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転生赤龍帝のマフィアな生活

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三十話:宣言

 
前書き
他の作品を書いていたりした影響で投稿が遅くなってすみませんm(__)m
それでは本文をどうぞ。

 

 
Sideバジル

こんばんは、現在拙者はオカルト研究部の皆様とクローム殿、アーシア殿と一緒に
拙者に家に集まっています。
それにしても……お尻が…物凄く…痛いです……。
まあ、これも全部拙者の自業自得なんですが……。
結局のところ何があったかと言いますと無断で祐斗殿と共にエクスカリバーの奪還に
挑んでいたことが親方様にバレてしまい、
お尻叩き千回と言うお仕置きを受けたわけです。

はあ……なぜ拙者だけが……小猫殿は軽く一回だけだったと言うのに
拙者には魔力を込めた全力の平手打ち千回だったのは納得がいきません。
しかも、時折、親方様が楽しそうな笑い声を上げていたのは中々に恐ろしかったです。
親方様はもしや、朱乃殿の様に………いえ、考えない方が良いですね。
今は他に差し迫った問題がありますし。

「祐斗達がバルパー・ガリレイを追いかけて行ってから既に丸一日近く経っているわ……いくらなんでも遅すぎる。」

バルパー・ガリレイとフリードを追いかけて行った祐斗殿とゼノヴィア殿が
丸一日近く経ったというのに未だに帰ってこないという事です。

「単純に敵を逃がしただけなら、頭に血が上っている祐斗殿はともかく冷静なゼノヴィア殿は戻ってくるはずですから、ゼノヴィア殿まで戻ってきていないという事は戦闘中、あるいは…………。」

そこまで言って口をつぐみます。
言ってしまえばそれが実現してしまいそうな気がして言えません。
………祐斗殿とゼノヴィア殿ならきっと大丈夫です。

「とにかく、一度二人を探しに行きましょう。ここでじっとしていても仕方がないわ。」
「はい、そうですね。親方―――っ!!?」

突如感じた凄まじい重さのプレッシャーにその場にいた全員が反応します。
この気配はまさか!?

「部長、この気配は堕天使ですわ……しかもかなり上位の。」
「そうなると思いつく相手は一人しかいないわね……みんな、外に出るわよ!!!」
「「「「はい!!!」」」」

部長の言葉に従い外に飛び出るとそこにはニヤニヤと気味悪く笑うフリードと
月をバックに漆黒の十枚の翼を広げて浮かんでいる堕天使がいた。
間違いなくあれが今回の事件を引き起こした張本人―――

「コカビエル!!!」
「初めまして、リアス・グレモリー。紅髪が麗しいものだな。忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」

開口一番、親方様に対してそのような失礼な言葉を吐き捨てるコカビエル。
拙者も含めてグレモリー眷属全員が顔を怒りで歪めますが誰もその場を動くことも
言い返すこともしません。
………実力の差が歴然としているからです。

「あら、ありがとうございます、堕ちた天使コカビエル様。それとグレモリー家と我らが魔王は最も近く、最も遠い存在。魔王との交渉に私との接触を求めるなら無駄よ」

親方様はコカビエルの言葉に負けじと皮肉めいた口調でそう言い返します。
しかし、コカビエルは冷笑を浮かべるだけで何も気にしているようには見えません。

「魔王との交渉などバカげた事はしないさ。まあ、お前を殺せば、サーゼクスの激情が俺に向けられるかもしれないが、それも悪くないな」

コカビエル…!!ふざけたことを!!!
万が一があるといけないので親方様を守る為に一歩前に踏み出します。
しかし、親方様の手に遮られてしぶしぶと下がります。
親方様はまだコカビエルと話す気ですか………。

「それで、私と接触したのは一体全体どういう目的かしら?」
「お前の根城である駒王学園を中心にしてこの町で暴れさせてもらう。そうすればサーゼクスも出てくるだろう?」

そう嬉々として言い放つコカビエル。
一体……何を言っているのですか?コカビエルは。
訳が分かりません。

「そんな事をすれば、堕天使と神、悪魔との戦争が再び勃発するわよ!!?それでもいいの!!!??」
「そう、それこそが俺の目的だ!!!」

邪悪な笑みを浮かべて高らかにそう宣言するコカビエル。
戦争を再び始めるのが目的?
一体全体なぜそのようなことを!!?
コカビエルはまた新たに犠牲者を増やしたいのですか!!!??

「俺は前の戦争が終わってから退屈で仕方なかった。なぜか?簡単な理由だ。俺にとっては闘う事こそが生きがいなのだ!!!血肉が歓喜する戦争……そんな素晴らしい空間を再び取り戻すのだ!!!!!」

……退屈だから?……戦いたいから?……自分が楽しみたいから?
狂ってます……コカビエルは間違いなく狂っています!!!

