転生赤龍帝のマフィアな生活
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
二十話:ゲームスタート
リアス・グレモリー達の十日間の修行も終え、後はあの焼き鳥共をカッ消すだけとなった今、俺は集合場所と言われたオカルト研究部に居た。因みにクロームとアーシアとユニは観客室で観戦するらしい。まあ、そんなことを考えながら俺は精神世界で最終調整を行っているんだが―――
(ハアハア……ご主人様これならばあの種まき焼き鳥を必ずや魂ごと消滅できます!!!)
(そうだ、主よ!!あの哀れなる小鳥に死の鉄槌を与えてやるのだ!!!)
(クロームたんを守るために肉片すら残らずカッ消してください!!!)
(イッセー様、後は我々に与えたお仕置きをあの焼き鳥めに与えるだけです。そうすれば奴は必ずや真の消滅を迎える事でしょう。)
(どうしてこやつらは神すら滅ぼす一撃をもってしても死なぬのだ?フェニックスより、よっぽど不死身ではないか……。)
いや、ホントにカストカゲの言う通りだよ。なんでこいつらは消えるどころか攻撃を食らう前よりも活き活きとしてんだよ?ちょっと自信無くして来たぞ、俺。
(さあ、ご主人様!!!もっと念入りに調整をしてください!!!!!)
((((もっと痛めつけてください!!!!!))))
(そう言われて誰がするか!!!??)
(あ、放置プレイでも全然問題はないので気にしないで下さい。)
((((放置プレイも最高オオオオオッッ!!!!!))))
(いつかこいつらが世界を壊しそうで怖え……。)
そのうち新たなる勢力とかを作りだしそうで怖くて仕方がない。何としてでも俺の精神世界から外に出さないようにしなければ…!!
「久しぶりだね、リアス。」
「お、お兄様!!?」
そんなことを考えていると紅髪の男とカスメイドが入ってきた。
……リアス・グレモリーの兄、サーゼクス・ルシファーか。中々強そうだな、それに何か隠してやがるな?内包している魔力以上に危険な物を感じる。流石はルシファーといったところか、こいつは本気で戦わねえと勝てなそうな奴だ、カッ消しがいがある。
「ど、どうしてここにお兄様が?」
「妹の晴れ舞台を見に来ただけさ。それと……リアスが世話になったようだね、今代の赤龍帝、兵藤一誠君。」
「ふん、俺の目的の為だ。それ以上でもそれ以下でもねえ。」
「なるほど、グレイフィアから聞いていた通りの人柄だね。」
そういって爽やかに笑うサーゼクス・ルシファー……何が目的かは知らねえがてめえらの思い通りに動く気はねえぜ。こんな茶番、俺がぶっ壊してやる!!!
「兵藤一誠様、今回あなたに課せられた特別ルールについてもう一度説明に参りました。」
「言え。」
「はい、今回の『レーティングゲーム』において、あなたはライザー様との戦闘以外は認められておりません。しかし、ライザー様以外からの攻撃を受けた場合は攻撃した人物と戦闘を行っても構いません。」
「焼き鳥への攻撃が逸れて他のカス共に当たった場合はどうなる?」
「故意であると判断されない限りは問題はありません。」
「そうか。」
「説明は以上です。」
さて、あの焼き鳥はどういった攻め方をしてくるか……とっとと攻めてきてくれたら楽なんだがな。まあ攻めてこないならその分リアス・グレモリー達がカス共をカッ消す時間が稼げるから悪くはない。理想は味方を皆殺しにされて苦しんでいる焼き鳥を絶望の淵に叩き落としてからカッ消すことだからな。
「では、皆様、この魔法陣の中にお入りください。」
「健闘を祈ってるよ。」
カスメイドが展開した魔法陣の中に入る。
「これより皆様を戦闘フィールドにご案内します。」
次の瞬間、俺は光に包まれながら転移していった。
「さて……まずはどう攻めるか決めましょ。」
リアス・グレモリーに促されてバジル達が作戦を練るために集まる。
因みに俺はソファーに寝そべっている状態だ。当たり前だろ?俺は別にあいつらをカッ消せればいいだけなのだから一緒になって作戦を練る気などない。正直、勝手にしろということだ。
「みんな、いい?まず私達は経験的にみて不利だから長期戦は向いていないの。」
「では、短期決戦ということでござるか。」
「そう、一気に攻め込むしかないの。だから、自分達の領域を増やしたりする必要はないわ。」
「と、なると……随分と派手なことも出来ますね。」
「ええ、みんなよく聞いて――――――」
小声になったのでどういう作戦を立てているか聞こえなくなったが、まあ、雑魚は雑魚らしく頭を使えばいい。俺はただ力でカッ消すだけだ、それが―――暴君だ。
「それじゃあ、小猫と祐斗は森にトラップをしかけてきて頂戴。ライザーは最初にこの校舎に『兵士』を投入してくるはずだから。」
「分かりました。」
「……はい。」
「バジル、あなたは小猫が戻ってきたら直ぐに体育館に向かって頂戴。」
「はい、親方様。」
ようやく動くのか……俺が全員と戦っていいならこの時点でほとんどのカスは殺せてると言うのに……まあ、所詮は雑魚だ、大目に見てやるか。
「一誠、あなたからは何かあるかしら?」
「地獄に叩き落とせ!!!それと後一つ―――」
「何かしら?」
「あの焼き鳥は俺の獲物だ!!手を出すんじゃねえぞ!!!万が一手を出したら場合は―――てめえらからカッ消す!!!!!」
あの焼き鳥は俺自身の手で殺らねえと気が済まねえんだ!!!
