でんきタイプで縛りプレイ
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12話:グリーンのポケモン達
前書き
8月最後の投稿ですね
ビッチなR団共とのバトルは6対6の入り乱れ乱交パーティになるのかと思いきや、1対1とバラバラに散らばり距離を取って戦っている。
「ギャラドス、もう一度【はかいこうせん】よ!!」
「カビゴン、こっちも【はかいこうせん】だ!!」
エリートトレーナーのトオルさんのカビゴンが目からビーム…もとい【はかいこうせん】を放った。
「ラッタ、【ひっさつまえば】だ!!」
「あははっ、それは効果はいまひとつよボク~♪ サイドン【とっしん】よん♪」
たんぱん小僧のゴロウのラッタはちと不利だな。助けにいきたいところだが。
「ナッシー【サイケこうせん】!!」
「ギャロップ、【とびはねる】じゃ!!」
たしかポニーターって東京タワーの高さぐらいまでジャンプできるんだったっけ? 勉強不足だ。
一緒についてきてくれた素敵な叔父様……??初老のギャロップが跳躍してナッシーを強襲だ。俺のサンダースもよく行動として跳躍して相手を踏んづけたりしているがそれよりも脅威だな、あのワザ。
「ん~、ニョロボン。【バブルこうせん】だ!!」
「ふん、しけたワザね。フーディン【サイコキネシス】」
船乗りのおっさんのニョロボンは白目向いていた。
「ウインディ、【しんそく】よ!!」
「ヤドラン、【あくび】で相手のウインディの眠気を誘って!!」
トオルさんの彼女、エリートトレーナのナオコさんのヤドランは安全圏だな。
心配なのはゴロウと船乗りとあとは……
「ピジョット、【つばさでうつ】よッ♪」
「ピジョォォォォオオオッ!!」」
「ビリリダマ、【でんきショック】で反撃だ! 気合いでなんとかしろッ!!」
「ビリリ……【……無茶言うなよ】」
……俺のビリリダマぐらいか。
流石にピジョットには勝てなかった。経験値稼ぎはできなかったな。
「ちょっとぉ坊や、本気でやってよ退屈だわ。この前のサンダースと戦わせなさいよ」
「……俺はいつだって本気だ」
しかし、敵のポケモンが強いせい出し惜しみしている場合でもない。早いこと船内に戻ってグリーンを見つけ出さないと……
「悪い、サンダース。ピカさん、ソッコーで終わらせるぞ!」
「ギャウギャウ!!」
「ビカッ!!」
「うふっ、こっちは1匹だっていうのに2匹出すだなんて随分卑怯なマネしてくれるわね?」
「……そう思うならそっちももう1匹出せばいいだろ?」
そもそもこいつらR団にポケモンバトルのルールは不要だ。
「この前のピッピ達はどうした? 出し惜しみか??」
「うふふっ、あのピッピちゃん達は弱いから捨てたわよ。このグリーン様に貰ったピジョット1匹で十分よ♪」
……知ってた。R団なら平気でそんな事するだろうと思ってた。
一昔前の俺もゲームなら同じことしていたかも知れないから強くは言えないけどな。でも、この世界にきて、こいつらポケモン達と出会って生きているんだと実感した時には、でんきタイプ縛りでプレイでよかったと思える。
縛りルールがなかったら、いろんなタイプのポケモンを集めて厳選してパーティー組んで、パーティーから外れたポケモンたちはボックスの中で放置していたかもしれない。
でも、こいつらロケット団はそれが現実世界でもやってのける、そういう集まりなんだ。
だからR団はビッチ諸共殲滅しなきゃならないんだ。
「坊や、怒っちゃいやん。ピジョット、【ブレイブバード】よ!!」
……おいおい。それは初代のゲームワザじゃないだろうが。
「避けろ2匹とも!!」
「ギャン!?(流石にレベル違いすぎ、ムリ)」
「ゴバババババババァアアアアア!??(俺だけまともにくらった!??)」
「ピカさん!??」
サンダースは直撃コースを外したから耐えたものの、ピカさんはモロにくらってツーバウンドぐらい後方に吹き飛んでは海に放りだされた。
なんとか、モンスターボールで回収できたから一命は取り留めだが、俺の反応が遅れたら危なかったな……
「うふふっ、どう? レベルの差に驚いたでしょ? 絶望したかしら??」
「……まぁな」
そもそもピジョットが【ブレイブバード】覚えるのか知らないが、あの威力を垣間見てどれだけピジョットが強いのかレベルが計れる。
でも、幸いに相手は鳥だ。【ひこうタイプ】は【でんきタイプ】に弱い。レベルの差があっても改造ポケな相棒なら倒せないこともない鳥のはずだ。
