BRAIN ~ブレイン~
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炎刀 『蒼炎』ソウエン Ⅰ
前書き
蒼炎―――それは、見たものをすべて魅了したといわれる。
禁断の焔。
蒼く透き通った焔は炎刀しか共鳴しない
ただ―――
蒼炎も炎刀も全て―――
≪0≫から始まったものだった
「ハアッ、セイッ」
空を切る音だけが青年の耳に届く
「ふぅ・・・クソッ。まだ、0なのか・・・」
PPPP。インカムから呼び出し音が流れる
【ゆーず君?指令《ミッション》だよ?】
「あ、そうか・・・」
【どうかした?柚子君?」
「あ、いや、大丈夫だ。双葉サン」
【ふぅん、なら、いいや。ところでさ、今回の指令どう?】
先程からインカムを通し柚子と会話している指示者《オペレーター》磯山双葉-いそやま ふたば-
「まぁ・・・やってみないことにはわからないけど、いい経験にはなると思う」
【へぇ~、変わったね。柚子君も。この3年間で】
「まぁ・・・な。じゃあ、そろそろ行くわ」
【うん、吉報を頼むよ。よろしくー】
通話を途切れた
「さてと・・・行くか」
青年は上を向き、空を仰いだ
スポーツタイプのバイクに乗ること、3時間
山上の方にある“とある一家の家”
門を通るや否や柚子の目の前には三又矛
「セイッ、ヤッ、ハッ」
受け流すようによけると―――
「この若造がッ何をしに来たっ」
見るから犯罪者扱いをしている老人
「はぁ・・・、brain第零級刀刃部隊隊長・詩紋柚子だ」
「こらっ!じい、やにやっているのですか!brainの方にっ!?」
「樺恋様、てっきり侵入者かと・・・」
「防犯カメラがあるじゃないですかっ!?しかも数十台もっ!」
「機械などには任せられなくて・・・」
「あの~、いいか?」
入りにくかった雰囲気に柚子も我慢を切らしていた
「あ、すみません。私、刻神樺恋と申します。こっちは私の執事、鹿野怜です」
「brain第零級刀刃部隊隊長・詩紋柚子だ」
樺恋に向けて改めて挨拶をする
「まぁ・・・、詩紋家の方ですか」
「今はまだ、当主じゃないけどな」
「樺恋様になんという言葉使いだっ!」
「じい!今は、私と柚子様が会話をしているのです。先にお茶などの準備を!」
「分かりました・・・」
執事が歩いて帰る姿を見て、大切にしているんだなというのが伝わる
「いい執事を持ったな、刻神様」
「ふふっ、日本語がおかしいですよ?樺恋でいいです」
「じゃあ、俺も柚子で」
自己紹介などが終わり、刻神家の事業展開のよううすを話してくれた
そんなことをしゃべりながら歩くと、あっという間に家のドアに着いた
「やべぇ・・・洋風だ」つい心の声が漏れてしまう柚子
「柚子の家は和風なのですか?」
「まぁ・・な。家が剣術の名家でもあるからな」
「そうなんですか・・・すごいですね」
「で、どこに向かってるんだ?」
「はい、客間ですっ」
へぇ、と呟く柚子
「あ、じい」
「樺恋様!ご無事でしたか」
「大丈夫です!柚子が変なことをするわけがないじゃない!ねぇ?柚子」
うんうん、と頷く。
「じい、客間は?」
「はい、いつでも入れます」
「分かったわ、行きましょ?柚子」
「分かりました、お嬢様」
そう呟くと樺恋のあとをついて行く
数分後にはすでに客間に案内されていた
この時にはまだ、この後に起きる
悲劇の連続があることを
まだ知らなかった
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