「この戦闘狂!!!」
「褒め言葉感謝するよ。さて、俺はお前の根城で聖剣を巡る戦いをさせてもらうぞ、リアス・グレモリー。戦争をする為にな!!!二人の魔王の妹、それらが通う学舎だ。そこで一暴れすれば奴らも黙ってはいないだろう。」

耐え切れずに叫ぶ親方様にそう淡々と返すコカビエル。
そして、告げられる宣戦布告。
……駒王学園で戦う……何としても止めなければ…!!

「ひゃはははは!!どう?おれっちのボスさん。イカレ具合が最高しょっ!?そんなボスだからおれっちもいつもより張り切っちゃってるんだよねえ。おまけにこーんな素敵なご褒美貰っちゃったし!!!」

狂ったように笑いながら拙者達に三本のエクスカリバーを見せつけてくるフリード。
両手に一本ずつ持ち、そしてもう一本は腰に帯刀した状態で
これ見よがしに振り回しています。
エクスカリバーもあのような男に扱われて不憫ですね……。

「右のが『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』左のが『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』腰のは『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』でございまあす!!」

教会から奪われたエクスカリバーが全てフリードの手にあるということですね。
もし、フリードが三つともの能力を十二分に扱うのだとしたらかなり厄介ですね……。

「どうせなら、さっきの聖剣使いの糞ビッチちゃんからも奪いたかったんですけどねえ、いきなり現れた声のクソデカい剣士と全裸ビッチちゃんに邪魔されちゃったんですよお。そのせいでイケメン君にも逃げられちゃったしもう最悪!!!」

エクスカリバーをペンの様にクルクルと回しながらブツブツと呟くように叫ぶフリード。
声の大きい剣士と全裸と言ったらあの方達しか思いつきませんので
恐らくはスクアーロ殿とブルーベル殿でしょう。
とにかく、祐斗殿とゼノヴィア殿は無事の様ですね、良かったです。

「でもでも、このイライラはちみ達の斬死体が晴らしてくれるよねえ?じゃ、そういうことで学校で待ってマース!!バイチャッ!!!」
「くっ!?また閃光弾!!?ですが逃がしません!!!」

閃光弾を地面に投げつけてコカビエルと共に消えようとするフリードに
一矢報いようと思い、『銀狼の牙(メタルエッジ)』をブーメランにして投げつけますが
光が晴れた時には何事もなかったように返ってきただけでした。
………はずしましたか。

「みんな!!とにかく学校に向かうわよ!!!」
「「「はい!!!」」」

コカビエル、お主の好きなようにはさせません!!!

Sideoutバジル





「イッセー君、携帯鳴ってるよ?」
「……出たくねえ。」

現在、俺とイリナは歴代赤龍帝(マゾヒスト・ヴァーサーカーズ)の悪夢を払拭するために
気分転換に二人仲良く新鮮な魚介類を食べ歩いているところだ。
まあ、成り行きとはいえ、折角、北海道まで来たんだ、食べない手はないだろう。

「もしかして……私との時間を優先してくれてるの?」

少しハニカミながらそんなことを言ってくるイリナ。
たく、どうしてそういう事になるんだ?
俺はただこの電話をかけてきているであろう相手が俺の鼓膜を破壊するのに
十分すぎる程の声量を持っているカスだと言うのが超直感で分かっているから
でたくないと言うだけだ。
というか、イリナの奴、さっきから随分と落ち着いてるな。
何かいいことでもあったのか?

(きっと、イリナたんは私達を咬み殺して満足したんですよ。まあ、私達はまだまだいけますけどね。)
(おや、今、イッセー様イラつきましたね?ご安心を、私達はいつまでもイッセー様の忠実な(しもべ)です。あ、言い忘れていましたが小猫たんが目の前に居る時は別です)
(ゼノヴィアたんとクロームたんが足りない………)
(一誠様、我々は一生あなたに付き従います。しかし……新たな主の予感もします。)

よし、取りあえず一言、言わせてもらうぜ。

(変態の(しもべ)なんざいらねえよ!!!!!)

ああ、そうだ!!歴代赤龍帝(マゾヒスト・ヴァーサーカーズ)は俺の精神世界の中に
何事もなかったかのように戻ってきて
元気に俺の胃と精神を削り続けてやがるんだよ!!!
外に出ようが中に居ようが俺にとっての最大の敵であることには変わらねえってのは
本当に気が滅入るぜ………そうだろ、カストカゲ。

(……………………………)

ああ、忘れていた。カストカゲはムカついたから
赤黒い液体を垂れ流す物体に変えておいてやったんだっただな。
それを見たエルシャが羨ましそうに歯ぎしりをする音が
聞こえてくるのはきっと俺の幻聴だろう。
最近疲れがたまっているんだろう。帰ったらユニを抱き枕代わりにして寝るとしよう。

「イッセー君?」
「悪いな、少し考え事をしていた。」
「ふーん、それはいいけどさっきから携帯が鳴りっぱなしだからいい加減、出てあげたら?私はイッセー君が私の事を優先してくれただけで嬉しいから。」

そう言って頬を染めてテレたようにに笑うイリナ…………ぜってえ可笑しい、
あのイリナが可愛らしいなんざありえねえ…!!
イリナの奴どうしちまったんだ!!?

