転生赤龍帝のマフィアな生活
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十六話:逆鱗に触れし小鳥
前書き
Sideバジル
やばい……あれはやばいです……。
そーっと、今にも人を殺してしまいそうな位の殺気を放っている一誠殿を見ます。
普段から余りクラスメイトが寄ってくるような方ではないですが今日は異常です。誰一人として目を合わせないようにしているどころか、隣に座っていた方が一誠殿の殺気に当てられて気絶してしまったり、出席を取るときに先生方が揃いも揃って一誠殿の所をわざと飛ばしたり、休憩時間は教室内から拙者とアーシア殿と一誠殿以外の方々が全員避難したりとそれはもう、恐ろしい雰囲気を醸し出しています。
正直に言って『ゴゴゴゴゴッ!!』という効果音が聞こえてきそうなぐらいです。言いませんけどね?今、言ったら拙者は間違いなく死にます。……一体全体、一誠殿に何があったのでしょうか?
Sideoutバジル
ああ……イライラする…どうにかして父さんの命令を無くしたいんだが方法がない。話し合おうと思っても俺がそういった行動を取ると予想していたのか繋がらないので話し合うことが出来ない。……やはり直接イタリアに飛ばないとダメか?
しかし、ここまでして俺と関わろうとしない奴を捕まえられるだろうか?旅行だとか言ってすでにイタリアから離れている可能性も否めない。それに母さんがそばにいるとなると俺も強くは出れない。それどころかこの事を知った母さんが『男ならきちんと責任取りなさい!!!』とか言い出したらそこで終了だ。何とかして父さんだけを交渉の場に引きずり出せないだろうか…?
「お兄ちゃん…今日はオカルト研究部行こ…?」
「あ?」
「っ!!……えっと小猫ちゃんと遊ぶ約束したから……。」
「………行くぞ。」
「うん…。」
「イッセーさん、私も行っていいですか?」
「勝手にしろ。」
「ありがとうございます!!」
正直今日は機嫌が悪かったので行かない予定だったがクロームのお願いなので聞くことにした。オカルト研究部に向かっている最中に何やら言い争う声が聞こえてきたので軽くムカつきながらも扉を開ける。
「一誠!!?」
「なぜ!?この部屋には結界を張っていたはずですが?」
「人間?」
部屋に入ると見慣れない銀髪のメイドとすぐにでもカッ消してやりたくなるような顔をしたチャライ男がいた。それに男の眷属と思われる悪魔共……女ばかりじゃねえか、顔重視で選んで全員カスしかいねえじゃねえか。銀髪のメイドは相当な力を持った奴の様だが俺の恐れる所じゃない。
「リアス様この方は?」
「はあ…兵藤一誠、今代の赤龍帝よ。」
「通りで……。」
何やら納得したように頷く銀髪メイド、何のことか分からんな。
(相棒が結界を容易く壊して入ってきたことだろう。)
(結界?んなもんあったか?)
(結界を認識すらしないとはな……やはり相棒は力の次元が違う。)
何の抵抗も感じなかったんだが、結界なんてものを張っていたのか……もう少し鍛えた方が良いんじゃないのか?
「赤龍帝、か………『赤龍帝の籠手』は神滅具の一つだ。確かそれは最強の神器の一つとして数えられているな。やり方次第じゃ、魔王も神も倒せると言われている。」
あ?何勝手に解説し始めてんだ。正直キモイんだが。
(ほう…あのフェニックスの男、中々に分かっているじゃないか、赤龍帝の力を理解しているとは見どころのある奴じゃないか。)
何故か上機嫌になるカストカゲ、幾ら褒められようがてめえがカスであることには変わりはないだろうが、馬鹿か?
「だが未だに、魔王退治も神の消滅も成された事はない、この意味がわかるか?その神器が使えないもので、使い手も使いこなせない様なカスばかりだったという事だ!!所詮は人間だ!!!お前もカスだ!!!!!」
焼き鳥がそう言い放った瞬間リアス・グレモリー達の顔が真っ青になったが知ったことじゃない。
(やれ、相棒。俺が許す。)
((((((お前なんかに罵倒されても嬉しくないんじゃボケエエエエエッッ!!!!!))))))
俺を……カスだと…?くっくっく……―――カッ消す!!!!!
「ミラ、哀れな人間に力の差を見せてやれ。」
「はい、ライザー様。」
棍棒を持ったカス女が俺に攻撃してくる……死にてえようだな!!ドカスが!!!
「カッ消えろ!!!」
「キャアアアアアアッ!!!??」
「「「「ミラ!!?」」」」
俺に攻撃してこようとした馬鹿なカス女を焼き捨てる、死にはしねえよ……安心しな、俺がカッ消してえのは―――
「おい、焼き鳥、遺言の用意は出来たか?まあ聞く気はねえがな!!!」
てめえだよ!!!焼き鳥!!!!!
