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ソードアート・オンライン 咎人が背負う運命

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罪と剣

 
前書き
少女の名前を俺は知っている。
少年の名前を少女は知っている。
でも、互いが大切な人を失い名前を呼ぶ事が出来ない。
もし仮に互いの名前を呼ぶ事が出来るのならそれは、、、、、、 

 
罪は消えない。
俺が死んでも俺が原因で死んだ者達は生き返らない。

「うーん。
もう、ダメぽっいね」

目の前の少女は剣を眺めながら言う。
見る角度を変えたて触ってみたりしても同じ反応が返って来る。

「限界か?」

「限界を超える一歩手前かな。
流石に最前線で使う武器じゃないからね」

「直るか?」

「直るけど無茶したら。
すぐに限界が来て繰り返しになるよ?」

目の前の少女は鍛冶屋だ。
無論、プレイヤーの鍛冶屋で腕も有り信頼出来る。
俺を恨んでいない数少ない人間の1人だ。

「キリトみたいにボスモンスターからドロップした武器なら折れにくいけど。
アンタが常時装備してる剣は市販の物だから限界は目に見えてる」

「市販物でも出来る限り強化したけど?」

「市販物から強化しても最前線で現役バリバリは無理」

市販で手に入れた剣でも出来る限り強化したが市販は市販だ。
それ以上もそれ以下でもない。

「新しい剣を買えば?」

「お前の考えは大体解る。
アタシの店で剣を買え、だろ?」

「ま、大方正解」

少女は嬉しそうに笑う。
そんな少女の笑に俺は苦笑いを返す。

「解った。
お前の店で剣を買うよ」

「毎度!」

満面の笑が元々明るい少女の顔を更に明るくする。
心の中で高い剣を買ってくれと連呼している姿が想像出来た。

「で、どんな剣を買う?」

少女の言葉に俺は悩んだ。
前と同じ剣を買うのも有りとも考えるし前と全く違う剣を買ってみるのも有りだ。
だが、前と同じ剣だと最前線で戦うには不向きと言われたので悩み所である。

「第一条件は安い。
第二条件は耐久地が高く斬れ味が抜群
第三条件が対人戦とモンスター戦を兼ね備えた剣で」

「要望が多いな。
しかも安いが第一条件だと第二と第三は無理」

予想はしていたが無理だった。
まず第一条件に安いと言った時点で結果は見えていたが少し期待していた。

「なら第一条件は?」

「安いのなら沢山有るけど。
アンタが使うとなるとすぐに限界を超えて壊れるわよ」

俺の事情をよく知る鍛冶屋の少女は完結に簡単に言う。
俺でも理解出来ているが難しい問題が幾つか有る。

「普通にアンタが剣を振ったら大抵の剣は折れる。
でも、何故か前まで使ってた剣は折れなかった。
今まで折れなかったのが奇跡に近いね」

大抵の剣は俺が振れば折れる。
攻撃した瞬間、剣の耐久値が限界を超え使い物にならなくなってしまう。

「問題はアンタに有るけど、
アンタを改善する事は不可能だし市販の剣だったらアンタが使えば折れちゃうし」

俺が安い剣を使うのは理由が有る。
1つ 剣が限界を超え折れる。
2つ 金の無駄
3つ 俺の振りに耐えられる剣がない。
この第三原則が俺を苦しませる。

「俺のスキルが邪魔しなければ、、、、、、」

原因は俺のスキルにある。
俺の罪の代価 リミテッドカオスには特別なスキルが備わっている。
使えば一時的に自身のステータスを何倍にも増幅させ一時的に無敵と言える強さを手に入れられる。
だが、それ以外にリミテッドカオスには能力が有る。
それが原因となり俺の攻撃に剣が耐えきれない。

「スキルに文句を言っても現状は変わらないよ。
今の問題を解決してからスキルに文句を言ったら?」

明るい方向に少女は言う。
確かに改善出来ないスキルに文句を言っても何も変わらない。

「今の問題を解決する方法が、、、あるかな?」

考えても考えても考えても結論が出ない。
壊れる寸前の剣を直しても壊れるだけだろし新たに剣を買っても壊れるだけだ。

「アンタ、、、少し変わった?」

「え、?」

少女の目は疑問の目だ。
以前の俺と違うと見ている目だ。

「変わった?
俺が?」

「前より明るい、と言えばいいのかな?」

「意味が解らん」

曖昧な答えだ。
俺は変わらっていない。
あの時から何も変わっていない。

「俺は俺だ。
変わる筈がない」

いや、変われる筈が無いが正しい。
俺に変わる権利はない。
罪を背負い俺は前に進み最後に幕を閉じる。
少女は以前の俺と違うと言うなら以前の俺に戻るだけだ。

「変わる変わらないの問題じゃなくて変わるか変わらないかの問題だとアタシは思う」

「俺は変われない」

「変わったよ。
前より生き生きしてる」

少女は笑った。
意地悪な笑いじゃない少女自身の笑い。

「ちょっと前のアンタの目は死んでた」

行き成り俺の目が死んでいたと告白する少女に俺は驚きを隠せなかった。
何時も俺の言う事に文句を付けて巫山戯て笑っている少女が真実の言葉で言った。

「結構、酷い事を言ってるな」

「事実よ事実(笑)」

事実と言われ俺は反応に戸惑う。
初めて目が死んでいたと言われた事実が俺を変な気分にさせ言葉を失う。

「キリトも最近まで死んだ目をしていた」

「キリトも?」

「理由は知らないけどね。
無理に笑って悟られないようにしてるけど目が死んでた」

キリトの目が死んでいた。
多分、原因は俺に有る。
死を司る剣士の呪いがキリトを苦しめいる。
俺が死を司る剣士と知っていて俺を助けるキリトの気持ちはどんな気持ちなのだろう?
キリトが俺を憎いと思うのは当然だがキリトは俺を助け先に進む手助けをしてくれる。
キリトは何故、俺を助けるのか?

「アンタも目が虚ろだった。
でも今は虚ろじゃない」

「俺が、、、、、、、、、、」


 
 

 
後書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメントを宜しくお願いします!! 
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