オズのムシノスケ
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第三幕その六
「それこそね」
「そうだね、けれどそれは」
「食べる喜び、味わう喜びを知らないってことでもあるのね」
「だからいいかどうかは」
「どっちなのかしら」
ドロシーは首を傾げさせて言うのでした。
「このことについては」
「そうだね、ただ」
「ただ?」
「かかし君達が満足してるならね」
それならというのだ。
「いいんじゃないかな」
「本人次第ってことね」
「うん、本人達がいいと思うのなら」
教授はこうドロシーにお話します、自分のサラダを食べながら。
「いいね」
「そうなるのね」
「ドロシーは何でも食べたいね」
「最近特にね」
ドロシーも食べる楽しみを知ったのです、オズの国に来てから。
「カンサスだと食べられるものならって思ったけれど」
「オズの国に来てからは」
「そうなの、何かオズの国もね」
「料理の種類が増えたね」
「私が来てからよね」
「ドロシー嬢が来てから暫く経ってね」
その時からだとです、教授はドロシーにお話しました。
「そうなってきたよ」
「それもやっぱり」
何故オズの国のお料理のレパートリーが増えたのか、ドロシーは恵梨香達五人を見てから教授にお話しました。
「アメリカの影響ね」
「そうだね、アメリカの料理のテパートリーが増えると」
「オズの国のお料理のレパートリーも増えるのね」
「そうなるんだよ」
「オズの国はアメリカの影響を受けるから」
その文化のです。
「お料理もね」
「それでだよ」
「それにあの頃の私達は」
カンサスにいた頃のドロシー達はどうだったかと言いますと。
「貧しい一家だったから」
「本当に食べられればだったね」
「食べられることは食べられたけれど」
それでもでした、カンサスにいた頃のドロシー達は。
「貧しかったわ」
「そうだったからね」
「食べることも」
「そう、楽しむことはね」
それこそ二の次でした。
「あまり考えてこなかったわ」
「だからだよ、今のドロシー嬢は」
「食べることが余計に」
「楽しめる様になってるんだよ」
「そういうことなのね」
「実際に楽しんでいるね」
「ええ、とてもね」
にこりとしながらです、ドロシーはハンバーガーを食べつつ教授に答えました。
「このハンバーガーもとても美味しいわ」
「随分大きなハンバーガーですね」
恵梨香はドロシーが両手に持っているそのハンバーガーを見て言いました。
「それは」
「そうかしら、普通じゃないかしら」
「日本のハンバーガーと比べますと」
「というか日本のハンバーガー自体がね」
それ自体がと恵梨香に言ったのはカルロスでした。
「小さいよ」
「そうなの」
「うん、日本人の食事の量自体が」
「そうそう、日本人って少食だよ」
「僕もそう思うよ」
ジョージと神宝も恵梨香に言ってきました。
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