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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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追憶編
  散歩×正当防衛

深雪と並んで道を歩く俺ら。やはり南の島というか沖縄だなと思ったが、深雪はサマードレスを着ていたるから、とても似合うと思った俺自身は親バカなのかまでは知らん。周りから言われないからかもしれんし、ほとんどが俺の部下だ。

「気持ちいいな、この海風が」

「そうですねお父様。そういえばトレミークルーの方は今どちらに」

「ここら一帯付近の海中にいるそうだ。俺らの散歩が終わり次第アイツらも呼ぶし、久々の海での休暇もいいと思う」

「それはいいかもしれませんね。いつもは宇宙か戦場ばかりですし、外で余り出ないものですから」

俺はそうだが、深雪は日焼け止めを塗ったから日傘を差さなくとも腕や脚に日が当たる。ここもそうだが、俺達が暮らす都会や四葉家本宅がある山梨もいい風だ。風もいいけど、炎や地に水の精霊が俺らの所に集まっている。

これは周辺一帯にいる人間には見えない現象だが、見えるとしたら古式魔法を使う人間か水晶眼と言われる眼を持つ者に限られる。俺と深雪は神だからなのか、神仏の類が集まってくる事がよくある光景だとな。

深雪も見えているはずだが、あえて見えない素振りをしている。俺らの肌色は少々褐色肌だが、自由に変更可能だし、こういう場所では白い肌とかは目立つ。

「お父様。私達の肌の色をお考えでしたか?」

「まあそうだな。俺らの物語はまだまだ先だが、真っ白よりかはまだマシな肌の色だなと思う」

「そうですね。肌を日に焼ける事を知らなかったら、私は真っ白で雪女みたいと言われた事がありましたか」

「お前の得意魔法は冷却魔法だ。今更雪女でも俺だったら惚れていたさ」

深雪は顔を赤くしていたが、そこも可愛い一面だなと思った。ここで違うのは、本来だったら俺はこうやって密着していない。本来深雪の兄は『ガーディアン』と呼ばれている。『ボディガード』と『ガーディアン』の違いはすぐに分かるが、分かりやすく言うなら『ボディガード』は『仕事』で『ガーディアン』は『役目』なのだ。

『ボディガード』は、護衛対象を命掛けで護る代わりに金銭的な報酬を得る。警察のSPのような感じで職務として護衛をするという例えもあるが、そういう人達は職務に応じた俸給を得ている。広い意味では、金銭面が対価を得る為に護衛をするのは生業と言うだろう。

一方『ガーディアン』は金銭的な報酬がない。衣食住は本来の四葉から提供されて、必要な金銭があればその都度に四葉から支給される。報酬ではなく護衛の力を維持する為のコストと考えればいい。結論から言うと『ボディガード』は食べる為に護り、『ガーディアン』は護る為に食べる。

『ガーディアン』に私生活はないとされてるし、『ガーディアン』の全ては、マスター或いはミストレスと呼ばれる護衛対象に捧げられる。本来の四葉はそういう風になってたらしいが、生憎ここの四葉はそういう考えを持っていない。

蒼太達はある意味で『ボディガード』に近いが、俺らは余り縛らないようにしているし、金銭的な報酬や俺達と一緒に遊んだり運動をしたりと行動は自由だ。護衛対象である俺らが命令がない今は自由行動している。

と考えながら進んでいたら何かに当たったようだ。後ろを見ると、肩を当てられた人が俺を見ていた。コイツらは民間人ではないからか、軍人のように見えるが軍服をだらしなく着崩していた。黒い肌をしているから、コイツらは『取り残された子供達(レフト・ブラッド)』だな。

二十年戦争という世界大戦の激化で、沖縄に駐留していた当時のアメリカ軍がハワイへ引き上げた際、取り残された子供達。大半は親に捨てられたのではなくその父親が戦死をした為、多くは米軍基地を引き継いだ国防軍の施設に引き取られて育ってそのまま軍人になったと聞く。それがコイツらな訳か。

『お父様。如何致しましょうか?』

『ぶつかったのは俺だ。ただコイツらは、謝罪した所で許さないはず。特に俺を叩いて、深雪を連れ出そうとすると俺は思んで俺から離れるなよ?』

『了解です。何かあったらすぐ近くに蒼太さん達がいるそうですので』

連絡早いなぁーと思ったが、確かに近くにいるな。コイツらは勇猛な兵士として、国境防衛の任務を立派に果たした。その子供達も軍人になった者が多いが当人達というより第二世代の者達は、素行が良くない者が多いから気を付けるべし。