「サンダース、【10まんボルト】で反撃だ!」
「ギャウ!」
ピジョットは自身のワザの反動でダメージを負い、【10まんボルト】でそれなりにダメージを与えられた。
俺の相棒の一撃を食らって戦闘不能にならなかったことがやはりレベルが高い証拠なのだろうけど、それでもダメージは負った。
確2といったところか、ゲームなら。
なんとかなりそうだ。
でも、次の敵の攻撃を耐えられるかわからない。
さっきは直撃じゃなかったら耐えられたものの、あのタフなピカさんがゴバババァと叫んだ時点でヤバい威力なのは理解できた。
回避行動しても避けきれるかどうか疑わしいほどにワザ速度はかなりのもんだ。
なら、残された選択肢は……
「うふっ、次で仕留めてやるわよ坊や♪」
「……上等だよ、俺もとっておきを見せてやる」
「あら、それは何かしら楽しみね、返り討ちにしてやるわ♪」
だったら望みどおりに……
「サンダース、一旦逃げるぞ! 戦略的撤退だ!!」
「ギャウ!?」
「この期に及んで敵前逃亡……オツキミ山ん時と同じことする気なのね。坊やにはプライドってものは無いのかしら? まぁ子供にプライド云々求める私もどうかと思うのだけど……」
そう、俺達は敵に背中を向けて逃亡する。
ふははっ、どっかで待ち伏せして返り討ち作戦だ。
船内ならどこか個室等狭い場所に誘い込むのもいいな。
卑怯? 姑息?? それでけっこうだ。引きこもりだった俺はガキみたいに純粋でもなければ汚い社会を知っている根暗な大人だぜ?
汚い手だっていっぱい使ってやるさ。
だがしかしだ……
「うふふ、サンダースならピジョットのスピードから逃げ切れるかもしれないけど、坊やはどうかしらね。足遅いわね、50mは9秒台かしら♪」
……ガキだから足が遅いのだ。決して引きこもって運動不足だったワケじゃないのだ。
俺って相当マヌケだよな、昔からいつもこうだった。
ピジョットに【ブレイブバード】……じゃなく、普通に捕獲された。
がっちりと……
「ふぎゃっ!?」
「うふっ、私の脱ぎたて染み付きおパンツを坊やの口の中につっこんじゃえ♪」
「ふぎゅ……ッ!??」
ちくしょう、こんなふざけた展開のせいで相棒にロクな命令も出せない。
しょっぱくて涙目だ。
それに……
「ギャウギャウ!」
「おっと、これ以上近寄ったり攻撃してきたらこの坊やはもっと凄いことになるわよ?」
「ギャ、ギャウ……」
「………」
俺を人質にサンダースの動きを封じ込まれた。
俺に巻きつくかのように絡み付いては耳を甘噛みされた。サンダースに見せ付ける。やめて、放送事故になる。
もう万事休すだ。
もうこうなったら俺を見捨てて逃げてほしい。こいらR団はきっとオツキミ山での借りを返そうと手も足も出せない相棒を痛めつけるだろう。
俺はそんな残虐なる光景を見たくない。だからもう逃げてくれ。
でも俺の心の声はサンダースに届かない。
でも嬉しいかな、サンダースは俺を見捨てることはなくビッチ共と対峙する。
牙を剝きだしに獣のように唸っては毛を逆立てては威嚇し、今にも敵に飛びつかん勢いだ。
つーか、相棒が目を疑うような信じられない行動に移りやがった。正気の沙汰じゃない。
「ギャウギャウギャウ!!(私の目の前でイチャついてんじゃないわよゴラァァアア!!)」
「「「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばっ!??」」」
……サンダースの【10まんボルト】。そんなバカな。
油断しきっていた2人と1匹は効果抜群だ。
ピジョットは白目剝いて、俺とビッチは2人仲良く失禁してしまった……もうそれこそ凄いことになったさ。マジで。
「ぐっ……自分を犠牲にしてまで勝とうとしたその執念、見事だったわ。流石ね坊や、私の負けよ…………」
「……ち、違う」
……いや、サンダースの独断専行なんだけどな。
ビッチも喋りたいことだけ喋ってさらに失禁しては白目剝いた。
もうテレビ放送はできないだろう。
何はともあれ、俺達の勝ちだ。
「……よく、やった。サンダース」
「ギャウ……(……もっと頭を撫でなさい)」
……褒めてよかったのか判断しづらいがな。
何故かサンダースの電撃浴びても白目剝かなかった俺は立ち上がっては他のバトルの加勢に相棒と共に向かった。
あ、ビッチのパンツは海に捨ててやる! ポイしてやる!!
