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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第2巻
  五反田家

俺は休日になって、久々に弾の家に遊びに行くことになった。トレミーに乗る前から約束してたから、いまさら断る必要はないのでバイクで行った。俺の車はトランスフォーマーでしかもどんな乗り物でも変形できるので、車からバイクに変形させた。バイクで五反田の家に着いて停めた。そして扉を開けると弾がいたが、俺だと気付かないのか普通の客扱いだった。

「おい弾。俺だよ俺。織斑一夏だ」

「はっ?お前一夏なのか。いやしかし姿や声が違うが」

俺はしかたがなく生徒手帳を見せたら納得した。そして、弾の部屋で格ゲーしてた。

「で?」

「で?って何がだ?」

会話中に聞かれたが、コントローラ集中して奥義を使った。

「だから、女の園の話だよ。いい思いしてんだろ」

してないがなと何回も言ったが。こいつは五反田弾っていって、俺が中学二年まで友達だった。俺が転校するときは、メールしろだとかうるさかったけどな。

「嘘をつくな嘘を、一夏のメール見てるだけでも楽園じゃねえか。なにそのへヴン、招待券ないの?」

招待券あるわけないだろうといいながら技を決めてく俺。ちなみにタメ口でかまわないと言った。その方がこいつにとってはやりづらいと思っての事。ちなみに俺は歳は変わったが、生徒のままで生活している。本来なら先生だが。

「そういえば鈴が転校してきたな、口がむかついたからアイアンクローしたけど」

「鈴か、懐かしいな。というかアイアンクローって千冬さんがやってるあれか?痛そうだ」

そう言ってるうちに俺はまた勝った。今俺と弾がやってる対戦ゲームは『IS/VS(インフィニット・ストラトス/ヴァースト・スカイ)』発売してすぐ名作になったゲームでデータは第二回IS世界大会『モンドグロッソ』のものが使われている。ちなみに開発したのは日本だが、当然のように各国から苦情がきて、困ったソフト会社は参加二十一ヵ国それぞれが最高性能化されてものが売れたとか。

「で、話戻るけど鈴とは・・・・・」

となぜか鈴の話題になったが、突然の訪問者が現れた。

「お兄!さっきからお昼出来たって言ってんじゃん!さっさと食べに・・・・」

ドカンとドアを蹴り開けて入ってきたのは弾の妹、五反田蘭。歳は14だから10個下だな。今は中三で有名私立女子校に通ってる優等生だったか。

「よう久しぶりだな蘭。俺のこと分かるか?織斑一夏だ」

「え?一夏さん?でも姿や声が違う」

俺は再び生徒手帳を出した。顔写真はこの姿になったあとに再発行してもらった。

「ほ、本当に一夏さんなのですね?」

「ああ、そうだ。それよりその格好、なんとかならんか?」

俺が指摘したら壁に隠れてしまった。やっぱ女子は自分の家だとラフな格好になってしまうんだろうな。肩まである髪を後ろでクリップに挟んだだけで、服装はショートパンツにタンクトップ。まあ学校の寮でも、薄着とかラフな格好してるからもう慣れたが。最近暑くなってきたのか胸元を開いた服を着ている子が多くなってきた。しかも男は俺だけだから男の視線は俺だけであるのか、自由と言って開放的な服装になっている。