邪魔する奴は誰であろうとカッ消す!!!!!
「………分かったわ。ライザーはあなたに任せるわ。」
「それでいい。」
「ところで最初からライザーを狙いに行くのかしら?」
「てめえらが他のカス共を殺るまではカッ消さねえ、それまでは寝てる。」
「寝るって……はあ…いいわ。あなたの行動に一々けちをつけてもしょうがないものね。」
「そう言うことだ、じゃあな。俺は屋上で寝てくるぜ。」
さてと……焼き鳥、次に俺が目を覚ました時がてめえの処刑時間だ。
それまでせいぜい、残された時間を楽しんでいればいい。
Sideバジル
小猫殿と共に体育館付近に近づきそっと中の様子を伺います。
「……います。」
「そうですね、それならこの際こそこそと隠れずに行きましょう。」
「……了解です。」
待っていてもしょうがないので堂々と体育館の中に入りますと既に体育館の中央にはライザーの眷属がいました。チャイナドレスを着た人、ブルマ姿の双子、そして一誠殿に焼かれた棍棒が武器の人……四人ですか、数で不利なのは分かっていましたがいきなり倍の敵ですか……相手にとって不足はありません!!
「こんにちは、グレモリーの眷属さん。………ねえ、あの人はここにはいないのよね?」
「一誠殿ですか?ええ、一誠殿はライザーとの戦闘しか許されていませんのでここにはいませんよ。確か……ミラ殿でしたか?あの時は一誠殿が失礼しました。」
「い、いえ、私が悪かったんです!!」
ミラ殿……一誠殿に相当怯えていますね。まあ、無理もありません。危うく殺されかけたんですからその位なっても可笑しくありません。
「私はライザ―様に仕える『戦車』、シュエランよ。」
「『兵士』のネルでーす。」
「同じくイルでーす。」
「ご丁寧にどうも、拙者『兵士』のバジルと申します。」
「……塔城小猫です。」
さて、自己紹介もすみましたし―――行きますか!!
「小猫殿!!行きますよ!!!」
「……はい!!」
『銀狼の牙発動』
まずは銀狼の牙を構えて敵の出方を伺います。
「「バラバラ♪バラバラ♪」」
楽しそうな声を響かせながら拙者の方に駆け寄ってくる双子の女の子……その手にチェーンソーを携えて……。
「チェーンソーでござるか……物騒な物を。」
「きゃはは、お兄さんをバラバラにしてあげる♪」
「バラバラ♪バラバラ♪」
「はあ……将来が心配な方々ですね。」
軽くため息をつきながら脇目で小猫殿の方を確認します。今、小猫殿は相手の『戦車』と相対している所みたいですね。恐らく、修行の成果を試したいのでしょう。
さてと、拙者は―――
「ネル、そっち!!」
「はいさ、イル!!」
「よっと、いいコンビネーションですね。」
片方が右から来たと思ったら左からもう一方が来るチェーンソーでの連撃、これはまともに相手をしていたら時間がかかりそうですね……コンビネーションを崩させてもらいます。
「ほっ…よっ!!…とっ!!」
「ああ、もう防いでばかりいないであたりなさいよー!!!」
「避けてばかりいないであたりなさいよー!!!」
片方の攻撃は銀狼の牙で跳ね返し、もう一方は避ける。
この繰り返しをしていけば―――
「ちょっと!?ネル、動きが遅いよ!!!」
「でも、急にチェーンソーが重くなって!!!」
「どういうこと!!?」
銀狼の牙の能力である体重の倍加を武器にも適用し片方のチェーンソーの重さを変えて連携に綻びが出る様にしたまでです。
「そこです!!!」
「しまっ!!?」
「ネル!!?」
ネル殿を斬りつけ床に叩き伏せる、これで一人。
「くらえ!!!」
「甘いですよ?」
「うそ!?ミラは後ろから攻撃して来たのに!!!」
「死角から突然飛んでくるナイフとワイヤーに比べれば大したことはないですね。」
本当にあの修行で何度ベルフェゴール殿に殺されると思ったことか……まあそのおかげで死角からの攻撃への対処法や殺気の感知能力に関しては格段にレベルアップしましたけどね。
「では次は拙者の番です!!!」
ミラ殿を素早く連続で斬りつけます。
「きゃっ!?か、体が動かない!!?」
何倍にも倍々になった己の体重のためになすすべなく崩れ落ちるミラ殿、後、一人。
「ミラ!?もお!!どうなってるのよ、あなた!!?」
「答える必要はないですね。」
イル殿のチェーンソーを叩き落として無力化し、そのままイル殿をネル殿が倒れておる真上に投げ捨てます。
「きゃっ!!?」
「ご、ごめん!!!」
そしてイル殿が落としていったチェーンソーを破壊し、拾われても大丈夫なようにします。
「さてと、後は小猫殿ですね。」
無力化したとはいえまだ油断は出来ないので三人から少し距離をとりながら小猫殿の方を伺う。
……小猫殿の相手は『戦車』恐らくは拙者がつい先ほど戦った三人方よりも強いはずです。
大丈夫でしょうか?
