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幸運E-のIS学園生活

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箒嬢のオリヒロ説(この小説内)撤廃を要求する!

「あ、あれが心のIS………。赤い、IS……」
「錬鉄の英雄、ブレード・ウィザード、やっぱりかっこいい………」

織斑の白式とは違い、淡くも精錬された炎のような赤い機体色、その中央を穿つように伸びる黒いライン。それを纏った心の強さとカッコ良さは私が一番良く知っている。絶対に負けない英雄の身体、それが錬鉄の英雄。

「弓………?」

弓、と言う事はあれを使用するという事か。どうやら直ぐに終わりそうだ、そして心の手に剣が出されたから間違いない。

「け、剣を矢として構えた!?」
「射れる訳無いだろ!?」

やれやれ山田先生と織斑は少し落ち着く事を覚えた方が良いな。心に不可能など無い、それにしても………あ、あのキリッとした顔、カッコいい……また惚れ直してしまったよ。

「射った!?そしてオルコットさんに直撃した!?」
「そして隙も与えずに追撃した!!容赦ないしえげつない!!」

おっと私が惚れ直している間にもう試合が終わってしまったか。私も準備するとしよう。


「喰らいつけ、赤原猟犬フルンディング!!」

この赤原猟犬から逃れる事など出来ない。これは決まりきった事実だからだ。

「き、きゃあ!!しょ、少々驚かされましたがこの程度避けられて当然ですわ!!」
「そうか。頭上注意をしろ、出なければ慢心を抱き死ぬが良い」

油断しきっているオルコットの頭上に赤原猟犬が落ち、大爆発を起こさせ一気にSEを枯渇させたようだ。どうやら私の勝ちになったようだ、もう少し甚振りたかったが我慢するとしよう。螺旋剣使わなかっただけ感謝して欲しいよね。あれ使ってたら確実にセッシー蒸発するし、流石にそれはしたくないからね中の人的な意味で。そこ、そこかよ!?って突っ込みはノーセンキューよん?さ~てと終わった事だし俺は戻るとしますか。

「ただいま~」
「すっげぇな心!!どうなってんだ心のIS!?」
「取りあえず離れろ気持ち悪い」

勝利をこいつなりに祝ってくれているのは重々承知しているが俺は男に迫られて喜ぶ趣味など持ち合わせておらぬ。箒嬢とかのほほんさんに迫られたら喜ぶよ?癒し的な意味でね。流石に性的な目では見れないなぁ、ボンキュボンで性格も良いし可愛いし俺の好みにドストレートでストライクゾーンなんだけど、平穏云々よりも親友って感じで固定しちゃってるし。えっのほほんさん?愛玩動物ポジですけどなにか?

「次の試合開始はオルコットのSE回復を含め25分後だ、篠ノ之。準備はしておけ」
「はい、心それでだな……少しお願いがあるんだけど………いいかなぁ」
「お願い?なんぞや」

ん?指をクイクイ、屈めって事?おう箒嬢、貴方の吐息が耳に掛かってます!!血流が加速してるしてる、だってこんな美少女の吐息が耳に掛かってるだよ?興奮するなって方が無理だわ。

「こ、この試合で私が勝ったらそ、そのだな………一緒に出掛けてくれないかな………?」

っ、それはあれかな。デートのお誘いかな箒嬢っというか貴方絶対に勝つから出掛ける事は決定ですよね?成程抜け目ねぇな流石です。

「(勿論良いぜ、幾らでも付き合ってあげる)」
「(っ!!!!あ、ありがとう!絶対に勝ってくる!!)」

あ~らら更に元気になっちゃってまぁ。わっかり易い子だな本当に、まあそれだけやる気を出してくれてるんだからもう良いか(半分諦め)


既に男でありながらISを動かした存在である二人とイギリス代表候補生との模擬戦は終了し、注目すべき試合は全て終了したと言える。その二つの試合の後に、更に注目すべき試合が始まるというのに殆どの生徒はアリーナから退場していた。一方は織斑 一夏に勝利し、衛宮 心に瞬殺されてしまったセシリア・オルコット。そしてもう一方はこの試合で自らの退学を掛け金チップとした正真正銘のド素人であった少女、篠ノ之 箒。

