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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第四幕その八

「それでそのことを感じました」
「ドイツ人もまた混血していると」
「そのことを」
「左様ですか、ですが我が国も」
「日本もですね」
「混血しています」
 加藤さんは日本人もというのでした。
「縄文人と弥生人が」
「そして渡来人ですね」
「その混血民族が日本人です」
「つまり大和民族ですね」
「そうです」
 その通りだというのでした。
「日本人もまた混血しています」
「そこは欧州と同じですね」
「そうなりますね、もっとも混血していない民族は」
「ないですね」
 先生はこのことについても微笑んで述べました。
「それは」
「はい、ありませんね」
「どの民族も混血していますね」
「複数の血が入っていて」
「イギリスにしても日本にしても」
「そこは同じですね」
「はい、本当に」
 先生の笑顔はとても優しい感じです、その笑顔で加藤さんとお話するのでした。
「人が好き同士であれば」
「民族が違ってもですね」
「結婚すればいいです」
「では先生も」
 ここでとても明るい笑顔でこう言った加藤さんでした。
「日本において」
「そこそのお話ですか」
「先生位の方ですと」
「結婚相手がですか」
「絶対にいますよ」
「そのことはです」
「今はですか」
「よく妹にも言われます」
 もっと言えばトミーにも王子にもです、先生の結婚のお話はとにかく色々な人から言われていることです。
「誰かいい人いないのかと」
「そうですか、やはり」
「何時までも独身というのはと」
「独身ですが先生は寂しくないですね」
「この子達がいますからね」
 今度は明るい顔で自分の周りを見回す先生でいsた、そこにいる動物達を。
「ですから」
「寂しくはないですね」
「はい」
 全く、というお顔での言葉でした。
「そう思ったことはありません」
「そうですか、ですが」
「人生の伴侶はですね」
「いるべきです」
 つまり結婚すべきだというのです。
「絶対に」
「それはわかっているのですが」
「もう絶滅しているかも知れませんが」
「絶滅とは」
「大和撫子は如何でしょうか」
「大和撫子ですか」
「ご存知でしょうか」
 加藤さんは微笑みつつ先生に尋ねます。
「そうした存在は」
「何でもおしとやかで気品があり家事は万能で」
「しかも慎みがある」
「その伝説の存在ですね」
「その大和撫子は如何でしょうか」
「本当に実在するのですか?」 
 その大和撫子の存在についてです、先生は真剣なお顔で加藤さんに尋ねました。本当に絶滅したと思われる動物について尋ねる様に。
「そうした方は」
「ですから絶滅しているかもとです」
「仰るのですね」
「私も実は見たことがありません」
 大和撫子、それはというのです。
「全く」
「左様ですか」
「おばさんはいます」 
 こちらの人はというのです。 
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