神の左手を持つ雀士
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1話
前書き
合宿の後、大会の前くらいの時間からの物語です。
文才の無い人の処女作ですので、暖かい目で見ていただけるとありがたいです。
清澄高校麻雀部部室
「だから、何で悠先輩は時折変な打ち方をするんですか?ネット麻雀ならあんなに基本に忠実なディジタル麻雀を打っているのに」
ここ、清澄高校麻雀部部室に一人の女性の声が響く。
「しゃーねぇーだろ、山にあると確信して立直をかけたら、ワンパイの中にしか当たり牌が無かったんだからさ」
と弁明するように俺 三嶋悠が対面に座る少女 原村和に話す。
俺は咲や部長のようにオカルトな能力を持っている。それは左手でツモると有効牌をひくというものだ。もちろん、有効牌を引ける枚数の制限もあるし、元々ワンパイ積まれた牌をツモることは出来ない。今回は後者の条件に引っかかり、ツモる事が出来ずに振り込んでしまい和にお説教されている。
「ですから、何度もいいますがそんなオカルトありえません‼︎」
出た‼︎和お得意のSOA‼︎と考えている間も説教の手を緩めず...この場合は口を緩めず話続ける和を横目に俺は部長にアイコンタクトで助けを求める。
部長はやれやれといった表情で腰を上げてこちらに近づいてきた。
「和、お説教はそこまでにして次の対局に行くわよ。ほら、ビリの三嶋君は抜けて須賀君の指導でもしててちょうだい」
はい。分かりましたと返事を返し、席を立つ俺にまだ言い足りない事ような不満気な顔をする和。
まだ、言い足りないのかよ。やれやれだぜ。
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