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目的は不純だった

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第二章

「俺はもっと凄い選手になるぜ」
「それはいいけれどな」
「別にな」
 チームメイト達は彼の動機はいいとした、だが。
 その彼にだ、こう言うことも忘れなかった。
「チームのことは考えてくれよ」
「サッカーは十一人でするものだからな」
「チームプレイはしてくれよ」
「ワンマンにはなるなよ」
「ああ、わかってるさ。それはな」
 例えもてたくて仕方なくともだと答えたホセだった。彼もサッカー選手なのでこのことはわかっているのだ。
「俺だってな」
「絶対にか」
「そこは守ってくれるか」
「俺はサッカーをしてるんだよ」
 まさにだ、もてたい為にというのだ。
 しかしだ、サッカーをしているのだ。それ故にというのだ。
「だったらな」
「チームプレイはするんだな」
「ちゃんと」
「そうだよ、一人でやるサッカーはないからな」
 勉強の中でわかったことだ、サッカーについての。
「俺はそれはしないからな、それだともててもな」
「仕方ないか」
「そう思ってるんだな」
「サッカーはチームプレイだろ、ワンマンなんてな」
 それこそだというのだ。
「格好悪いだろ、格好悪いとな」
「もてない」
「そう思ってるからか」
「とにかく俺は女の子にもてたいんだよ」
 徹頭徹尾この考えからくるものだった、彼の行動原理は。
「だからな」
「チームプレイも守ってか」
「サッカーをするんだな」
「ああ、そうだよ」
 だからだと言う、そしてだった。
 彼はサッカーに励み続けた、そうして。
 試合を観に来る女の子は増えていった、やがて練習を観に来る娘も来た。中には男もいたがこのことについては。
 微妙な顔になってだ、彼はチームメイトにこう言った。
「俺は女の子にもてたいんだよ」
「男にはか」
「もてたくないか」
「俺は女の子が好きなんだよ」
 マラドーナみたいなことを言ったのだった。
「だからな」
「男にもてるのはか」
「嫌か」
「どう言ったらいいんだ」
 そちらについてはというのだ。
「本当にな」
「わからないか」
「何て言えばいいのか」
「何度も言うがな、俺は女の子が好きだからな」
 それでだというのだ。
「男は友達ならともかくな」
「きゃーーきゃーー言ってくれる対象としてはか」
「嫌か」
「応援は有り難いにしても」
「ホモじゃないか、御前は」
「そっちの趣味はないか」
「ないない、全然ない」 
 全くというのだ。
「だからどう言えばいいんだ、女の子だけだよ」
「そうか」
「だから男はいいか」
「いいよ、女の子だけだよ」
 このことについてはこう言ってだ、そしてだった。
 彼は男の声援についてはとりあえず考えないことにした、そのうえでサッカーをして女の子にさらにもてる為に続けた。すると。
 彼は実力をあげていきだった、そのうえで。
 プロにもなった、そこでさらに実力をあげて。
 女の子のファンも増えた、何時しかファンクラブまで出来た。だが彼はそれでもまんぞくせずにさらにいうのだった。 
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