……このあと、他のメンバーと合流も果たしR団のビッチ全員倒して船内に戻った。
「俺はここに残ってビッチ共を見張ってるよ。あとは任せた」
「俺もここらが限界か。悪いが小僧と一緒に見張り役に徹するわ」
短パン小僧のゴロウと船乗りのおっさんがここでリタイアした。
残るは俺とエリートトレーナーのトオルさん、ナオコさんとあと、紳士なおじ様だけか……ハゲだが。
バトル後のおっさんはハットとメガネとカツラを海に落としてしまったらしいが…どこかで見たことあるようなナリだな。
「……おじさん、付け髭がズレてる」
「おじさんではない、ワシはカツラだ」
「………」
なんと、あのグレンジムリーダーのカツラだそうだ。
付け髭を整えては……彼曰く変装していたとのこと、豪華客船にはお忍びで遊びにきて若い女子でもナンパしようとしていたらしいけども、こんな時に不運だったな。
でも、心強い味方だ。
俺達は船内に入っては二手に分かれることにした。
ナオコさんが俺に付いてくるのはいかがなものかと思ったりしたけども。
「ハルト君、今こんな時に言うのもなんだけど、着替えなくていいの?」
……相棒の電撃を浴び失禁してお漏らした件についてだが、確かに着替えたいが時間がない。
「私の代えの下着とスカートあるけど??」
「……その内乾くからこのままでいい」
俺にナニを穿かせようとしてるんだ!? ナオコさんだけはまともな人だと信じていたのに!!
さて。
俺達はエリカやナツメがいるであろうバトルフィールドに向かった。
あそこにはVIPやセレブ、一般人の客を非難させた場所なのだ。そこの控え室が一番狙われ安いのではないかと判断したからだ。
それで到着してみて案の上だった。
入れ違いだがグリーンの襲撃にあったようだ。
そこはもう惨劇だった。
エリカ、とナツメが倒れていた。
「エリカ、ナツメッ!!」
「ハルト……さん??」
俺達は彼女らを見て息を呑む。憤りを覚えた。
……エリカは泣いていた。
顔に痣がある。よく見れば、全身がボロボロで振袖は台無しで、胸の所も乱暴にされてはだけてしまっていた。
でも、泣いていた理由は他にあった。ただ単に痛いとか怖いとかだけじゃない。
「ナツメさんが……………私を庇ってくださって…………」
「……エリカに比べたらまだマシよ。腕をやられただけだわ」
ナツメは無理にその重傷な身体を起しては告げた。
片腕が折れているらしい。無意識に俺は彼女の身体を支えていた。
「彼が、ここに来たわ……」
やはりグリーンの仕業だった。
ここバトルフィールドをよく見渡せばわかる。
奴が所有してあるであろうポケモンが暴れまわった爪痕を見れば一目瞭然だった。
「タケシが連れて行かれたわ……人質としてね」
確かに、さっきからタケシの姿が見えない……
何でタケシを人質にしたのかは理解できないが。女性であるエリカやナツメの方がいいだろうに……
ただ一つだけはっきりとわかることがある。
このままグリーンを放っておいたら彼女らのように犠牲者は増えるだろう。
その時、悲鳴の上がる声がここではない別の場所から聞こえてきた。
聞いたことのある、女の子の声だった。
「カスミ……」
「……ハルト、私たちは平気だからもう行ってちょうだい」
「泣いて不安にさせてごめんなさい……もう大丈夫です、カスミさん達をよろしくお願いしますわ……」
……2人を放置するのもあれだが。すぐ傍の控え室に避難していた彼らが2人を介抱してくれるだろう。
「ハルトさん……どうかご無事で」
「ハルト、気をつけて……彼はきっとゲイよ」
「……行ってくる」
……絶対に負けるワケにはいかない理由ができたな。
俺とナオコさんはメインホールへと向かうのであった。
後書き
さて…いよいよ本番か……書く自信がないけど生暖かい目でよろしくお願いします
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