「怒りの暴発!!!!!」
「な――――――っ!!?」
焼き鳥を消し飛ばす、ほとんど倍加してないが全身をカッ消すことには成功した。
(相棒は相手はフェニックスだ、あの程度では消えん、もっと丁寧にカッ消すのだ。そして完全に滅ぼしてしまえ!!!)
(カストカゲに言われなくともそのつもりだ!!!)
「貴様あああっ!!!!!よくも俺を―――な、なんだ!!?何で俺の体中を黒いあいつが這いずり回っているんだ!!!??」
「お兄ちゃんを馬鹿にした…許さない!!!」
「流石は俺の妹だ、頼りになる。」
俺が一番初めに考えたお仕置きを実行するとは流石は我が妹だ。こんなことではあるが繋がりが出来て兄ちゃんは嬉しいよ。
「おやめください!!!それ以上の戦闘は――「うぜえっ!!!」――くっ!!?」
「グレイフィア!!?一誠、あなた!!!」
銀髪メイドがうざいので軽く銃をぶっ放す、防いだみたいだがリアス・グレモリーは何やら不満のようだ。
「てめえらに俺を止める権利があんのか?あ?そこの焼き鳥が俺に喧嘩を売ってきやがったんだぞ?それを無関係ないてめえらが止めるなんざ筋違いだろうが、カスが。」
「そ、それは……。」
リアス・グレモリーがまごついている間にもう一度 焼き鳥を消し飛ばす。
銃だと一々復活するまで待たないといけねえから面倒だな……グローブに変えるか?
「その方は古い家柄であるフェニックス家の三男坊、ライザー・フェニックス様……リアス様の婚約者です。」
「婚約者だと?」
「私はそんなことは認めてないわ!!!」
なるほど、リアス・グレモリーも俺の様に望まない婚約を押し付けられているってわけか。
お互い苦労してんだな、労いの気持ちをこめてリアス・グレモリーを見る。ついでにもう一発焼き鳥をカッ消す。
「………何だか今ならあなたと通じ合える気がするわ。」
「はっ、奇遇だな、俺もだ。」
(相棒、復活したぞ。)
(よし、消し飛べ!!!)
復活したらしいので再びカッ消す。焼き鳥の眷属のカス女共は何か言いたそうに俺を見ているが主よりは頭は使えるらしく何も言って来ない。けっ、根性の無い奴らだ。
「とにかく、ライザー様への攻撃をおやめください。正式な戦いの場は用意いたしますので。」
「正式な?」
俺が話を聞くために攻撃の手を休めている間に焼き鳥が復活するがすかさずクロームが幻術をかける。ばれない様に焼き鳥にしか見えない幻術をかけているので何を見せているか分からないが焼き鳥が苦しんでいるのでさぞ楽しいものを見せているのだろう、これが終わったら頭をなでなでしてやろう。
「『レーティングゲーム』です。リアス様とライザー様で婚約をかけて行う予定でしたが眷属の数、経験の差、どれをとっても不公平な状態でしたので誰か一人助っ人を入れる予定でしたのであなたに入っていただければあなたの望みを叶えられると思います。ただしその場合は許されるのはライザー様との戦闘だけですが。」
「……つまり今は我慢して試合で戦ってくれ……そう言うことか?」
「はい。」
「その提案―――却下させてもらうぜ!!!」
「っ!!!」
幻術で苦しんでいる焼き鳥を再びカッ消す。
(そうだ、それでこそ相棒だ。あんな男、今ここで魂ごと滅ぼしてしまえ!!!)
((((((デストロオオオオオオオイイイッッ!!!!!!))))))
「俺は今、最高にイラついてんだ…!!邪魔立てするんなら―――てめえからカッ消す!!!!!」
「お待ちください!!!一誠殿!!!!!」
カスメイドに全力の一撃を撃ち込もうとした瞬間バジルが俺の前に飛び出てくる。
「てめえ……俺の前に立つってことがどういうことか分かってんだろうな?―――殺すぞ。」
「承知しております!!!一誠殿、どうか拙者達に―――親方様にお力添えをしてください!!!!」
「バジル、あなた…!!」
深々と頭を下げるバジル……こいつ見ないうちに逞しくなったじゃないか……。
「これが終われば拙者を煮るなり焼くなり好きにしてください…ですが、どうか親方様のために力を――「却下だ。」――お、お願いします!!!」
「勘違いすんじゃねえよ……俺は部下は見捨てねえ。」
「え?」
「部下の顔を立てるのもボスの仕事だ……その申し出受けてやる。」
「それでいいか?カスメイド。」
「……はい、ありがとうございます。」
「一誠殿、恩にきります!!!」
「ふん……。」
まだ苛立ちが収まったわけじゃないんだ、こうなりゃ、あらゆる手をを使って焼き鳥を苦しめる方法を考えねえとな。
(ご主人様!!!その実験にはどうか私たちをお使いください!!!)
