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火猫の少女と虚無

作者:使い魔
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サイトの実家

 
前書き
ルイズが大人しく嫁化させますので嫌な人は見ないでね。 

 
  現代日本では一般的な一軒家の前にいる。

  結婚した彼女を紹介する為に実家に訪れてた。
問題は出身であり日本人ではない、外国人という
わけでもなく、地球とは別の歴史を形成した世界
ハルケギニア。魔法が普通に存在し扱われ、実力
がないものは虐げられたりもする。
中世ヨーロッパ見たいな世界に魔法がある国、
出身だと思ったほうが、分かりやすいかもな・・
使い魔・・魔法使いの相棒になる者を召喚
する儀式で、呼ばれた・・状況が飲み込めてない
なかで、ただ・・「メイジは略全て貴族なのよ」
これしか言わずに飯抜きするわ雑用させるしで
さっさと帰りたくても、帰る方法がなくて、
仕方ないから、一緒にいただけ・・だったのに、
二人で危機的状況を乗り越えてく度に、
確かな絆と守りたい気持ちが膨み・・
ハルケギニアで結婚してーーーー
今に至るところである。

 来る前に確認のメールはしたけど・・
母さん・・大丈夫かな?

 その前にガチガチの嫁をなんとかしないとな、
緊張してインターホンを押せずにいたのだ、
見かねたオレが「押そうか?」と気を使ったら、
「これは私が押さないとダメなの!!」
必死に何かを乗り越えようとしている、
何物にも真っ直ぐ向かっていくけど、
人一倍泣き虫な・・彼女。
そんな彼女を守りたいと思う。
これからずっと・・

 手をぎゅっと握る、少しでも力になりたいから。
それに応えるように、強く握り返してきた。

「サイト・・ありがとう大好きよ」

 緊張して硬くなっていた表情が嘘のように、
柔らかく綺麗な笑顔に変わっている。

「オレもだよルイズ」

 二人で手を重ねてインターホンを押した。

 ピンポーン

 家の中を移動する音が響く。この時間にいるのは、
母さんかな・・?

「はーーい」

 扉が開かれると母さんが立っていた、久し振りの
再会に感激して泣き出してしまう母さんを
慰めながら家に入り客間に案内する。
母さんを椅子に座らせ背中をさすった。

「母さん・・落ち着いたか?」

  目を擦りながら泣き止み、サイトとルイズを
流し見た。
心を落ち着けるように、一呼吸空けてから、
ゆっくりと話し始めてく。

「サイト・・この子がルイズさんで、いいのよね?」

 メールで結婚相手の名前、ハルケギニアが
どういう世界なのか概要を説明している。
また緊張しはじめたルイズは、喋れそうに
ないので、そのまま話を進めた。

  「そうだよ」

 落ち着いて質問に応えてく、一言を重く
噛み締めながら質問されるので、
内心はドキドキしてる。
ルイズはオレの比じゃないよな・・
横目に確認するも、完全に下を向いているため、
顔色は窺えなかったが想像するのは、難しく
なかった・・

「ルイズさんと二人で話したいんだけど、席空けてくれないかしら」

 ルイズがぴくっと反応した・・
ヤバイよなこれは・・ダメだ1人にできないだろ。

「オレがいちゃ話しずらいのか・・?」

 何の話しをするんだ? 瞬きもせず、
母さんの目を凝視していた。
なんとかしないと・・どうする。

「とって食うわけじゃないんだから・・女同士の話しです」

 しっしっし、手でアッチいけとされ、
さっき再会したとき泣いてたのに、
今度は邪険にされんのかよ・・
内心悪態をついた。

「わかったよ・・ルイズに迷惑かけんなよ」

 ルイズのことが心配で頭が一杯だけど、
母さんは酷いことはしないだろうし、
話しを聞き出すの上手いから、オレが
いないほうが、解決するかもしれない
頑張ってくれ・・下を向くルイズの
頭を撫でてから、客間を後にする。
不安感を残した状態で・・靴を履いて出ていく。

 ◇◇◇

 なんで一人にするの!! 頭撫でてくれたのは
嬉しいけど、状況変わってないじゃない!
どうしよう・・なにか話さないと・・
サイトの世界の話なんて・・
できないわよーー!!

 とりあえず、顔を上げなくちゃ・・ずっと、
下を向いてるのは失礼にあたるわよね。
意を決して前を見ると目が合ってしまった。

「・・・・・・」

 頭が真っ白になって、何を言えばいいか
なんて考えられない・・でも・・
考えないと、サイトいないんだし、
お母さん無表情で、プルプルしてきたわ・・
怒っているわよね、異世界から帰ってこれると、
伝えるのと一緒に結婚した人を紹介します
なんて、急すぎるもの・・でも!
この好きな気持ちは嘘偽りなく本気だから
認めて欲しい、
サイトが私の家族と向き合ってくれたみたいに、
今度は・・私がサイトの家族に向き合わないと!
なのに・・口が開いてくれない・・なんで!