だがその少女の纏っている覇気は素人ではなく一流の操縦士が纏う物に劣りはしない物。それもその筈、今日に至るまで心が直々に修練の相手となり腕を磨いていた。篠ノ之 束を先天的な天才とするならば、彼女は後天的な天才、努力によって大きな素質を秘めていた種を芽吹かせ成長する天才。箒は学園のISである量産型IS、打鉄の武装である剣を強く握り締めながら目の前の敵を睨み付ける。

「お前がどのように反省したとしても私はお前を許す気は無い、少なくとも私の気が済むまでは怒りを納める気は無い。心を貶した罪、私が断罪する」
「………それについては本当に失礼な事を申したと重々承知しております。今貴方に謝罪しても事実は変わりませんが申し訳御座いませんでした……」
「………オルコット、お前の謝罪の気持ちは受け取った、だが他にいる相手がいるだろう」

私に負けて謝って来いと剣を向ける箒、それに対し勿論です、ですが代表候補生として負けるわけにはいけませんわ!と気合を入れなおすセシリア。そして戦いの口火は切られた。

先手を取ったのは蒼い雫ブルー・ティアーズを纏うオルコット。打鉄を纏った箒は武士を思わせるのと対照的に彼女は麗しい貴婦人に思える。巨大な特殊レーザーライフルを構えそれを正射、エネルギーの弾丸であるレーザーは真っ直ぐ箒へと向かっていくがそれを最低限の動きで回避する箒。続けて2射、3射と放つが全てを見切ったように避ける武士。本当に操縦者として初心者なのか疑いたくなってくる。

「当たらない…!」
「右腕の左」

見える、ISのハイパーセンサーを駆使し箒はセシリアの視線、指の動きなどを見ていた。それで狙いって来る場所をある程度の目安をつけてからそこから身体を動かして退かす。それだけの事をしている。

「今!」

避ける、という行為のみを続けてきた彼女だったが遂に攻撃へと移った。自分を狙ってくるライフルの射線を考えながら大きく動きながらセシリアへと向かっていく。だがそれを用意許すほどお優しくは無い。蒼い雫という機体名の由来でもある武装、ブルー・ティアーズを展開した。ビット型の武装である独立機動するそれは様々な方面から箒を狙い撃っていく。それを避けようとしても掠ったり直撃しSEが減ってしまい思わず舌打ちをする箒、だがこの程度で諦めるほど彼女は大人しくない。

「―――貴方は、本当に素人ですの……?」

セシリアからしたらそれは悪い冗談にも思えた、完全に素人である一夏でさえこの4基のブルー・ティアーズにはてんてこ舞いだった。試合の様子を見て対処法を考えたとしてもそれを忠実に実践出来るとか限らない。だが目の前の少女は、最低限の損傷で自らの傷を抑えながらこちらへと向かってくる。一体どんな訓練をしたのか激しく気になったがそれ以上にこのままでは負けるという危機感が強かった。

「インターセプター!!」

刃が自分に届く寸前でショートブレードを展開して受け止めるがまさかここまであっさり辿り着かれるとは思いもしなかった。一夏、心とはまた違った危機感、だがそれは逆にセシリアにとって良い意味で刺激を与えた。

「残念ですわ!!」
「しまっ!!」

腰部装備されている残り2基のブルー・ティアーズからミサイルが発射され箒を襲った。なんとか一発は剣を縦にする形で防いだが、そこへ襲い掛かる追い討ちには対応しきれずにまともに喰らい続ける。もう残りのSEも少ない、このままでは負ける。そう思った箒は賭けに出た。落下する勢いを強引に掻き消して停止、急加速でセシリアへと迫った。当然其処にはセシリアの攻撃が襲ってくるがそれを全て無視して蒼い雫を切り裂いた。

「なん、ですって!?」
「これでぇええ!!」

そのまま上を取った箒はそのまま上から斬りかかった。それが決まったかに見えたが、同時にセシリアも最後の意地を見せライフルを箒へと向けトリガーを弾いて見事に命中させた。結果

篠ノ之 箒 VS セシリア・オルコット

SE(シールドエネルギー)全く同じタイミングで0になり、引き分けとなった。  
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