それが、今の沖縄観光に関するプライベート・サイトに共通して掲載されてる注意書きだ。俺より身長が高い大男の後ろには、同じく軍服を着崩した同じくらいの体格を持つ男らが二人。ニヤニヤとして見ている矛先は、先程まで俺の横にいた深雪を見ていたようだからか深雪を俺の後ろに来させた。深雪にとっては大きな背中と思えたのだろうな、父親の背中というのは子から見たら大きいと思うだろう。

「ぶつかったのは悪いと思っているが、その目線は何だ?」

「あぁ?謝罪がそれかよ、だったらお前を叩いてその女をもらうぜ。こちとら遊び足りないのでな」

「おいおい。軍人がその発言をするのは不味いのではないのか?だったら尚更謝罪何かしないつもりでいる。それと後ろの二人は声も出ないようだが、さてはチキンか?それともただの木偶の坊か」

「てめえ。そこまで言うならやるか?こちとら民間人や観光人が沢山いて苛ついていた所だ」

「地面に頭を擦りつけて土下座をするのなら、青痣くらいで勘弁させてやる!」

「土下座、ねぇ・・・・そういう意味なら頭でなく額をという意味だ」

前触れもなく、俺は目に見えない速度で俺は男に殴りかかった。大人対大人だけど、俺から見たらまだまだガキだなと思った。年長者を舐めないでほしい所だが、まだ来るようなのであちらも殴ってくるが簡単に受け止める。その拳を握って骨折ぐらいの力をかけてみたが、瞬間に他の男らが来たので拳を放した後、深雪を後ろに下がらせて俺は反撃をしようと構える。

「ふふふ、面白い。単なる悪ふざけのつもりだったが・・・・」

大男はニヤリと笑うと、後ろの二人を下がらせてから構えた。あれはボクシングか空手、いや徒手空拳の可能性が高い。軍人でも近接格闘術は、身に付けているだろうからか深雪も見ただけではまだ理解してない様子。深雪は、近接術より中遠距離が得意な娘だからな。これだけは分かるかもしれんが、遊び半分だったのが本気になったという事を。

「おやおや。それでいいのか?ここから先は容赦しない程度にするが」

普通なら挑発的な事はしないが、俺はあえて言ってやった。普通なら逃げる所だが、俺と深雪も軍人的な行動をする時もあるし、相手の力量を見れないような者はここで分からせる時だと思ったからだ。

「ただの民間人が随分と気合いの入ったセリフを吐くもんだ、な!」

相手は、俺が目に見えてないと思っての加速をして殴りに来たが甘いな。前へ踏み出してきたが、遅いと思って俺は肩口に引かれた男の右手は、パンチを繰り出そうとしてた所に俺は胸板の中央に左拳をめり込むように打ち込んだ。

反動で跳ね返った大男は、身体が沈んで痛そうな音を立てて路面に両膝をついた。深雪にも見えていたようだが、後ろにいた二人の男は何が起こったのか分からず仕舞いになった。俺は打ち込んだ男を見下してから残りの男らを睨みつけて、軽く精神干渉系統をやったら見事に首を押さえる二人の男。

「たく、散歩が台無しだな。深雪、別荘に帰るぞ」

「お父様。少々やりすぎなのでは?まあお父様の本気は、あの程度では済まなかったのですから」

さっきまで歩いてた道を引き返す。別荘に帰ると深夜は「早いわね」と言ってたが、事情説明すると深夜はその絡んできた男共に対して「運が悪かったようね」と言っていた。俺の精神干渉系統魔法は受け継いでいる。特に四葉家前当主の元造のを元にした俺独自の物だが、手を振るのではなく殺気だけで、頸と胴体が離れるという幻覚を見るそうだ。

深雪はトレミークルーを呼ぶのでは?と言われたのを思い出してから空間切断で呼んだ。フェルト、ミレイナ、ラッセにイアンとビリーだ。クルー全員来たらまずいのでは?とビリーに聞かれたが、俺は大丈夫と答えた。ハロ専用の人型で作業するし、自立支援型AIでトレミーの管理を行っている。

俺らの部下もトレミーにいるから問題無し。フェルト達も水着に着替えてから海に行ったので、俺と深雪も海に行った。プライベートビーチなので、別荘近くを買い取った。夕方まで遊び尽くしたトレミークルー達と護衛である蒼太達だった。別荘に戻ってきた時は、満足して戻ってきた。 
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