「可愛いい!! お人形さんみたい!」

 きゃっ!・・えっ?どうなってるの?
抱き着かれて、頭撫でられてる・・
意味がわからずに混乱していく。

「あの・・その・・」

 どうしたら、いいんだろう・・流されてるわ。
邪険にされるよりは、助かるけど、
困惑しながらお母さんを眺める。

「ビックリしたわよね! ゴメンなさい! 可愛いから・・つい!」

 反省したように、体を離していく。
この反応からして、反対してないのかしら?
聞いてみないと・・・・わからないわ。
深呼吸、そう落ち着いて話せば、
大丈夫なんだから・・

「その反対じゃないんですか? 私とサイトの関係・・」

 普通だったら反対されると思う。
だから来るのに勇気出したんだもの
なのに歓迎されるなんて・・
理由が気になるわ・・

 不思議そうに、眺めてるに気づいたのか、笑顔が
難しそうな顔付きに変わっていた。

「私ねーーーー娘が欲しかったのだから、こんな可愛いくて、誠実にあの子を考えて愛してくれる娘を反対なんかしないわ・・サイトをお願いします・・できたらーーたまに家にも遊びに来てね」

 涙が頬をつたって流れていく、辛くないわけ
ない・・それでも祝福してくれるんだ、
私達を・・泣いてるサイトの母をいえ・・
私のお義母さんの涙を指ですくいとり。

「お義母さん・・ありがとう! 遊びに来るね絶対!」

 今、自然に笑えてるきがするわ!
優しい抱擁で温もりを感じ合う。

「それにしても、肌しっとりーー髪もフワフワで可愛い!」

 私の笑顔を見て笑顔に戻ってくれた。
ぎゅっと・・抱き締められたり腕触られたり
して、恥ずかしい。
チィ姉様と似てるかも、為す術もなく、
可愛いがられるしかなさそうね。
嫌じゃないから・・いいかしら。

「この後・・サイト帰って来たら、ハルケギニアに帰るのよね?」

 甘えた声で話してきたけど、極めて重要な、
話しであった。

「はい・・そうなりますね・・やり残してきたことが、まだ多いので・・」

 いきなり話だけして、終わったらすぐに、
帰るなんて申し訳ない・・

「責めてる訳じゃないのよ! ただ・・どうなのかなって!思っただけなの」

 顔の前で手をブンブン振って弁明する。

 本当に優しい人なんだわ・・
二人で話すことになった時は、どうしようかと、
思ったけど、よかったわ・・
でも、そろそろ帰らないと・・
丁度いいタイミングで、サイトが帰ってきたのか、
玄関で物音がした。

 ◇◇◇

 その頃サイトは・・
地元を自転車で散策していた。
やることないから、ハルケギニアに
行っても使えそうな物を買うことに、
早速、目に止まった商品を取る。

 双眼鏡とかいいな・・・・買おう!

 色んなもの見て回ってたため、
行く場所が無くなり始めていた・・
そうだ・・立ち読みでもするかな・・
買い取りしてる店は中古本を読めるから、
助かるよなーー料理の本か買って
シエスタに作ってもらうのもありか・・
どれ、適当に目の前の本を取りパラパラと、
流し見すると! 作り方が次々と
頭に入ってきた・・これって!
ガンダールヴの力だよな、なら・・
その後、武術書を立ち読みするのに時間を
割いていた。思ったとうりに知識に
なった・・これなら普通に戦っても
オレ強いんじゃないかな・・
あっーーそういや時間は?
ふと思い出して店の掛け時計で、確認した
結構時間潰したし問題ないと判断して、
家に向かう。

 ◇◇◇

 家に着いて靴を脱ぎ客間に入ってく、
出てきたときと違って二人とも、
打ち解けたように見える。

「話し終わったのか?」

 母さんとルイズを眺めながら、座りこむ。

「お義母さんと話しは済んだわ」

「ルイズちゃんと話し楽しかったわ」

 二人が仲良さそうに笑っていて安心した。

「じゃあ母さん一先ず帰るな・・」

 ルイズに目を向け、意思を伝えた。

「お義母さん・・また、遊びにきますから」

 礼をしてから、サイトの隣を歩く。

「楽しみにしているわ・・二人共仲良くね」
 
 笑顔で手を振り送り出してくれた。

  「また来るよ母さん」

「はい・・」

 一度、向き直り手を振り返してから
歩いていく。

 念のために竹刀入れをコルベール先生に
作ってもらい、デルフを持ってきたけど
特に問題なさそうだな・・

 人気(ひとけ)のないビルの屋上まで歩いてき
ルイズが杖を出した。

「いい世界ね・・それと、お義母さん好きになっちゃったから、別れるの辛くて泣かないでいるのに必死だったわ」

「そうか・・仲良くなれてよかったよ、また母さんに会いに行こう二人で」

 向かい合いながら、手を握り見詰め合う。

  「約束したわよサイト・・ちゃんと守ってね」

 笑顔で笑いながら話す、最初の頃のオレに
見せてやりたいくらいだな・・

「当たり前だろ・・二人で幸せな家庭を築くんだから」

「そうね・・」

 静かにワールドドアを開き、ハルケギニアが
映る空間に入り込む、刹那! 暗く暗転して、
体が引きずり込まれてく、

「なにこれ! 嫌! サイト!!」

 突然のことに驚き、暴れだすルイズ。

「大丈夫・・どんな場所でも側にいるよ・・オレは」

 怖くないわけないが・・オレが冷静に
ならないと・・ルイズを守るんだ!
強く抱き締める。

 泣いてたルイズも、安心したのか、
背中に手を回して抱きつく。

「私・・貴方を好きになってから弱くなってた、思いが繋がったら繋がったで、安心して弱い自分をさらけ出すようになってしまったわ・・責任とってねサイト・・居なくなったら許さないんだかね」

 真っ暗で、何も見えない空間に呑まれながら、
うるうる光る瞳がサイトを捉える。

「頼まれても離さねぇよ!! 任せとけ!」

 力強く宣言した・・時には命を掛けた
こともあった、それくらい大切なんだ・・
誓えるさ、死ぬときが来たとしても一緒だーー
壊れないように、優しく、だが力強く抱き締めた。

「うん・・」

 二人を闇が完全に包み込む。
最初からそこに何もなかったかのように・・
 
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