仮面ライダーウィザード 希望を救い出せ
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第二十二章
「それでははじめよう」
「おい晴人、いいな」
「ああ」
ウィザードはビーストの言葉に冷静に返した。
「この世界での戦いを終わらせるぞ」
「俺達が勝ってな」
「そうするからな」
「望むところだ」
こう応えてだ、そしてだった。
二人のライダーも向かう、その後ろでは。
飯島、稲森、山本の三人のメイジ、彼等がだった。
それぞれフェニックス、メデューサ、グレムリンと戦うその中でだ、それぞれの相手のまさに一瞬の隙を衝いてだった。
渾身の一撃を浴びせた、それでだった。
ファントム達は動きを止めてだった、メデューサが忌々しげに言った。
「くっ、まさか」
「今ので決まったわね」
メデューサの左胸に拳を加えた稲森が応える。
「そうね」
「この力、前に闘った時以上に」
「強くなっているというのね」
「それも遥かに」
「当然よ、私達はあの時から更に戦ってきたのよ」
「そしてその戦いの中で」
「強くなったのよ」
そうなったというのだ。
「だからよ」
「私をこうも簡単に」
「簡単にでもなかったけれど」
これまで死闘を展開していた、しかしだったのだ。
稲森は怪人の一瞬の隙を衝いてその胸を打った、それで倒したのだ。だから楽に勝ったとは言えなかったのだ。
「勝てたのよ」
「強くなったからこそ」
「そうよ、私は勝てたのよ」
「そして」
メデューサはここでフェニックスとグレムリンも見た、だがその彼等もだった。
飯島、山本の蹴りと体当たりをそれぞれ受けていた、それで二人共致命傷を受けていた。それを見ても言うのだった。
「フェニックスとグレムリンも」
「くそっ、まさかこうなるなんてな」
「思いも寄らなかったよ」
二人も歯噛みして言うのだった。
「見事な位にな」
「やられたよ」
「そうなったこともまた」
「そうよ」
稲森はメデューサを見据えたまま答えた。
「私達が強くなったからよ」
「そうか、しかしな」
フェニックスは足元をふらつかせながらもだった、メイジ達を指差してだ。そのうえで実に忌々しげな声でこう言った。
「俺達はここで負けてもな」
「次があるんだよね」
飯島のメイジがそのフェニックスに応える。
「そう言うんだね」
「そうだ、それに俺は不死身だ」
ここで倒れてもというのだ。
「また出て来てやる、楽しみにしていろ」
「まあここで倒れてもね」
それでもと言ったのはグレムリンだった、彼も山本のメイジの彼の一瞬の隙を衝いた体当たりを受けて致命傷を負ったのだ。
それで瀕死ながらも立ちだ、こう言ったのだ。
「僕達はまた出て来るよ」
「私達は何度でも生き返るわ」
メデューサも言った、このことについて。
「あの方がおられる限り」
「スサノオが」
「そうよ、だからね」
それで、というのだった。
「また戦うことになるわ」
「そしてその時はな」
またフェニックスが言って来た。
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