転生赤龍帝のマフィアな生活
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二十五話:幼馴染み襲来!!
前書き
最初は久しぶりのバジル君sideです。
ではどうぞ。
Sideバジル
一誠殿やアーシア殿の『活躍』により拙者達オカルト研究部は見事、駒王学園球技大会においての優勝を飾ることが出来ましたが………あれはスポーツと言えるものだったのでしょうか?
確かにスポーツは物によれば死人が出ることもありますが死傷率100%は明らかにおかしいでござる。
親方様も『これは喜んでもいいものなのかしら?』と優勝しても浮かばない表情を浮かべていましたし。とにかく現在、生死の狭間を漂っているであろう山田殿の無事を祈るばかりです。
因みに原因たる一誠殿達はすでに帰っています。
まあ、今は表彰式も終えて部室に戻っているのですが余り空気が良くありません。
その理由と言うのが―――
―――パンッ!!!
「これで目が覚めたかしら?祐斗。」
「………………………」
――祐斗殿――
祐斗殿は最近はずっと心ここにあらずといった様子でしたが今日は特にそれが顕著でした。
そのせいで今日の大会中は危ない目にあったりなどしていたので
ついに親方様の堪忍袋の緒が切れてビンタをくらわしたと言うことです。
「……すいません。僕が集中していなかったばかりにみんなに迷惑をかけてしまいました。今日のことは僕が全面的に悪いです。………今日はもう失礼します。」
「待ちなさい!!祐斗!!!」
親方様の言葉を無視して足早に部室から出て行く祐斗殿。
「祐斗殿!!!」
拙者の声に足を止める祐斗殿しかし前を向いたままこちらを振り返りはしません。
「バジル君……僕にはしなければならないことがある。この命を全てそれに捧げてでも成し遂げなくちゃいけない―――復讐を。」
最後の一瞬だけ振り返る祐斗殿。
「復讐………。」
「じゃあね。」
そのまま振り返ることもなく校舎の暗闇のなかに消えて行く祐斗殿………最後に見たあの表情……。
……あれは何かに焦っているような表情でした。馬鹿なことを起こさなければいいのですが……。
「祐斗……やっぱり、あなたは……。」
「親方様……祐斗殿は一体、何を背負っているのですか?」
「そうね、バジルには話したことがなかったわね。祐斗は――――――――」
親方様が話された祐斗殿の過去は過酷という言葉では言い表せない程のものでした。
『聖剣計画』
聖剣というものは自ら使い手を選ぶと言われています。
まさに才能、適正、相性という天から与えられし素質が全てという物です。
多くの聖剣はやはり教会に厳重に保持、保管、管理されており、
今まで聖剣に選ばれた者がその力で拙者達のような悪魔や魔の者を葬ってきました。
しかし、天性の才を持ち、なおかつ敬虔な信徒はそうは多くありません。
どれだけ優れた武器であろうと使い手がいなければそこら辺に転がっている木の棒と変わりません。
だからこそ教会は人工的に聖剣使いを作りだそうとした。
それこそが―――『聖剣計画』
幼い子供達を集めて信仰と言う隠れ蓑に隠れながら、
様々な人体実験や試練を与えていって聖剣に適応出来る者を作ろうとした。
しかしながら、計画は失敗に終わり子供達は“不要物”として処分―――皆殺しにされた。
ですが、その中で一人だけ生き残った人物がいました………それが祐斗殿です。
祐斗殿は他の者達の協力によりなんとか逃げ延びた先で親方様に拾われたそうです。
「その時の祐斗は今すぐにでも死んでしまいそうだったけど目には復讐の炎が宿っていたわ……最近はそれもなくなったと思ってたんだけど、一誠の聖剣の写真を見てからまたそれが戻ったのよ。」
顔を伏せながら悲しそうにそう言う親方様………拙者には何も出来ないのでしょうか?
「親方様、拙者達に何かできないのでしょうか?」
「私も祐斗を救ってあげたいわ……でも復讐の対象は『聖剣』なの。下手に手を出せばそれこそ戦争ものよ。……今の私達には何も出来ないのよ。」
「はい………。」
仲間が辛い目に合っていると言うのに何も出来ないと言うのは歯がゆいものですね……。
「……雨です。」
小猫殿のつぶやきに窓の外を見てみるとまるで空が泣いているかのような雨が見えました。
………そして傘もささずに歩いている祐斗殿も。
「イッセー、お腹空いた。」
「菓子でも食ってろ。」
ポテトチップスをブルーベルに投げつける。
たく、何でこいつは大会が終わったのに俺の家に居座ってんだよ。さっさと仕事に戻れよな。
カスザメ?まだ復活しねえから引きずって帰ってきてそこら辺に放置してある。
(仕事をさせたいなら何故こんなことで呼び寄せたのだ?相棒。)
(確実に勝つためだ。ボンゴレに敗北は許されねえ!!!後、俺の部下だからだ。)
(勝つために呼んだのなら仕事ではないのか?少しぐらい休ませてやってもいいのではないか?まだ、子どもなのだぞ。)
カストカゲの奴やけにブルーベルの肩を持つな……まさかこいつ―――
(ロリコントカゲか!!てめえは!!?)
