八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二話 腹違いの妹!?有り得るから怖い!その十二
「私は人として敬愛し好きなのです」
「そうなんですか」
「ですから私はです」
「僕の味方なんですか」
「最後の最後までそうあります」
「すいません」
「ですから礼には及びません」
畑中さんはここでも微笑んで僕にこう返した。
「これが執事の仕事ですから」
「だからですか」
「はい、それでは」
「これからもですね」
「宜しくお願いします。人は巡り合い」
ここで不意にだ、畑中さんはこんなことも言った。
「そして集うものですが」
「巡り合いですか」
「はい、そして集まります」
「それってどういうことですか?」
「その言葉のままです」
「あの、また悪い予感がするんですけれど」
「気のせいであればいいかと」
何かまた思わせぶりな言葉だった。
「それは」
「気のせいであればって」
「ではまた明日」
急にだった、畑中さんはこのタイミングで話を切ってそのうえで僕の前から退散した、こうして僕は一人になってだった。
もう夜遅いので寝た、そうしてまた明日だった。だが僕はわかっていなかった、僕はあの親父の息子で違う意味でその血脈というか因縁を受け継いでいることを。まだ自覚もしていないしわかってもいなかった。
第二話 完
2014・6・26
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