オズのムシノスケ
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第一幕その五
「大学まですぐで」
「ええ、そうよ」
「その間特におかしな部族も生きものも」
「いないわよ」
「それでも何かあるんですか?」
「何かあるのがね」
それがと返すドロシーでした
「オズの国でしょ」
「だからですか」
「オズの国はいつも何かが起こるのよ」
そうした国だというのです。
「だからなのよ」
「絶対に、ですか」
「そう、何かがあるから」
「旅の間に」
「旅の間に何もなくてもね」
それでもだというのです。
「大学で何かあるかもね」
「あっ、そう言われると何か」
神宝がドロシーの言葉にはっとなって言いました。五人は今はエメラルドの都の緑がとても綺麗な街の中を歩いています。
皆が笑顔でドロシーと五人に手を振ってくれます、ドロシー達も皆に笑顔で手を振って応えながらお話をするのでした。
「ありそうですね」
「そうでしょ」
「本当にいつも何処かで何かが起こるのが」
「そう、オズの国だからね」
だからだと言うドロシーでした。
「そのことを楽しみにしながらね」
「はい、オズの国に行きましょう」
「テントと御飯はもう用意しているから」
ドロシーのポケットの中にあるというのです。
「そのことは安心してね」
「はい、わかりました」
神宝はドロシーの言葉に笑顔で応えました、そのうえで。
一行はエメラルドの都を出ました、ですが。
ここでなのでした、恵梨香はドロシーにこう言いました。
「今回の旅はドロシーさんだけですね」
「貴方達と一緒に旅をする人はね」
「はい、そうですよね」
「私だけなのは珍しいわね」
「そうですよね」
「そうね。けれどね」
「けれど、ですか」
「私も旅のことはわかっているつもりだから」
だからだというのです。
「安心してね。貴方達を危険な目には遭わせないわ」
「はい、お願いしますね」
「旅は楽しく」
このことは絶対だというのです。
「そうしていくものだからね」
「だからですね」
「そのことは心掛けていから」
ドロシーだけでも、というのです。こう言ってでした。
エメラルドの都からの道を少し歩いてです、ドロシーはお空を見て太陽が上に上がっているのを見てこう言うのでした。
「もういい時間だからね」
「お昼ですね」
「お昼御飯の時間ですね」
「そうよ、だから」
ドロシーは周りを見回しました、そうしてです。
自分から黄色い煉瓦の道から少し離れたところにある緑の草原の中に入ってです、そうしてなのでした。
五人に一緒にと言ってでした、六人でその場に車座になって座りました。それから皆の前にあのテーブル掛けを出しました。
そのうえでなのでした、ドロシーは皆ににこりと笑って言いました。
「じゃあ皆でね」
「はい、今らですね」
「お昼御飯をですね」
「食べましょう、何でも好きなお料理の名前言って」
そして、というのです。
「皆で食べましょう」
「はい、それじゃあ」
「皆で」
こうしてなのでした、一行はそれぞれ自分が今食べたいお料理を言いました。するとテーブル掛けにです。
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