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ソードアート・オンライン ~白の剣士~

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武装選びと選手登録

 
前書き
短めです!
それではどうぞ!! 

 
シューティングゲームを終えたあと、俺たちは武装を選ぶためガンショップコーナーに戻ってきた。

「ん~、どれにすっかなぁ・・・」

俺は現在、ハンドガンのコーナーにてどの銃にすべきか絶賛お悩み中だった。アサルトライフルでも良かったのだが、なるべく軽くするためにこのような結果に至った。
そんなとき、俺はとある二丁の銃に目が止まった。
一丁目は銀をベースにしたボディが特徴的なM945、二丁目は黒ベースで茶色いグリップが特徴のM1911A1コルトガバメント。
フォルムに惹かれた俺はその二丁を購入、その他に弾などの装備を揃え、店を出た。

「すまないな、何から何まで。本当にありがとう」

「ううん、私も予選が始まるまで予定が・・・あっ」

言葉を切った少女は慌てて今の時間を確認する。現時刻は14時51分。

「いけない、確かエントリーは3時までだよ!」

「えっ!?」

「マジかよ。急ぐぞ!」

そう言って俺たちは総督府に向かう大通りを北に向かって走り出した。

「あ、あの、テレポート的移動手段はないんですか!?」

「無い!このGGOには、プレイヤーが起こせる瞬間移動現象は一つしかないの。死んで蘇生ポイントに戻るときだけ。グロッケン地区の蘇生ポイントは総督府の近くだけど、街中じゃHPは絶対減らないから、その手は使えない・・・」

『SAOでいう圏内みたいなもんか・・・』

「お願い、間に合って・・・」

少女の目には何がなんでも参加しなければならないという意思が宿っていた。
俺は走りながら周囲を見回すと、この状況を打開するものがあった。

「キリト、あれを使うぞ!」

俺が指差したのはレンタルバギーの駐車場。
キリトは俺の意図を汲み取り、少女の手を掴んでレンタルバギーに向かって走り出す。俺は運転席にまたがり掌紋スキャン装置に右手を叩きつける。
エンジンがかかると俺はスロットルを煽った、するとバギーは前輪を浮かせながら車道へと出た。

「きゃっ・・・」

「振り落とされんなよ!!」

俺はアクセルを全開にしてバギーを加速する。
少女は俺の腰に手を回し、しがみつく。

「な、なんで!?このバギー、運転がめちゃくちゃ難しくて、まともに走れる人ほとんどいないのに・・・!」

「まぁ、昔こういうジャンルの乗り物はゲームで乗ったから、なッ!」

俺は前を走っていた大型バスをかわしていき更に加速する。
余談だが俺はこの数ヶ月、バイトを兼ねて新作ゲームのテストプレイヤーを勤めていた。もちろん親父のつてで知り合いの会社の手伝いなのだか、それでも情報関係の知識を得るには十分すぎるものだった。

「あはは、凄い!気持ちいい!!」

少女は今まで見せなかった笑顔を見せた。その笑顔に俺とキリトもつられて笑みを浮かべる。

「ねぇ、もっと・・・もっと飛ばして!」

「了解、しっかり掴まってろよ!!」

俺はギアをトップに蹴り混み、速度を上げる。
後ろからは少女の歓声が聞こえ、俺はその声に再び笑みが溢れた。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

総督府手前の階段に三輪バギーを停め、シオンたちは少女に連れられて総督府の中に入っていく。中では大画面のパネルモニタに《第三回バレット・オブ・バレッツ》のプロモーション映像が迎えてくれた。しかしその映像に関心している暇はなく、シオンたちは直ぐ様エントリーするための巨大なマルチ端末の前に導かれた。

