オズのムシノスケ
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第一幕その一
オズのムシノスケ
第一幕 ムシノスケ先生のお考え
恵梨香達はこの時もオズの国に来ていました、そのうえでエメラルドの都の宮殿の一室でドロシー達と楽しくお茶を飲んでいました。そこで、です。
ふとです、神宝がこうドロシーに尋ねました。
「あの、ドロシーさん達学校は」
「学校?」
「はい、僕達より年上ですけれど」
「学校に行く年齢だっていうのね」
「そうです、そのことは」
「私ずっとね」
ドロシーはにこりと笑ってです、神宝に答えました。ドロシーの前にも皆の前にも紅茶、カドリング産のそれと緑のエメラルドの国のクッキーがあります。
「学校に行ってないのよ」
「あっ、そういえば」
「そう、カンサスにいた時からね」
「ドロシーさん学校には行ってないですね」
「お勉強はしてたわ」
学校に行ってなくてもです。
「お家にあった本でね」
「そうでしたね」
「そう、それでオズの国に来てからはね」
「ここで、ですね」
「王女をしながらね」
そうしてだというのです。
「お勉強をしてるのよ」
「学校に行かなくてもですね」
「お勉強は出来るからね」
「そうだったんですね」
「そうよ、それでお勉強もね」
ドロシーが言うオズの国のお勉強はといいますと。
「そちらの世界みたいに本を読むよりも」
「ベンキョー錠ですね」
ジョージがクッキーを食べながら言ってきました。
「それを飲んで」
「そうして勉強してるのよ」
「本を読むよりもいいんですね」
「ずっといいのよ」
実際にそうだというのです。
「本を読むよりも時間がかからなくてね」
「飲むだけですしね」
「それで飲むでしょ」
「身体の中に直接入れるからですね」
「頭の中にも完全に入るのよ」
「そうなんですね」
「そう、だからよ」
そうしてお勉強しているというのです。
「オズの国ではね」
「子供達はですね」
ジョージはまた言いました。
「そうしてお勉強してるんですね」
「そう、そしてその分のお勉強の時間はね」
座学の時間の分です、五人の世界でのそれは。
「体育をするのよ」
「身体を動かすんですね」
「そうしてるのよ、畑仕事をしたり遊んだりもね」
「何か座って勉強をする時間がないと」
「その分そうしたことに時間を使えるからね」
だからだとです、ドロシーはにこにことしながらお茶を飲みます。そのお茶はかなり美味しくてドロシーは何杯も飲んでいます。
「私もその間の時間をね」
「オズの国のあちこちを巡ってるんですね」
「旅行を楽しんでるの」
ドロシーの大好きなそれを、というのです。
「ベンキョー錠は旅行にも持って行けるしね」
「そういうことなんですね」
「そう、だからベンキョー錠は有り難いのよ」
「飲むだけでお勉強が出来るのなら」
カルロスも言います、実はこの子は五人の中で一番勉強が好きではありません。成績は決して悪くないのですが。
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