八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第一話 僕が大家!?しかも何このお屋敷!その十
「一緒です」
「えっ、一緒のクラスなんだ」
「大家さんと一緒のクラスなんて心強いです、宜しくお願いします」
「あまりにも怒涛の展開過ぎて」
それも朝の六時からだ。
「何かもう」
「もう?」
「訳がわからないよ」
何処かの魔法少女の話の黒幕そのままの言葉を出してしまった、思わず。
「いや、本当に」
「おはようございます、義和様」
ここで畑中さんも来た、朝からダンディだ。
「お早いお目覚めですね」
「あっ、畑中さんおはようございます」
「はい、それでなのですか」
「ええと、今この人とね」
「田村様とですね」
「お話してたんだけれど」
「こちらの方が今日からです」
畑中さんは僕に丁寧に話してくる。
「この八条荘にお住まいになります」
「はい、そのお話は聞きました」
他ならぬ詩織さんからだ、今も僕の前にいるその人から。
「実際に」
「左様ですか。それは何よりです」
「あの、それで僕と同じクラスって」
「それを今から申し上げようとしていたのですが」
「あっ、そうなんですか」
「はい、それに」
ここで畑中さんは僕にさらに話して来た。
「こちらの方のお母上はどなたかわかっているのですが」
「お父さんがですか」
「実は」
「実は?」
「八条止様です」
「はい!?」
僕は畑中さんの今の言葉を聞いて思わず声をあげてしまった、それはこの世で一番聞きたく名前だった。
第一話 完
2014・6・20
ページ上へ戻る