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ペルなの

作者:御門
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10.デバイス

 
前書き
TF新作キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!




※2016/2/18 一部修正 

 
「失礼します……ってアレ?」

フェイトの説教から二日後、再び隊長室へ呼び出され彼女が顔を出すと、お馴染みはやて部隊長と補佐のリインの他に、メガネを掛けた女性、機動六課所属でメガネがトレードマークの以外と万能な通信士兼整備主任のシャリオ・フィリーノ、通称シャーリーが居た。

「シャーリーさんが居るって事は、もしかしてもう出来たんですか?」

「そや。シャーリーが要望を渡した後、一晩でやってくたんよ。いやぁ、デバイス自体は用意してたとはいえその他諸々をこな短時間で調整する辺りシャーリーはホンマ優秀やなぁ」

「いえそんな!無海さんのデータはシグナム副隊長との模擬戦である程度採れてましたし、そこに本人の要望等を加味すればよりハッキリと具体性が出ますからそんな事ないですよ!」

「それでも普通なら三、四日は掛かりますよ。もっと自信を持って下さいです!」

「まぁそれはともかくや。コッチが本題、朱音ちゃんのデバイス達や」

はやてが差し出した盆には全体が銀色に輝きその中心に、なのはのレイジングハートみたく赤い宝石の様なコアが付いたブレスレットとペンダントが置かれていた。

「二つ、ですか?デバイスって一人一つなモノだと思ってましたけど?」

「基本的にはそうなんだけどね。ん~、先ずは見て貰うのが早いかな。デバイスを持って機動してみてくれる?パスはデフォルトのままだから『セットアップ』って言ったら機動するから」

「えっと、セットアップ?」

『是』

「お、おおっ!?」



【※ここで一つ報告です。当小説は多くの方に何の不都合も無く読んで頂く為にデバイスのセリフを日本語で表記します。決して英語やら何やらの外国語を一々調べながら書くのが面倒とかケータイ執筆でエキサイト先生に頼り難いからとかじゃなくあくまでそういう表現であるとご了承下さい。】



彼女が機動パスワードを口にすると、手にしたデバイスが光りブレスレットは手甲、ペンダントは薙刀へとその姿を変えると同時に彼女の服もバリアジャケットに置換される。

彼女のバリアジャケットは例を上げるのであれば、某腹ペコ王の騎士甲冑みたいな青いドレスの上に甲冑のパーツを着込んでいるデザインのバリアジャケットだった。

「おおぅ、これは……なんだか前に貸して貰ったのよりかなりしっくりくる感じがしますね」

「無海さん様にチェーンしてありますからね。注文通り防御重視の騎士甲冑、インテイリジェントデバイスには近代ベルカ式をインストールして接近戦メインで、これは無海さん次第ですがアームドデバイスでは牽制や補助としてミッド式の遠距離魔法も扱える様にしてます。手甲型のデバイス《ツクヨミ》がインテリジェントデバイスで、これからは無海さんをサポートしてくれますよ」

『是』

無口な質らしく口数少なく『ツクヨミ』が答える。

彼女は口調こそは似つかないがその無口な感じにどこか好感をもった。 

「そしてアームドデバイス『イザナミ』ですが、カードリッジシステムを組み込んではいますがデバイスとしての機能を最小限にし、純粋な武器としての特性を強くデザインしました。特に耐久性は通常のアームドデバイスの倍近くはありますよ」

「んん?でも武器なら自前のがありますし、このイザナミってデバイスはあまり必要は……」

「あ~、無海さんの薙刀は確かに一級品ですが、武器所持規制を初め諸々の規制やらなんやらあってアレを常時持ち歩くのは無理があります。機動六課は緊急時での出動も多いですし、その都度武器を取りに行くのは現実的ではありません。でもアームドデバイスならその武器規制にも引っ掛かりませんし、管理局で嘱託登録してるなら改めて許可を得る必要もなく、いつでもどこでも気軽に持ち歩けます。それにカードリッジシステムをツクヨミからオミットしてイザナミにその役目を丸投げする事で、アームドデバイスに比べてどうしても耐久性が低くなってしまうインテリジェントデバイスの問題を緩和してあるんですよ」

「つまり二つのデバイスは各々役割分担されてるって事です。それにデバイスの機能を最小限にって言っても大規模魔法とかが使えないだけでシューターやバインドとかは普通に使えますよ~」

「成る程」

実際、この世界で意識を得た初めの時に抜き身の薙刀の扱いをどうするか悩んだ彼女は確かに便利と頷く。

昔、交番で武器や防具を大量に売り買いしてた時の人目が痛かった記憶もそれに拍車をかける。

更には魔力ブーストの機能も付いてるなら、武器としての性能差はともかく使い勝手はイザナミの方が良さげに思えた。

だが一つ不満というか疑問というかをあげるなら……

「そう言えば何で日本神話の神様の名前なんですか?」

「ニホンシンワ?」

「それはアレや。ウチらの出身世界の日本って言う生まれ故郷にある神話やな。ウチも詳しくは知らへんけど、確かにそんな名前の神様が居た気もすんなぁ」

はやて達が日本神話のうろ覚えな話題に夢中になる中、彼女は一人思考に耽る。

(偶然、か。でも、“ツクヨミ”に“イザナミ”か……)

黄泉を治め一日に千人を殺す神である“イザナミ”とその夫の目から生まれた月をシンボルに持つ神“ツクヨミ”。

彼女のペルソナにこの神々が下地となったのは無いが、神々が持つ意味合いは彼女のルーツとかつての終着点と深く関係のあるもの。

自然と彼女が身に付け、握るそれ等は、本来の重さ以上の重さを彼女に感じさせた。

 
 

 
後書き
ちなみにP4関連が物語に絡む予定は一切ございません。 
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