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第三章

「相手の好感度アップしとらんやろ」
「ああ、恋愛ゲームやな」
「エロゲでもそやな」
 いきなり、というゲームはない。ただし成人ゲームにはあるにはある。
「それで行くんやな」
「そうするんやな」
「そや、春奈ちゃんの好感度をまずアップさせる」
 賢枢はその恋愛ゲームで得た知識を述べていった。
「そうするで」
「じゃあ具体的にどないするんや?」
「どうやってそうするんや?」
「そやな、ここはや」
 それはというと、その具体的な方法は。
「春奈ちゃんに俺のええとこ見せるんや」
「そうしていって春奈ちゃんの御前への好感度アップさせてか」
「それでか」
「そうして春奈ちゃんに御前を好きになってもらって」
「それからか」
「そや、そっから告白や」
 これが彼が書いたシナリオだった、それを目を輝かせて言うのだった。
「そうするわ」
「わかった、そやったらな」
「頑張れや」
「武運長久祈るで」
「ハッピーエンドしか聞く気はないで」
 友人達は賢枢の明るさと気さくさを気に入っていた、彼は好人物と言っていい人柄だ。だから嫌いではなかった。
 それでだ、こう言うのだった。
「絶対に春奈ちゃんゲットしろや」
「御前は性格はええしな」
「ちょっと調子乗りでおっちょこちょいやけどな」
「愛嬌もあるしな」
 それならというのだ、そして実際にだった。
 賢枢の春奈への好感度アップ作戦がはじまった、まずは。
 何気なくを装ってだがバレバレの態度でだ、春奈の周りの女の子達に彼女がいない時に問うたのだった。
「麻宮さんの好きなタイプやけど」
「ああ、明るくてな」
「意地悪でない人やで」
 女の子達もわかっていて答える。
「あとお洒落な人」
「具体的に言うと特撮ヒーローみたいなファッションやな」
「特撮かいな」
「それも戦隊のグリーンとかやな」
「そっちのファッションやで」
「グリーンやな」
 戦隊のだ、こう言えば賢枢もわかった。
「ああした感じやな」
「そや、アクセサリーは特に興味ない娘で」
「靴はシューズ派やねん」
 男の靴の趣味はというのだ。
「あと清潔さ」
「これが一番大事やろな」
 春奈の趣味としてはというのだ。
「それやな」
「それが一番大事やで」
「あの娘不潔なのアウトやから」
「清潔第一やで」
「わかったわ、まあお風呂は毎日入ってるわ」
 それは最初からというのだ。
「そやから俺はセーフか」
「油断はできへんからな」
「ちゃんと隅から隅まで洗ってや」
「お部屋も綺麗にして変な匂いつけんさせんようにする」
「それも大事やで」
「わかったわ」
「あとスポーツはな」
 女の子達は何も気付かないふりをして彼に話していく。
「テニス好きやから」
「サークルのあれやな」
「左右に動くフットワーク重視やで」
「あとフェアプレイ好きやから」
「クールな感じの」
「そうか、そっちもわかったわ」
 テニスのそれもというのだ。 
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