(目に物を見せてやるのだ、主よ!!!)
(クロームたんのお仕置き、ハアハア。)
((((そうだ、共にいこう、我らが主よ!!!!!))))
(なに感動的な感じに変態発言してんだよ!!!さっきまでのお前らはどうした!!?)
いい感じに終わったと思ったらこれだよ、本当に終わってんな、こいつら。
後、三番目の奴どいつだ?てめえだけは何としてでもカッ消す!!!
「グレイフィア、それでゲームはいつ行うの?」
「十日後です。」
「そう…わかったわ。」
俺を見て震えている焼き鳥に近づく。
「な、なんだ?」
「残り十日……それがてめえの残りの寿命だ。せいぜい好きにするんだな。」
それだけ言い残して部屋から出て行く、さて、どうせやるならリアス・グレモリー達も強化して焼き鳥の眷属共にも恐怖を与えてやるか。……そうなるとあいつらを呼ぶ必要があるな。
「イッセーさん!!待ってください!!!」
「何だ?アーシア。」
「あの……やっぱりイッセーさんが馬鹿にされたことは私にも我慢できませんでした!!!ですので―――あの人を一回だけ攻撃してきます!!!!!」
「そうか、外で待ってるぞ……頑張れよ。」
「はい!!!それじゃあ行ってきます!!!」
クロームと一緒に外に出てアーシアを待つ、途中部屋からまるで大砲のような音が聞こえてきたが多分アーシアとは関係はないことだろう。
「イッセーさん、終わりました!!!」
「帰るぞ。」
「はい!!」
「お帰りなさい、一誠さん、クロームさん、アーシアさん。荷物をお持ちしますね。」
「……すまねえな。」
「えっと……ありがとう。」
「ユニさんが大変ですので私は大丈夫です。」
「いえ、ただ家に置いていただくと言うのも心苦しいので私が何かしたいんです。」
そう言ってニッコリと微笑むユニに思わず見惚れてしまう、やっぱりユニの笑顔は周りを幸せにする力があるな。
「どうかされましたか?一誠さん。」
「……綺麗な笑顔だな。」
「えっ!?……あ、ありがとうございます。」
そう言って頬を赤らめるユニ、何となく俺の頬も熱い気がするが気のせいだろう。
「お兄ちゃん……ふんだ。」
「はうう、だ、ダメです!!こんな気持ちを抱いちゃダメです!!ああ、神よ!!!」
後ろの二人は一体何を言っているのだろうか?取りあえず、クロームは今日の頑張りもかねて頭をなでなでして機嫌をとる。
「ふふふ、夕食が出来ているので手を洗ったら皆さんで食べましょうね。」
そう言って笑顔のまま荷物を運んでいくユニ……手を洗うか。
「「「いただきます。」」」
「食うか……。」
「はい、召し上がってください。」
一口、口にするといつもと味が違うことに気づく。気づかれないようにユニを見ると食事に手を付けずにチラチラとこっちの様子を見ていた。
「坊ちゃま、今日は少し味付けを変えてみたのですがいかがでしょうか?」
そう言って、ニッコリと笑いながら俺に聞いてくるミランダ。
「いつもより味は落ちるが……俺はこっちの方が好きだ―――うまいぞ、ユニ。」
「ひゃっ!?」
俺に気づかれたことに驚いたのか可愛い悲鳴を上げるユニ。
まあ、今言った事は本当だ、味はプロレベルの腕を持つミランダにはかなわないが、何となく温かさを感じるユニの料理は普通にうまい。
……俺はただ事実を言っただけで別にユニを褒めたわけじゃないんだからな?本当だぞ?
「よ、喜んでもらえて、嬉しいです。」
照れているのを隠すように俯くユニ、だが俯く前に顔を赤くしているのを見たので無駄だ。
「私にも…料理教えて。」
「わ、私もお願いします!!ミランダさん。」
「うふふ、はい、分かりました。お嬢様、アーシア様。」
普段はおかわりはしないんだが今日は珍しくおかわりをしたが、今日は少し動いたからな腹が減っていたんだ。
べ、別にユニが喜ぶ顔が見たかったんじゃないんだからな!?そうだと言ったらそうだ!!!
後書き
「最後の一撃は……切ないです。」by聖女
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