「い、いや、あのっ、き、来てたんですか・・・・?全寮制の学園に通ってるって聞きましたが」

「弾の約束で遊びに来た、それと家の様子見。あと敬語はいらないからな」

「蘭、お前なあ、ノックぐらいしろよ。恥知らずな女だと思われ・・・・」

ハリセンで軽く叩いたあと、蘭の視線がギラリとした。

「・・・・・なんで、言わないのよ・・・」

「い、いや、言ってなかったか?そうか、そりゃ悪かった。ハハハ・・・・・」

うわー、弾に向けての視線が怖い。蘭は部屋を出る前に言った。

「あ、あの、よかったら一夏さんもお昼どうぞ。まだ、ですよね?」

「いただくよ、ありがとう」

「い、いえ・・・・」

ドアが閉まってしばらく静寂した。

「しかし、あれだな。記憶だけなら1年半ぶりなんだが、実際は10つ下になってしまったな」

「ハハハ。確かに。俺とでも9つ上だけどな。しかしあれだな、一夏が大人になるとこんな風になるのか」

中二の前半までは結構遊んでいたが、転校=国連軍に入隊して、即第00独立特殊機動部隊ブラック・シャークの隊長で大佐だからな。そこからは、仕事で忙しかったけどな。食堂に行くと何でこんなとこに子供がいるんだと一時騒いだことがあったな。

「まあそこはいいとして飯食ったら久々に街にでも行くか」

「おうそうだな。ここの飯は久々だからな、あと俺が転校したから街がどうなったか知りたいし」

「そうだな。まあ飯はどうせ売れ残りの定食だろう」

弾の部屋を出て1階へ。一度裏口へ出て、正面の食堂入り口に戻る。面倒だがしょうがない思ってるのは俺だけか。

「うげ」

「ん?どうした?」

「・・・・・・・・」

露骨に嫌そうな声を出す弾を、後ろから覗く。そこには俺たちの昼食が用意してあるテーブルがあるんだが、先客がいた。

「なに?何か問題でもあるの?あるのならお兄ひとり外で食べてもいいよ」

「聞いたか一夏。今の優しさに溢れた言葉。泣けてきちまうぜ」

先客は蘭だった。弾が言ったのはおそらく俺と二人きりで食べたいからそう言ったのかなと思った。

「3人で食べちまおうぜ。それより他のお客に迷惑かかるだろう」

「そうよバカお兄。さっさと座れ」

「へいへい・・・・」

俺と弾と蘭は座るが、蘭の格好に注目した。さっきのラフな格好ではなく、髪もロングストレートで服装は半袖のワンピース。

「蘭。もしかして着替えた?」

「は、はい。似合いますか?」

「おう。似合うぞ」

「そ、そうですか・・・」

俺は素直に感想言ったら赤くなった。

「お、蘭がこんなに赤くなるのは久々だな。それにそんなに気合いいれたおしゃれは数ヶ月に一回・・・・」

瞬撃のアイアンクローを受けた弾。正確には口封じって奴か、弾の呼吸を止めている。それどこで習ったんだかな、護身術というより暗殺術に近い。そして何やらアイコンタクトで冷たい視線を出す蘭に向けている弾は許しを得ようと何度も頷いていた。

「早く食べないと厳さんに叱られるぞ」

「その通りだ、食わねえなら下げるぞガキども」

俺が声をかけた人は八十を過ぎてもなおも健在、五反田食堂の大将にして一家の頂点、五反田厳さん。長袖の調理服を肩までまくり上げ、むき出しになっている腕は筋肉は結構ある。中華鍋を一度に二つ振るその豪腕は、熱気に焼けて年中浅黒い。サロンに行くより百倍健康な焼け方をしている。さて、おとなしく頂くか。俺達は食い始めた、懐かしい味だな。

「でよう、一夏。鈴と、えーと誰だっけ?ファースト幼馴染?と再会したんだって?」

「ああ、箒のことか」

「ホウキ・・・・・?誰ですか?」

「篠ノ之箒、あのISを開発した篠ノ之束の妹だよ」

「へえー、そうなんですか。私、来年IS学園を受験します」

がたたっ!

