『自分:第1章』
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『陣痛』
夜中、トイレ行ってから、お腹痛くて台所の椅子に座ってた。
うずくまるほど痛かった。
ヤバイ、これが陣痛?
解らん。
でも予定日過ぎてるし、陣痛でもおかしくはない。
とりあえず、痛みが治まった時、メモ帳とペン持ってきて時間を書いていった。
10分程の間隔で痛みが襲う。
医者が言ってた。
初産ってのもあるし、零那の場合は産道が狭いらしく、お産に時間を要する可能性が高いと。
他にも何か、自然分娩で最後までいけるかどうかの問題点はあったらしいけど...
数時間後くらい、弟がトイレに起きてきて零那にビックリして、暫く見られてた。
で、お母さん連れてきた。
お母さんは、メモ帳に気付いて全部に目を通して『すぐ準備!』って弟に言った。
夜中に...
迷惑やな...
申し訳ないと思いつつ、今は声も出せれん。
痛みを堪えるのに必死。
弟がユウを起こしに行った。
お母さんは、お父さんに車を出す準備してって。
弟は、ユウが起きんから、先に零那の入院バックを持って降りて、車に置いてから戻ってきてくれた。
ユウは起きん。
お母さんキレて叩き起こした。
痛くて動けん。
尾てい骨や恥骨が割れそうなくらいに痛い。
痛いし、怖いし、何故か泣いてた。
階段1段1段が辛い。
病院着いて、着替えさせられて陣痛室に連れて行かれた。
陣痛の間隔は5分置き。
でも、子宮口は2cmしか開いてない...
苦しいばっかりだった。
何時間も経って意識が遠のいては痛みが襲っての繰り返し。
5分間隔ってのは無い。
もう、ずっとずっと痛くて苦しくて...
怖くて泣いてた。
どんだけ放置されとかなあかんのんってくらい。
とにかく怖かった。
過呼吸も何回もなって、点滴もされて、いつの間にか昼過ぎてるし。
夜中に来てから時間の感覚なんか無い。
辛い苦しい痛い、怖い!!
早く産まれて!!
出て!!!
余裕なんか無かった。
強がりの欠片すら無かった。
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