「おい、イリナ。頭でも打ったのか?」
「あ、イッセー君、蚊が止まってるよ?」
「ゴハッ!?」

俺が心配をして頭でも打ったのかと親切に聞いてやったと言うのに
イリナは蚊が止まっているなどと嘘を言って一切の容赦もせずに
俺の頭をかち割るつもりで俺を殴ってきやがった………理不尽だろ。

「さっさと電話に出なさいよ。というかでないと咬み殺すわよ?」
「ちっ!!てめえに言われなくともな!!!」

さっきからは打って変わって目から光が消してそんなことを言ってくるイリナに
せかされ、覚悟を決めてから携帯を最大限まで耳から離して構える。
すると―――

『ゔおおおおおおおい!!!!!報告だぜええええええ!!!!!ボス!!!!!』
「うるさいわ。ねえ、イッセー君、あのウザイサメ咬み殺してもいい?」
『悪かったああ!!!出来るだけ音量を下げるからこれで勘弁してくれええ!!!』

イリナの奴たった一言であのカスザメの声のボリュームを落としやがった…!!
カスザメの奴、相当イリナに食らったあの男の急所攻撃が効いたみてえだな…!!!
それにしてもイリナの奴、俺ですら成しえなかったカスザメの声を小さくするという
奇跡の所行をこうもあっさりと成し遂げるとはな……。
もう、イリナがヴァリアーのボスやった方がいいんじゃねえのか?
まあ、俺以外がボスになるなんざ勿論、認めねえがな。
というか、カスザメの奴、音量を落としてこれかよ。
普通の奴が叫ぶぐらいはあるんじゃねえか?ブルーベルに代われよ。

「ふーん、まあいいわ。」
『恩にきるぜええ!!!』
『で、何の用だ、カスザメ?』

カスザメとブルーベルにはバジル達が危ねえ時は手を貸すように言ってたがそのことか?
と、なると、あっちの状況は良くねえ見てえだな。

『コカビエルとかいう奴が駒王町で暴れるつもりらしいぜええ!!!』
『あ?』

カスザメからの報告のせいで極限までムカついて手に力が入る。
携帯がミシミシと音を立てているのはしょうがねえことだな。
まあ、今はそんなことはどうでもいい……俺のシマで暴れるだと?
くっくっく……どうやら死にてえらしいなコカビエル(ドカス)の奴は。
俺に楯突いたら最後どうなるか思い知らせてやる!!!

『俺達はどうするんだあ?ボス。』
『適当に遊んでろ、コカビエル(ドカス)は俺直々にカッ消す!!!』
『了解だああ!!!』

そこで携帯をきりイリナの方を向き直る、もとはと言えばあいつの仕事だ。
イリナに手伝わせてやる―――って、何でイリナは凄まじい殺気を放ってんだ!!?
さらにそれを受けて俺の中の変態達がウォーミングアップしてやがんるんだが!!?
やめろよな!!!俺は戦わねえからな!!!??

「うふふふ……折角のイッセー君とのデートの邪魔をするなんて……
 許せない―――絶対に咬み殺してあげるわ!!」

まるで氷の塊を背中にぶち込まれたかのような気分にさせる程の冷たい声で
ブツブツとそんなことを呟くイリナ……やばい目が狂気に満ち溢れてやがる…!!
デートじゃねえよ!!!と叫びてえが怖くて言えねえ…!!

「ねえ、イッセー君。出会い頭にカラスの首を撥ね飛ばそうと思ってるんだけどどうかな?」

物凄く素敵な笑顔で俺にそんなことを提案してくるイリナ。
正直言って今すぐにでも逃げ出したいぐらいだがそんなことは俺の誇りが許さないので
冷静を装って答える。

「まて、イリナ、まずは羽を引き千切るのが先だ。それと四肢をもぎ取るのも追加だ。」
「あ、それもいいね!!流石はイッセー君!!!」

俺の提案にポンと手を打つイリナ。
流石は俺の幼馴染みだな、話が分かる。

「取りあえず、カッ消すのは俺だからな。」
「だめよ、私が咬み殺すわ。」

しかし、直ぐにどちらが止めを刺すかで揉めてしまう俺達。
ちっ!!俺がカッ消すのはぜってえ譲る気はねえがイリナにも殺らせねえとな……
後で何をしでかすかが分からねえからな……仕方ねえ。

「しょうがねえ…二人でカッ消すぞ。それで満足か?」
「二人の共同作業だね!?うん、分かったわ!!!」

よし、交渉成立だな。これで心置きなくコカビエル(ドカス)をカッ消せる。
そう思うと思わず笑いが抑えきれなくなりイリナと共にニヤリと笑ってしまう。
今の俺達を第三者の視点から見たら間違いなく
悪の幹部達が笑いあっているようにしか見えねえだろうな。

「さてと―――」
「それじゃあ―――」
「「カッ殺す!!!!!」」

虐殺までのカウントダウンが今始まった。

 
 

 
後書き
ふと思った……一誠とイリナが子供を産んだら一体どうなってしまうのか……恐ろしい。 
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