「お、お前何言って・・・」

見事、おたまは弾の顔面を直撃する。

「たしか蘭の学校はエスカレート式で大学まで出れるところなんだろう」

「大丈夫です。私の成績なら余裕です」

「IS学園は推薦ないぞ・・・・」

よろよろと立ち上がる弾。体力は低いが復活が早い。弾の隠れた特徴だったかな。

「お兄と違って、私は筆記で余裕です」

「いや、でも・・・・な、なあ、一夏!あそこって実技もあるよな!?」

「ああ、あるな。IS起動試験っていうのがあって、適性がないと落とされるって聞いた」

俺は、軍でIS起動させたあとに調べたらめちゃめちゃ相性合うしな。蘭は無言でポケットからなにやら紙を取り出すと弾に差し出す。

「げえっ!?」

ん?どうした。そんなに驚いた顔をして。

「IS簡易適性試験・・・・判定A・・・・・」

「問題は既に解決済みです」

なるほどね、あんなに余裕だったのはそのためか。確かそれって希望者が受けられる奴だな、たしか政府がIS操縦者を募集する一環でやってる。たしか無料だったな。

「で、ですので。一夏さんにはぜひ先輩としてご指導をしてほしいのですが」

「もちろん、受かったらの話だがな」

と承諾したら蘭がくいついてきた。

「や、約束しましたよ!?絶対ですからね!」

「ああ、絶対な」

その勢いのまま俺と蘭は約束をしたが弾が反論した。

「お、おい蘭!お前何勝手に学校変えることを決めてるんだよ!なあ母さん」

「あら、いいじゃない別に。それより本当にあなた一夏君?ニュースの時と姿や声が違う」

「ええ、正真正銘俺は織斑一夏です。歳は24で千冬と2個下になりました」

「ま、マジかよ。ということはますます頭上がらなくなったな、千冬さんは」

「嘘を言ってないようね、蘭のことお願いね」

五反田食堂の自称?看板娘、五反田蓮さん。実年齢は秘密。蓮さんいわく『二十八から歳をとってないの』だそうだ。相変わらずのニコニコ笑顔。愛嬌があると実質以上に人を美しく見せると言うが本当だな。

「ああ、じゃねえ!」

こいつは何興奮してんだ。

「ああもう、親父はいねえし!いいのか、じーちゃん!」

「蘭が自分で決めたんだ。どうこう言う筋合いじゃねえわな」

「いやだって・・・・」

「なんだ弾、お前文句でもあるのか?」

「・・・・・ないです」

弾は弱いな、いくら身内でもびしっといえよな。トレミーに入る前は立場的に弟だったけど、今はどうだろうな。一応呼び捨てで呼ぶ時があるけど。

「では、そういうことで。ごちそうさまでした」

いつの間にか昼食を平らげた蘭は箸を揃えて置き、合掌をして席を立つ。そして自分が使った食器を洗う。俺も食事を終えたので食器を片づけておいた。

「一夏」

弾は小声で俺に話しかけてきた。なんだいったい。

「お前、すぐに彼女作れ、すぐ!『パッシィィィイン』いってえええ」

「年上に対してその口は何だ弾!」

俺はつい年下の弾にお前って言われたからハリセンで叩いた。

「す、すまん。だがすぐ作れ。今年中、いや今月中に」

「何言ってんだよ、俺にはもう好きな人いるんだからな」

『え、えええええええええええええええええええええ!』

なぜか知らんが弾と蘭が大声で叫んだ。蓮さんに限ってはあらあらってな感じだったけど。

「い、一夏さん。もしかして彼女いるんですか?」

「うーん、彼女になるのかな。俺と同い年だが」

弾と蘭は固まったあと弾はちくしょうとか言ってたな。そんなに悔しいのか、蘭はまだ固まっていたけど。

「あっ、でも蘭とデートするのはいいぞ。何なら今から行くか?」

「え、いいんですか?でも彼女がいるのに悪いのでは」

「いいさいいさ、そこで固まってる奴と遊ぶくらいなら蘭とデートしたほうが数倍楽しいしな」

俺と蘭は外に出たあと、バイクのメットを渡して街に行った。一方弾は固まっていたが後日聞いた話によると、厳さんのげんこつで元に戻ったそうだ。夕方になると家まで送って行き、学園に戻った。 
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