オズのムシノスケ
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第一幕その三
「だから一緒にね」
「私達とですね」
「王立大学まで行きましょう」
「それじゃあ」
「行くのなら声をかけてね」
その時はというのです。
「出発する用意をするから」
「わかりました、それじゃあ」
「そういうことでね。そういえば最近ね」
ドロシーは五人をお話しながら気付きました、その気付いたことは一体何かといいますと。
「大学には行ってなかったわ」
「そうだったんですか」
「ええ、どうもね」
そうだったというのです。
「だから丁渡いい機会ね」
「じゃあ行きましょう、大学に」
カルロスはドロシーに陽気な笑顔で応えました。
「お茶が終わったら」
「あら、早速ね」
「はい、思い立ったらっていうじゃないですか」
それでだというのです。
「ですから」
「そうなのね、それじゃあね」
ドロシーも乗り気です、そして。
ナターシャもです、こう言うのでした。
「都から大学までは結構近いですよね」
「そうね、これまでの旅行と比べたらね」
「歩く距離は少ないですね」
「ええ、そうよ」
その通りとです、ドロシーも答えるのでした。
「今回はね」
「そうですね、これまでの旅行とは違いますか」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「私が旅に出るとね」
その時はというのです。
「いつも凄いことになるのよね」
「ああ、そういえばそうですね」
「ドロシーさんの旅って」
「何かといいますと」
「凄いことになりますね」
五人もです、ドロシーのこれまでの旅のことを思い出して言うのでした。自分達が参加していない旅のこともです。
「まさに山あり谷ありの」
「スリルに満ちた」
「そうしたことばかりですね」
「次から次に置きますね」
「そう、だからね」
大学に行くにしてもというのです。
「絶対に何か起こるわよ」
「そのことはですね」
「絶対なんですね」
「まずね」
そうなるというのです。
「だからこのことはね」
「ただの旅行になるんじゃなくて」
「大きな冒険になるんですね」
「今回も」
「多分それが私の巡り合わせなのよ」
だからといって困る訳でも嫌に思う訳でもありません、ドロシー五人に対してにこにことしたままお話をしていきます。
「いいも悪いもなく、いいえ」
「むしろ楽しいですよね」
「スリルのある」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「私はそのめぐり合わせを楽しいと思ってるの」
「オズの国にも入ることが出来ましたし」
「だからですね」
「運命とも言うわね」
「ドロシーさんのですね」
「そう、私は何かあるとね」
竜巻に遭ってもです、それこそ。
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