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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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24ー僕は。

 
前書き
事件のクライマックス!
佳は詩乃を助けることができるのか⁉︎
だがいつも通りの妄想という名のオリジナル。
それでもあなたは飛び込むの? 

 
「僕は…。」

原付に乗りながら、ふとポケットに入っている物について考える。
それは…大きなはさみ。あの時のと同じ形の物だ。

「…。」

殺しはしない…だけど…?

「これは…。使わないよね。…いや、使っちゃダメだ…!」

そう心に決めながら僕は原付のスピードを上げた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「う…。」
「朝田さん。目が覚めた?」

目が覚めると目の前にいたのは笑顔の新川君。場所は…いつも通っている学校の自分の教室だった。

「くっ!」
「無理だよ。朝田さん。」

私は抵抗しようとするが腕が痺れて思うように動けず新川君に抱きとめられてしまう。

「さっき筋肉を痙攣させる薬を打っといたんだ。…ちなみに今日は警備員さんもいなくてね。僕達2人っきりだよ。」
「や、やだ…。」
「大好きだよ…。朝田さん…。」

私は抵抗できないまま地面に押し倒される。
そして新川君の顔が近づいてくる。

「雪宮君はこの学校の地形がわからないからもう少し遅くなると思うよ?
…さあ、タノシモウカ?」
「い、いやぁぁぁ‼︎助けて!佳‼︎」

私は必死に叫びながら抵抗するが薬で思うように体が動かない。
そして新川君の顔と私の顔の距離が0になり、無理矢理唇と唇が合わさる直前。
















































「詩乃は僕の彼女だよ?何やってるの?」

































ゴッ‼︎

行きなり飛んて来た赤い人影が新川君が鈍い音と共にいきなり吹っ飛んだ。
新川君は派手な音をたてながら机にぶつかり止まる。そして目の前には…。

「ここでヒーロー参上♪なんてね♪」
「佳!」

いつの間にかに私の前にいたのは赤いパーカーを着た少年。…私が助けを求めた雪宮佳だった。
佳は私を寝ている体制からゆっくりと壁際へと座らせると。

「すぐに…終わるから。待ってて。」

あの時の…GGO内の時から助けられた表情で私を見てそう呟く。
…どこか佳本人に、自分にも言い聞かせている様にも思えた。

「来たな…。雪宮君。」

フラフラと新川君は立ち上がり。

「朝田さんと僕がどれだけ結びついているのかを見せつける為に呼び出したのに…。早く来すぎだよ…。」
「せっかちなもんでね。」

佳は珍しく…真顔で新川君を睨みつけていた。そしてその新川君はゴソゴソとポケットから大きい注射器の様な物を取り出す。
そうすると佳は嫌そうな顔をする。

「それが…!」
「そう、投与した相手の心臓を止める薬。サクシニルコリンだよ。」

そうやって。佳に見せつけながらゆっくりと近づいて。

「これで…雪宮君。君の心臓を止めて…朝田さんを僕の物に…!」

狂気的に佳に近づいてくる新川君だったが。佳はため息をつき。

「ねえ、新川君。サクシニルコリンの効力って知ってる?」
「…心臓を止める劇薬だよ?それがどうかしたのかい?」

新川君は当たり前そうに答える。すると佳はまるで出来の悪い子供に教えるように。

「サクシニルコリン…。本当は人工呼吸や気管内挿管を容易にするため麻酔前投与薬として使用される薬なんだ。」
「…⁉︎」

そう説明した後の佳は怒りの表情で新川君を睨みつけて。

「人を助けるために使う大切な薬を殺すために使うな‼︎」

そう言って新川君に一気に近くとポケットからハサミを取り出す。

「なっ⁉︎」

すると佳はそのハサミを新川くんに突き刺すと見せかけ上に投げ飛ばす。一瞬目線が上に言った新川君の隙を見逃さないでそのまま右足で注射器を持つ右手を蹴り飛ばす。そして佳は新川君の襟首を掴んで壁に叩きつける。

「がはあ…。」
「僕は…絶対許さない。」

佳はどんどん新川君をギリギリと締め上げる。

「僕の様に凶器で殺すならまだしも、人を助ける薬で殺すなんて…。たとえ君が警察に捕まろうと、のうのうと生きようと絶対僕は許さないよ…!」
「…。」

そしてそのままトドメの言葉を言い放った。

「そんな君に絶対詩乃は渡さない。…もしもその考えで詩乃の前にまた現れてみな。僕は君を再起不能まで追い込むからね…!」

そうすると新川君はまるで糸の切れた人形の様にプツンと気絶して倒れ込む。
そうすると佳は新川君の肩を掴んで…。
ゴキッ。

「〜⁉︎」

新川君がまた起きたと思いきやまた気絶する。

「肩を脱臼させたよ。君はもう痛くてまともに動かないんじゃないかな?」

そうポツリと呟くと、私に近づいて。

「遅くなってごめんね。詩乃。」

そうやって私を抱きしめる。さっきの様な不快感は無く。どこか落ち着く感じがした。

「もしも…詩乃が…ぐす…何かあったと思ったら…僕は…。」

ん?あれ?なんかおかしい。
そう思って佳の顔を見ると目に涙が溢れ出ていた。私はそれを見て。

「ふふ。これじゃどっちが助けに来たか分からないわよ?」
「うるさい…!…ばか…!」

そう言いながらも佳は抱きしめる事をやめない。むしろ少し強くなる。

「ねえ?佳。」
「…何?」

私も佳の背中に腕を回して。

「助けに来てくれてありがとう。
…I love you」

そうやって先ほど奪われそうになった唇でそっと頬に口づけを落とす。
すると佳はさらに泣きながら。

「…ぐすっ…卑怯だよ…。ここで言うのは…。」
「いつも卑怯な佳への仕返し…。返したわよ。」

月明かりがグチャグチャになった教室を2人を照らす。
私達は警察が来るまで抱き合っていた。 
 

 
後書き
このスノーの。
「人を助けるために使う大切な薬を殺すために使うな‼︎」
はこの作品の中の名ゼリフに入れたい。(確信)
さて、佳と詩乃の後日談を書いて…GGO編は終わり。
みんな大好きキャリバー編に行きます。
っと、コラボももちろん進めていきます。評価ボタンをポチッとしてくれたりお気に入り登録してくれると嬉しいです。
感想もお待ちしております。
では次回もよろしくお願いします。 
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