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インフィニット・ストラトス ―蒼炎の大鴉―

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初日

 
前書き
和也は公私で僕と俺を使い分けています。 

 
入学式が終わり、全ての生徒が教室に戻る。

俺のクラスは織斑一夏と同じ1組に決まった。恐らくイレギュラーな男子生徒は1つのクラスにまとめておいた方が都合がいいという学園の決定によるものだろう。

俺と織斑一夏はクラスの注目の的となった。まぁ、本来女子しかいないはずのIS学園に男子がいれば物珍しさで注目されるのはわかりきっていることなのだが…。

実のところ俺のことは教室に入るまで話題にならなかった。俺は織斑一夏と違い、情報を伏せてもらっていたからだ。

だから、二人目の存在はクラスメイトを驚かせただろう。

ちなみに織斑一夏は周りの視線が気になりすぎているのと俺が後ろの席にいることで俺のことは眼中にないようだ。

「みなさん、お静かに」

教室に教師と思われる女性が入ってきた。おっとりとした雰囲気の彼女はとてもじゃないがクラスをまとめられるような人には見えなかった。副担任だろうか?

「副担任の山田真耶です」

ほら、予想通り。

「全員揃ってますねー。それじゃあSHR始めますよ」

今一締まりがない。担任に期待だ。

「それでは皆さん、1年間よろしくお願いしますね」

だがの注目は8割織斑、2割俺に向いており、特に反応するものもいない。
彼女も雰囲気を察したのか

「じゃあ自己紹介をお願いします。えっと…、出席番号で」

自己紹介を提案した。

一方で織斑はチラチラ窓側を、正確には窓側の同じ列の席を見ている。知り合いなのだろうか?

そんな中、織斑の番がくるが、彼は気付いていないようだ。

「織斑くん、織斑一夏くん」

「は、はい」

ようやく気付いた。

周りが笑い始める。

「あの、大声出しちゃってごめんなさい。怒ってる?怒ってるのかな?」

山田先生が慌てだす。見ていて滑稽だw。

「ゴメンね、ゴメンね。でもね、あのね、自己紹介、[あ]から始まって今[お]の織斑一夏くんなんだよね。だから自己紹介、お願いできるかな?」

教師としての尊厳はないのか山田先生…。

「いや、あの、そんなに謝らなくても…。自己紹介しますから落ち着いて」

慌てふためく織斑一夏も見ていて面白いwwww。呟いたらどれだけリツイートくるかな?

「えー、えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

そう言いながら頭を下げる。

それだけかよwwwwと吹き出そうになるのを堪えながら続きを待つ。

周りは続きを望む視線を向けている。あれは辛いだろうな。まぁ他人事だけど。

「以上です」

こいつやらかしたwwww。

ずっこける女子数名、期待し過ぎだお前ら。

そんな微妙な空気をパアンッという破裂音?が突き破る。

「げえっ、関羽!?」

また同じ音が鳴り響く。

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

どちらかというと張飛じゃ、と思ったが控える。俺だって殴られたくないし。

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「ああ、山田先生。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

いきなり大物登場かよ。道理であんな音出せるわけだ。

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を1年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。出来ない者には出来るまで指導してやる。逆らってもいいが私の言うことは聞け、いいな?」

流石は世界最強の1人、言うことが違う、とすなおに感心する。

その宣言のすぐ後、黄色い声援が響く。

「キャーーーーー千冬様、本物の千冬様よ!」

本物でなければなんだ?クローンか?もしくは整形手術をした誰かか?

「ずっとファンでした」

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです、北九州から!」

近いなオイ。クラスの半分は外国人だぞ。

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです」

「私、お姉様のためなら死ねます」

ここまできたら変態だな。

「毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」

いや、どんなクラス編制でも同じだと思うぞ。あんたほどの有名人なら。

「きゃああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがらないように躾をして~!!」

こいつらMか…。

「で、挨拶もまともにできんのか、お前は」

「いや、千冬姉、俺は…」

そして鳴り響く破裂音

「織斑先生と呼べ」

「はい、織斑先生…」

「え…織斑くんってあの千冬様の弟…?」

「それじゃあ、世界で唯一男でISを扱えるっていうのも…」

「いいなぁ、代わって欲しいなあ」

それは関係ないと思うがな。

数人の自己紹介が終わり俺の番がくる。

「黒鉄和也です。ここに入学する前は父の会社でテストパイロットをしていました。世間一般でいう御曹司ですが、そんなことは気にせず一生徒として付き合ってくれれば嬉しいです」

とりあえず無難な自己紹介をする。まぁ、織斑よりはマシだろう。

周りから拍手と黄色い声援が贈られる。第一印象は良好といったところか。

その後、自己紹介は全30人終わり、SHRは終了した。
 
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