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東方変形葉

作者:月の部屋
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地底世界は意外と楽しい
  東方変形葉51話「八咫烏を宿らせた裏側には何がある」

 
前書き
萃香「ふう、やっぱりそうだったか。あの子は古明地こいしちゃんだな。」
姫雪「その子って強いの~?」
萃香「強いというか厄介なんだ。なにせ、無意識を操る程度の能力を持っているからねぇ。」
姫雪「・・・あれ?あの子ってさっきいたさとりさんと同じ種族なんだよね?だったら心を読む能力もあるの?」
萃香「いや、今はない。」
姫雪「今は?」
萃香「そう。あの子は心を読んで人から嫌われるのを嫌がって心を閉ざし、心を読む能力を封印したんだ。そしてその能力は退化していって、そのかわりに無意識を操る能力を得たんだよ。」
姫雪「ふ~ん?」
萃香「・・・長々と話したら酒が欲しくなってきた。ここの家って酒はおいてね~の?」
姫雪「ないよ?調理用のお酒はあるけど。」
萃香「それでもいいや~、くれ~!」
姫雪「裕海様、こんなこと言ってるよ?」
裕海『ああ、萃香は酒癖があってたまにそうなるから手厚く介抱してやってくれ。うわっ!あぶなっ!』
萃香「人のことを残念な人みたいに言うな!・・・およ?知らない間にこいしちゃんと裕海が戦っているな。」
 

 
どうも。なんかこいしと交戦中の裕海で~す!・・・どうしてこんなことになったんだろう。こいしと弾幕勝負をすることになるなんて。
「いっくよ~!」

表象 「弾幕パラノイア」

突然ピンク色の何かが俺を包囲した。動きが束縛されたようだ。そこへ、高密度の弾幕が飛んでくる。限られた範囲内で何とか避けるも、避けづらい。なかなかスペカ宣言する隙がない。
「・・・!!今だ!」

変位「無限変幻 瞬」

こいしと俺の場所を入れ替える。
「えっ、うそ!?なにがおこったの!?」
さすがにこいしもあわてている。そして、渦を巻きながら弾幕がこいしに襲い掛かる。実はこれ、少しだけ疲れるんだよね。だから入れ替える回数も一回限り。
と、こいしは驚きながらもすいすいかわしている。さすがに一筋縄ではいかないか。
「『幻想之妖蛍』!」
俺の周りをぐるぐる回っている水晶型のオプションから、緑色の弾幕が扇形に散らばって飛んでいく。
もともと、スペルカードルールは相手の体力またはスペカをすべて使い切ったらいいので、こういうちょっと痛いだけの弾幕を放ちまくって相手の体力を削って行くというのが筋だ。まあ、それ以外の弾幕は当たると数倍痛いけどね。
「いてて。なら、これならどう!?」

本能「イドの解放」

こいしからハート形の弾幕がたくさん放たれる。若干密度は高いが、動きはそれほど速くはないので何とかよけられる。
背後はハートの壁で埋め尽くされており、あんまりこいしから離れすぎるとその壁にぶち当たってしまう。
『・・・長々と話したら酒が欲しくなってきた。ここの家って酒はおいてね~の?』
『ないよ?調理用のお酒はあるけど。』
『それでもいいや~、くれ~!』
『裕海様、こんなこと言ってるよ?』
んあ?あ~、萃香の困った酒癖か。
「ああ、萃香は酒癖があってたまにそうなるから手厚く介抱してやってくれ。うわっ!あぶなっ!」
危うく弾幕に当たりかけた。そろそろスペカ発動するか。

遊戯「スキマ遊び」

スキマを無数に展開する。そこから無数の弾幕、光線が飛び交う。ハートの弾幕をどんどん消しながらこいしのほうへと飛んでいく。
「おっと、あぶな~い。」
が、結構すいすいと避けられている。う~ん、体力的にもそろそろまずくなってきたから一気に決めよう。・・・でも、今それを使うのははっきり言って無謀だ。あの回避能力なら、おそらくあのスペカは当たらないだろう。そこで、相手のスペルブレイクの瞬間か戦術的攻撃で相手の注意を引くか。いずれにせよ、そのチャンスは逃せない。
とにかく、今は様子を見るしかない。
「え~い!」