(断じて違う!!!)
(イッセー様の言う通りです。ドライグ、お前は目覚めたのだ。)
(ロリコン最高オオオオオオオッッ!!!!!)
(やめろ!!!俺は変態ではない!!!!!信じてくれ!!!相棒!!!)
仕方ねえな、一回カッ消せば元通りになるだろ。
(決別の一撃!!!!!)
(俺は正常だあああああああ!!!!!)
(ロリコンはふめええええええつ!!!!!!)
(クロームたんじゃないと気持ちよくないイイイイイイッッ!!!!!)
よし、これで目覚めた時にはまともに戻っているだろう。
後、変態の一人がクローム専用ドエムになってやがるな。
他の変態を使ってでも抑えねえとな。
「一誠さん、ブルーベルさん、クッキーを焼いたんですけど、食べますか?」
声に気づき顔を上げるとエプロン姿のユニがクッキーを持って立っていた。
エプロン姿………!!まずい、見とれていた……。
「食べる、食べる♪」
「……残すのも、もったいねえからな。」
ユニが作ったクッキーを手に取る……うまい。
「どうでしょうか?」
「にゅにゅ♪おいしー!!!」
「不味くはねえ。」
俺がそう言うと不満そうな顔を浮かべるブルーベル……なんだ?
「にゅー?そんなこと言うならブルーベルが全部食べちゃうからね。」
そう言うや否やバクバクと口にクッキーを詰め込み始めるブルーベル。
くそっ!!俺の分がなくなるじゃねえか!!?
「おい!!俺の分も残せ!!!」
「べーっ、だ。ちゃんと美味しいって言わないとダメだよーだ。」
くっ!?こいつ……ボスである俺に楯突くとは……
だがここでカッ消せばクッキーまで消えてしまう……背に腹は代えられねえ。
「ユニ……美味かった。」
顔を合わせずにそれだけ言う。
「ふふふ、ありがとうございます。おかわりもありますので沢山食べてくださいね。」
「やったー!!!」
「ふん……。」
おかわりがあったのか……不覚。
いや、だがユニが喜んでいたから悪くはねえか……。
べ、別に最近ユニの喜ぶ顔が見れないと不満になってきたわけじゃねえからな!!!
「久しぶりね……イッセー君の家。」
「イリナ、なぜ準備運動を始めているんだ?あと、そっちは玄関じゃなくて窓――「ゼノヴィアは黙ってて。」――はい!!すいません!!!うう……怖いよ……。」
「誰と一緒にいるかは分からないけど―――群れてんじゃないわよ!!!!!」
「ちょっ!!?何で窓に突っ込んでるんだ!!!??」
バリィィィィィンッッ!!!!!
なんだ!?窓から何となく見覚えがある奴が飛び込んできたぞ!!?敵襲か!!!??
「ユニ!!!下がれ!!!!!」
「は、はい。」
「にゅ!!いったい誰なの!!?」
「小動物?なら、咬み殺さなくてもいいわね。それと久しぶり、イッセー君。」
この呼び方……まさか!!?
「てめえ……イリナか!!!??」
俺の幼馴染みは十二年の歳月を経て何だかぶっ飛んだ方向に変化を遂げていました。
一先ず、我が家の家族を呼び出してイリナ達と顔合わせする。
しかし……イリナの奴、殺気を飛ばしすぎだろ。
いくら俺との勝負がしたかったとはいえこんな時まで殺気飛ばしてんじゃねえよ。
隣の青い髪に緑のメッシュを入れた奴がまるで小動物のように怯えているんだが……。
「ユニです。よろしくお願いします。」
「…兵藤クローム……よろしくね。」
「あ、アーシア・アルジェントです!!よろしくお願いしみゃす……あうう…噛んでしまいました。」
「メイドのミランダです。どうぞお見知り置きを。」
「ブルーベルだよ!!」
じっくりとユニ達を見るイリナ、そして俺の方を向いて一言―――
「ふーん、イッセー君ってロリコンだったの?」
「『断じて違う!!!!!』」
思わず、カストカゲとハモってしまった。
というか、てめえのせいで俺までロリコン認定受けちまったじゃねえか!!!
ロリコントカゲ!!!!!
(俺は決してロリコントカゲなどではない!!!!!相棒が近くにそういった女ばかり置いているのが悪いのだろう!!!!!)
(妹と友人と許嫁と部下がいるだけだろうが!!!俺はそう言った目でこいつらを見てねえよ!!!!!)
全員ファミリーだからしょうがねえだろうが!!!!!
(黙れ!!!つい先日デートをしていた男の言うことか!!!??)
(なっ!!?あれはデートじゃねえよ!!!ただの買い物だ!!!!!)
(ユニにデレていたではないか!!!というか相棒はいい加減素直にユニの事が好きだと―――)
(トカゲのハンバーグでも作ってみるか?)
((((ミンチにして叩いてこんがりジューシーに焼くウウウウウウッッ!!!!!))))
(な!?馬鹿、やめろ!!!本当に潰れ―――アアアアアアアアアッッ!!!!!)
