいやつは各人で交換しろ」

そう言われたが、交換会はしなかった。全員が満足であったためである。

「「「い、いただきます」」」

「「いただきます、織斑先生」」

三人は箒、鈴、ラウラで、二人はセシリアとシャル。飲み物を口にする、女子の喉がごくりと動いたのを見て、千冬はニヤリと笑った。

「飲んだな?」

「は、はい?」

「そ、そりゃ、飲みましたけど」

「な、何か入ってたのでは?」

「失礼な事を言うなバカめ。何、ちょっとした口封じだ」

そう言って千冬が冷蔵庫から取り出したのは、星のマークが入っていた缶ビールだった。とそこに空間が歪み、何かと思えば神姫であるアンとアイネスが何やら食器を持ったまま飛んでいた。

「千冬さん、これマスターからのお酒のつまみです。マスター、それを飲むことを予想してたみたいなんで」

「ごくろう、アンにアイネス。お、これは私の大好物のではないか。一夏にお礼言っといてくれ」

「はい、それでは~」

「はいです。あとセシリアさん達も出来るだけお早く来てくださいね」

と空間が歪んでると思ったら神姫が消えた。そしたら歪みが無くなっていた。つまみが乗った皿を畳のところに置いてから、缶ビールを開けた。プシュッ!と景気のいい音を立てて飛沫と泡が飛び出す。それを唇で受け取って、そのまま千冬はゴクゴクと喉を鳴らした。三人が唖然してる中で、千冬は一夏からのつまみを食いながらまた飲んだ。いつもの規則と規律に正しく、全面警戒態勢の『織斑先生』と目の前の人物とが一致せず、三人はぽかんとしていた。二人はまるで一夏だと思って配られた飲み物を飲んでいた、特にラウラは、さっきから何度も何度もまばたきをして、目の前の光景が信じられないかのようだった。

「おかしな顔をするなよ。私だって人間だ。酒くらいは飲むさ。それとも、私は作業オイルを飲む物体に見えるか?」

「い、いえ、そういうわけでは・・・・」

「ないのですけど、今は仕事中なんじゃ?」

「堅い事を言うな。それに、口止め料はもう払ったぞ。それより緊張するな、オルコットとデュノアを見習ったらどうだ」

そう言ってニヤリとする千冬は、三人の手元を見た。そこでやっと女子三人は飲み物の意味に気付いた。セシリアとシャルは、知っていたかのように緊張せずに飲んでいた。一夏も授業が終わったら酒を飲むところをしばしば見てるからだ。

「さて、前座はこのくらいでいいだろう。そろそろ肝心の話をするか」

二本目のビールを持ち、景気のいい音を立てて続けて言った。

「お前ら三人は、あいつのどこがいいんだ?」

あいつとは一夏のことだろう。

「わ、私は、前より強くなっていたので目標にと」

「あたしは腐れ縁だし」

「つ、強いところでしょうか」

「ふむそうか。ではそう一夏に伝えよう」

しれっとそんなことをいう千冬に、三人はぎょっとしてから一斉に言った。

「「「言わなくていいです!」」」

その様子を笑いながら、ビールを飲み続けるが。

「オルコットとデュノアはどうなんだ?あいつの部下でもあるんだろ」

「たしかに恋心はありますが、今は友人や上司として見ているだけですし、その0・・・・」

「一夏は昔助けられたこともあるけど今は・・・・」

「「一夏には妻がいるから」」

爆弾発言がセシリアとシャルの口から出た直後吹いた千冬。そしてぽかーんとした直後叫ぶ三人とも。

「ごほごほ、オルコットとデュノア、今なんて言った?」

「だから、一夏さんには妻がおりますの」

「それに息子さんもいるって言ってたしね」

「あいつに妻ができただと!?束か」

「いえ、別の人です。歳は一夏と同い年の人です」

箒と鈴は本当だったのか落ち込んだ、ラウラに関してはポカーンとしていた。千冬は、そんな事聞いていないと言ってたがセシリアは本当のことだと何度も言った。写真とかはないのかと聞かれたら一夏が、持っていると言っていた。そのあと、セシリアとシャルはオーナー室に行った。もう用はないと思ったので。俺は、セシリアとシャルにマッサージしたあとに部屋についてる温泉に入ってから寝たのだった。 
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