抑制「スーパーエゴ」

こいしに向かってハートの弾幕が飛んでくる。まさか、さっきのスペカの続きか?二枚セットのスペカって珍しいな。
難易度は、さっきよりは難しいがすぐにスペカを使うほどではないのだが、問題もある。背後から飛んでくるのでさすがに後ろを向いて避けなければならない。
「くっ、地味に面倒だな。」
「あれ~?おにいちゃん、どうして“無意識”にならないの?」
「・・・?」
無意識?どういうことだ?まあそれはいいや。仕方ない、これは奥の手にしようと思っていたが使うしかない。
「きらちゃん、ほたるちゃん、頼む!『蛍色の一番星』!」
「「は~い!」」
ウエストバッグからばっと人形たちが飛び出てきた。そして、2人がこいしに向かって勢いよく飛んでいく。
「わあっ!?お人形さん!?」
よし、今だ!

無間「恋の彗星」

開いたスキマに向けて太いとも細いともいえない光線を放つ。そして同時にスキマがこいしの周りにいくつか展開される。スキマからスキマにその光線が移動する。光線があまり太くない代わりに飛び交う速さはやや早い。一秒間に一度スキマからスキマに移動する。
「わあっ!?いたあっ!」
一度当たると、絶対に回避はできない。勝利を強制的に引き込む最大の切り札だ。そう、人が恋をし、たとえ振られてもその人をいつまでも意識してしまうように、その意識は“永続”する。その意識は人を暗い境地に追い込む。



「いたた、思っていたより強い~・・・やっぱりおにいちゃん妖怪なんじゃないの?」
「違うよ。俺は人間だよ。・・・一応。」
今思うと、人間としての要素が見当たらないことに気が付いたが、それは霊夢もそうだから大丈夫!・・・うん、大丈夫なんだ。きっと。
『それにしても、裕海。よくこいしちゃんの“無意識”にかからなかったね?』
「え?どういうこと?」
萃香が摩訶不思議なものを見つけて首をかしげているような感じでそういった。
「おにいちゃん、もしかして“無意識”が効かないの?だって、私が最後に宣言したスペカって人の無意識が操られて私の傍まできてしまうんだよ?」
「・・・そうなの?」
こいしが俺の背中に乗って背負うような体勢になりながら言った。
「う~ん、どうして“無意識”が効かないのか俺にはよくわからないな。あっ!忘れてた!」
「えっ?わあっ!」
ここで俺はここへ来た本来の目的を思い出した。―そうだった、守矢神社の二柱に・・・あの地獄鴉に八咫烏の力を与えた理由を聞きに行くんだった。俺はこいしを背負ったまま守矢神社に向かった。
『あ~、そうだった。あのフランキーな神々にあの地獄鴉に八咫烏の神霊を与えたのはなぜか訊きに行くんだった。』
「えっ、地獄鴉?もしかしてお空のこと?」
「・・・お空?もしかして、右手に多角形の棒を装備していた?」
「うん!もっとも、それを装備し始めたのはつい最近だけど。」
うわあ、ビンゴだ。まさかこいしの知り合いだったとは。・・・あ、よく考えたらさとりの妹なんだから知り合いで当然か。