((((アーハハハアッハアッハハアアハハア!!!!!))))
長い付き合いだったがまさかこんな悲しい別れになるとはな……
お前の墓にはしっかりとトカゲのハンバーグを備えてやるから安心するんだな。
ん?なんだ?イリナがやけにこっちを見ているような………。
「大丈夫だよ、イッセー君は私が正常に戻してあげるから……ね?」
やばい、イリナの目が据わってやがる…!!
こいつ、一体俺に何をする気なんだ!!?
「もちろん―――咬み殺してね。」
一体全体こいつはどうなっちまったんだ!!?
昔から可笑しかったがこれはいくら何でも異常だろ!!!??
隣の奴が何かを思い出したようにさらに震えだして、
怯える子供の様にミランダの裾を引っ張っているんだが、一体お前は何をされたんだ!!!??
(私がご主人様以外のお仕置きで歓喜するとでも?ふふふふ、いいでしょう!!!その力存分に私にぶつけなさい!!!!!)
(私は構いませんよ、さあ、どこからでもかかってきなさい!!!一誠様と共に味わって見せましょう!!!!!)
(咬み殺す?イッセー様!!!早くご褒―――戦闘の準備を!!!!!)
変態がイリナの噛み殺す発言で歓喜してやがる………。
誰かなんとかしてくれよ。
「ゔおおおおおい!!!!!何だか分からねえが喧嘩ならいつでも買うぜえええええっ!!!!!」
このうぜえ声はカスザメか!!?
カスザメの奴いつの間に復活してやがったんだ?まあ、それはいい。
とにかく今はカスザメに生贄となってもらおう。
「私はいいわよ。」
どこからかトンファーを出現させてカスザメに襲い掛かるイリナ。
「ゔおおおおおい!!!!!いい腕だなああああっ!!!!!」
剣でトンファーを防ぐカスザメ、だが間髪をおかずにイリナの蹴りが繰り出される……。
そう―――カスザメの急所に。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!????」
最後の雄叫びをあげると共に崩れ落ちていくカスザメ……
イリナの奴ついに男の急所攻撃まで使ってくるようになりやがったのか
……五歳の頃はそこだけは狙って来なかったと言うのに……
たく、かなり危険な進化を遂げて帰ってきやがったぜ、俺も注意して戦わねえとな。
「なんだ、つまんないの。やっぱりイッセー君じゃないと直ぐに気絶しちゃうね。」
正直に言おう、俺は今、冷や汗を大量にかいている……あいつ俺にもあれを使ってくる気満々なのか?
少しは相手のことを考えろよな。あれがどれだけ痛いか分かっているのか?
焼き鳥が白目を向いて気絶するレベルなんだぞ?
ん?それを行った奴が言うなだと?
自分がやられたいなんて思う奴がいるか!!!??………変態以外に。
「そう言えば、自己紹介の途中だったわね。私は紫藤イリナよ、よろしくね。」
何事もなかったかのように席に戻るイリナ……鬼だ。
「それとさっきからバイブみたいに震えているあの子はゼノヴィア、私の友達よ。」
「ああ……友達か。」
俺がそう言うとビクッと飛び上がるように反応するゼノヴィア………おい、やめろ。
そんな捨てられた子犬のような目で俺を見るな、俺にはお前は助けられない。
………やめてくれ!!!そんな泣きそうな目で俺を見るんじゃねええええ!!!!!
俺は泣き顔に弱いんだよ!!!??だからそんな純粋な目で俺を見つめるんじゃねえよ!!!!!
(クロームたんクロームたんクロームたんクロームたん――ゼノヴィアたん!!ゼノヴィアたん!!ゼノヴィアたん!!クロームたん!!ゼノヴィアたん!!)
なんか変態に目をつけられたぞ、こいつ……可哀想だし助けてやるか。
「さ、自己紹介もすんだから………始めよ?イッセー君。」
「………約束か?」
「うん。『また会った時に戦ってやってもかまわねえ。』そう言ったよね?」
五歳の時に結んだ約束がまさか今日果たされることになるとはな……何となく感慨深いな。
あ?ゼノヴィアが俺の腕を引っ張っているがなんだ?
「お願いだ……イリナを倒して私を助けてくれ…!!」
目に涙をいっぱいに溜めて懇願してくるゼノヴィア………。
イリナ……お前は悪の魔王か何かか?
明らかに仲間が言う言葉じゃねえだろ?これ。
「ふん……期待はしときな。」
「本当か!!!??」
パッと顔を明るくして俺にすり寄ってくるゼノヴィア、
しっぽでもあったらブンブンふってそうな勢いだ。まるで犬だな。
「へー、勝負の前にイチャつくなんて随分と余裕ね………ムカついてきたわ!!!!!」
凄まじい殺気が俺とゼノヴィアにぶつけられる……こいつはこれまでで最強の敵だな、間違いねえ。
「はっ、カス相手に誰が本気になるか。後、イチャついてなんていねえよ!!!!!」
「何とでも言えばいいわ、だってすぐに―――咬み殺すから。」
後書き
か弱い女の子なゼノヴィア……ありかな?
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