「これで大会のエントリーをするの。よくあるタッチパネル式端末だけど、操作のやりかた、大丈夫そう?」

「問題ない」

「やってみます」

「ん。私も隣でやってるから、解らなかったら訊いて」

そう言って少女は端末に向かった。二人は小声で礼を言ってから入力に取りかかった。
入力しているなか、シオンがキリトに小声で声をかけた。

「キリト」

「何だ?」

「この名前とかの欄は全て空白にしろ」

「何で?」

「あくまでも予想だが、死銃は住所を知っているプレイヤーを狙っている。ここで下手に個人情報を晒すのは得策ではない」

「わ、分かった・・・」

渋々答えたキリトは、どうやら一番上に書いてあった但し書きに書いてあった賞品に揺らいでいたらしい。それを知っていたシオンはキリトに待ったをかけ、なんとか踏みとどめた。
入力を終了すると、シオンは自分がどのブロックに入ったか確認した。
シオンが入った予選ブロックはEブロック、番号は27。

「終わった?」

「ああ、予選ブロックも確認した」

「どこ?」

「Eの27番だ」

「Fの37番ですね」

「私はFの12番だから・・・良かった、黒髪の君とは決勝で当たるわね」

「良かった?」

少女の言葉にキリトは首をかしげる。

「予選トーナメントの決勝まで行けば、勝ち負けにかかわらず本戦のバトルロイヤルには出られるの。だから、私たちが二人とも本戦に出場できる可能性はゼロじゃないわけ。でも、もし決勝で当たったら、予選だからって・・・手は抜かないけどね」

少女の言葉にキリトは笑顔で答える。

「ああ、なるほど。もちろん、当たったら全力で戦いましょう」

「もちろん、貴方もね」

「ほう、俺にもか・・・」

「貴方には面白いものを見せてもらったからね、そのお礼よ」

「これまた、どえらいお礼だこと。だがまあ・・・」

シオンは少女の言葉に拳を突きだして答える。

「その言葉、しかと受け取った。その為にはまずは予選を突破することだな」

「言われなくても!」

「そのつもりだ!」

キリトと少女はシオンの言葉に答えるように拳をぶつけた。少女は身を翻すと、シオンたちを会場に案内した。
会場は地下に存在し、エレベータで降りていくとそこにはBOBに出場するプレイヤーが数多く待機していた。会場の天頂部には巨大なホロパネルには【BOB3 Preliminary】という文字と、残り28分弱という深紅のフォントのカウントダウンが表示されていた。
中には堂々としている者もいれば、数人が集まって話している姿もあった。その誰もが自分の(獲物)をぶら下げていた。
シオンはその姿を見て目が細くなるのを感じた。

「まず、控え室に行こう。あなたたちも、さっき買った戦闘服(ファティーグ)に装備替えしないと」

「そうだな。で、その控え室は?」

「うん、男性用が右で女性用は左のフロアだから」

「そうか、じゃあキリト。行くぞ」

「ああ」

「ちょ、ちょっと待って!」

控え室に行こうとしたシオンとキリトが少女に止められた。

「どうした?」

「どうしたじゃないわよ!彼女も連れていく気!?」

「彼女?」

「あ~・・・ッ」

少女の言ったことにシオンは思い出したかのように手を顔にあてた。そう、彼女は今の今までキリトを女だと思っていたのだ。
シオンはバツの悪そうな顔で言った。

「悪いが、こいつ男なんだ」

「・・・は?」

「信じられないよな普通・・・」

「いや、でも・・・」

「まあ、論より証拠だ。キリト、この子にネームカードを渡してやれ」

「あ、ああ・・・」

シオンの指示に従い、キリトは少女にネームカードを渡した。それを見た少女は驚愕した。

「本当に、男、なの・・・?」

「性別を偽ってどうする?むしろそんな芸当できるわけないだろう」

「でも、そのアバターで・・・」

「まぁ、話は後でしてやるから、今は装備替えだ。それじゃな」

「あ、ちょっと!」

未だに信じられないような表情をしている少女をよそに、シオンたちは控え室に向かうのだった。
その後、少女に問い詰められたのは言うまでもない───
 
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