「あれ?どうされましたか?参拝ですか?」
御柱の林を飛んでいると、早苗が現れた。ちょうどいいや。
「あの二柱に少し話をしに来たんだよ。」
「・・・まさか、うちの神社の神々を倒しに!?じ、神社破りはだめですよ!」
「しないよ!話をしに来たって言ったじゃん!」
このひとはいつも人の話を聞かんな。どこからその発想が生まれたんだよ。
「『なんでそんなことを考えているの?』みたいな顔をしていましたので言いますけど、あなたが神奈子様と諏訪子様を合わせても軽々としのぐ強大な神力をもっているので、いつか守矢の神々を手中におさめに来るんじゃないかと警戒しているのです。」
「そんなこと考えもしなかったよ。念のために言っておくけど、まだ神力の制御がまだまだきかないんだからね?」
そう返すと、「それもそうでした」と言って微笑んだ。・・・なんか馬鹿にされたような気がするが、きっと気のせいなのだろう。
「ねーねー、そこの巫女さん。早くお二柱さんに会いたいんだけど~。」
「わあっ!?裕海さんの背中にいつの間に女の子が!」
・・・なるほど、普通はこうなるのか。無意識って怖いな。
「で?あの二柱はどこ?」
「あ、今は出掛けております。どういったことをお話にきたのですか?」
出掛けているのか。タイミング悪いな。
「地底の地獄鴉に八咫烏の神霊を宿らせた理由を聞きに来たんだよ。」
「ああ!そのことでしたか!それでしたら私からお話ししましょう。地底の灼熱地獄跡を利用して河童達に産業革命を起こさせるのです。成功すれば、今の何倍も生活水準が上がりますよ。核融合は、外の世界でも実用に至っていないクリーンなエネルギー源です。」
・・・つまり、産業革命を起こすために核融合の力と灼熱地獄を利用したいわけか。そして核融合の力を持つ八咫烏の神霊をお空に宿らせたと。確かに外の世界で核融合の実験は実用化されていないけど。失敗するリスクとか高そうな気がするのだが。
「なるほどね、それでその強大な神力を手に入れたお空は調子に乗って異変を起こしちゃいましたと。」
『そうなるねぇ。まあ、もっともその鴉は今頃霊夢にフルボッコにされてるだろうね。』
「・・・光景が手に取るように想像できるな。」
霊夢はそろそろ加減というものを知りなさい。・・・異変の犯人に加減をしろとは言わないけど。
「な~んだ、じゃあお燐には神霊はあげられないのか~。残念残念。」
こいしが残念そうにつぶやいた。
「さてと、霊夢を迎えに地霊殿に行くかな。」
スキマを開き、灼熱地獄近くにつなげる。熱気が吹き込んできて思わず目をつぶった。



「うにゅ~・・・」
「ふう、あらおかえり。どうだったの?」
「うん、情報はつかめたよ。それよりも、霊夢。その子を文字通りお尻に敷くのはどうかと思うんだけど。」
しぶしぶ霊夢はお空から降りた。「羽毛布団みたいでフカフカだったのに~」とつぶやいて。
『で?どういう理由でこの鴉に八咫烏なんて宿したのかしら。』
紫が眠そうに言った。どうでもいいことなのか。一通り説明をした。
『・・・なるほどね、現代っ子のあまちゃん神が考えそうなことね。ふわ~、眠いわ。』
「とりあえず異変は解決したみたいだし帰るか。」
スキマを開こうとしたところで、さとりの姿が見えた。
「あら、なんとかおさまったようですね。」
「一応ね。ああ、そうそう。」
背中からこいしを降ろした。
「・・・?・・・!こいし!?」
「あ、お姉ちゃん!久しぶりだね~!」
幻想郷をぶらぶらしているとは聞いたけど、本当にそうだったのか。多分何週間も出歩いていたのだろう。
「裕海さん、すみません。妹がご迷惑を・・・」
「気にしなくていいよ。結構楽しかったし。」
まさか弾幕勝負をすることになるなんて思ってもいなかったけど。
「じゃあね、こいし。」
「うん!たまには地霊殿に遊びに来てね!」
髪を軽く撫で、別れを告げ、スキマの中に入った。



「はあ、疲れた。」
「おかえり~!」
「おっと。・・・ぐっ。」
姫雪ががばっと助走をつけて抱きついてきた。・・・勢いが良すぎて、鳩尾に見事に入ったけど。
「つかれた~。」
「けど、たのしかった~!」
人形たちがウエストバッグから出てきた。
「おつかれさん。うひゃははは!」
・・・萃香、酒入りか。くそう、疲れるな。
「露骨に『こいつめんどくせえ』って顔すんじゃね~よぉ。」
「はあ、これは酒の席に付き合わされるパターンか。」
この後、予想通り『祝・異変解決!』という口実でプチ宴会が開かれたのは言うまでもない。



続く
 
 

 
後書き
更新が遅れてしまい申し訳ありません。
さて、次回は宴会の後に魔理沙に連れられてある店へ行きます。さて、どこの店へ行くのでしょうか? 
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