「な、なんなの!?どうして当たらないのよ!!?」
「……ルッスーリアさんに比べたら止まって見えます。」
大丈夫みたいですね。一切の油断もなく、冷静に相手の攻撃を見極めて避けては、攻撃し避けては攻撃しを繰り返しています。
「……インパクト、集中。」
小猫殿の体がスッと沈み込み相手の懐に入ります、そして―――
「ぐあっ!!?」
強烈なアッパーをシュエラン殿の顎に繰り出しました。
そしてシュエラン殿がふらついている所へ―――
「……止めです!!」
シュエラン殿が何メートルも吹き飛んでいくほどの強力な蹴りを放ちました。
「があっ!!?」
シュエラン殿はそのまま何度かバウンドしたところで止まりピクリとも動かなくなりました。
「さすがです、小猫殿。」
「……バジル先輩もです。」
「じゃあ、そろそろ……」
「……はい、離れましょう。」
小猫殿と一緒にライザーの眷属達に背を向けて一目散に走りだします。
「え?ど、どういうことなの!?」
まだ動けるイル殿が困惑しているようですが説明している暇はないので無視して外に出ます。
まあ……すぐに分かりますけどね?
「ふふふふ、準備万端ですわよ―――テイク!!!」
体育館上空を飛んでいる朱乃殿の掛け声と共に体育館に襲い掛かる数多の落雷。
『ライザー様の『兵士』三名、『戦車』一名、リタイヤ。』
流石は朱乃殿ですね、体育館が木端微塵です。
「……部長の考えた作戦は大成功ですね。」
「はい、相手に取られて不利になる位ならいっそ壊してしまえばいい……素晴らしい発想でした。それに朱乃殿も修行前より雷がはるかにパワーアップしていましたね。」
「……はい、みんな強くなってます。」
「そうですね、それじゃあ先に行きましょう。」
「……分かりました。」
そう言って先に進もうとした瞬間―――あたりが閃光に包まれた。
バァァァァァァン!!!!!
「うふふふふふふ、まさか攻撃されるとは思ってなかった?知ってる?狩りで一番危険な瞬間は獲物を狩った瞬間よ。」
「その言葉、そっくりそのまま返させてもらいます。」
「なっ!?」
相手の―――恐らくは『女王』が生み出した爆煙を逆に利用し死角から銀狼の牙をブーメランとして投げつけて攻撃します。相手は何とか拙者の攻撃を避けたみたいですがまだ終わりません。
「……油断大敵です。」
「あなたまで!!?」
小猫殿が相手の『女王』を殴り飛ばして地面に叩き落としました。ナイスです、小猫殿。
「くっ…!!どうしてわたしの攻撃をいとも簡単に避けられたのか聞いてもいいかしら?」
「簡単です。拙者はいつ殺されるか分からない極限状態で修行をしていました。あれぐらい避けれなければとうの昔に死んでいました。」
「……常に細かくフットワークを踏んでいれば相手の攻撃に瞬時に反応出来ます。」
「そ、そんなことが……。」
「出来るんですよ、爆弾女王さん。」
「あなたは雷の巫女ですか……。」
声のした方を見てみると朱乃殿がゆっくりと空から降りてくるところでした。
そういえばどうして朱乃殿は悪魔なのに巫女服を着ているのでしょうか?
あれは別に聖なるものじゃないのでしょうか?謎です。
『ライザ―様の『兵士』三名、リタイア。』
「これは祐斗殿ですね。」
「そうなるとバジル君達は合流しに行かないといきませんね。ここは私に任せて先に行ってください。」
「はい、ありがとうございます。」
「……気をつけてください。」
「そんな……こうも簡単に私達がやられるなんて……。」
恐らく、油断をしていなければもう少し手こずったでしょうが……まあ関係ありませんね。
「拙者達は一誠殿より、あなた達を―――地獄に叩き落とすように言われているので。」
後書き
レーティングゲームは三話ほどかけて書こうと思っています。
まあ、最後はライザーの死で決定されてるんですけどね(黒笑)
ページ上へ戻る