転生とらぶる
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マクロスF
0711話
「銀河の妖精、故郷の為に銃を取る……ねぇ」
シェリルに渡された企画書を見ながら溜息と共に呟く。
「ま、この前の番組でもギャラクシー船団の為に自分が出来る事は何でもやる、みたいな感じで言ってたからな。それを本当にしたいんだろうさ」
小さく肩を竦めるミハエルだったが、その視線の先には射撃訓練場で銃を構えているシェリルの姿がある。そして、他にもそれを撮影しているTVクルーの姿が。
「いいね、いいね。もっとこう……スタイリッシュな感じで銃を構えてみようか」
……スタイリッシュな銃の構え方って何だよ。
銃を撃つのに慣れているならともかく、シェリルは初心者だろ? 普通に両手で構えて標的を狙った方がいいと思うが……
まぁ、本気でシェリルが銃を撃つ訳じゃ無いんだし、画面映えすればそれでいいんだろうけど。
そんな風に思っていると、オズマが射撃訓練場に顔を出す。
「アクセル、ここにいたのか。悪いがちょっと一緒に来てくれ」
「それは構わないが……どこに行くんだ?」
「大統領府ビルだ」
間髪入れずにそう告げてきたオズマだが……
「何で一般隊員の俺がそんな場所に行く必要が? まさか護衛でもないだろ」
そもそもオズマ自身がそれなりに腕は立つんだから、護衛の必要性は感じられない。少なくてもこの世界の軍人が相手ならどうとでもなるくらいの実力はあるのだから。
だが、オズマにしても自分の事だからそんなのは承知の上なのだろう。他の者に聞かせたくないのか、俺の近くに来て小声で囁く。
「お前、確か以前大統領の補佐官が気になるって言ってただろ。幸い今日俺が呼ばれている会議にはそいつも出るし、当然大統領も出席する。自分の目で見ておくのも悪くないだろ?」
「……なるほど」
確かにあのキノコを直接確認しておきたいというのはあるし、大統領がどのような人物なのかを画像越しではなく直接この目で見てみたい。そう考えると、オズマの提案は決して悪いものではなかった。
だが……
「何で急に? そこまで俺に気を使う必要は無いだろ?」
銃を撃って、的に当たって得意気に笑みを浮かべているシェリルを見ながらオズマへと尋ねる。
にしても的のど真ん中って訳じゃ無いが、それでも初めての射撃で当たるってのは凄いな。これがインプラント処理をしているとかならまだ分かるんだが、シェリルはその類の手術は一切受けていないらしいし。
「一応お前は国の代表でもあるんだろ? なら、その辺を見て貰おうと思ってな」
「……なるほど」
国の代表とは言っても、別に政治とかをやっている訳じゃ無いんだが……まぁ、それでも大統領やキノコを直に見る事が出来るのは俺としても嬉しい限りだ。なら迷う事は無い。
「分かった。大統領府に向かうのは今すぐか?」
「そうだな、後30分程だ。ならお前はこっちに合流するって事で構わないな?」
オズマは俺が頷いたのを確認すると、次にミハエル達の方へと視線を向ける。
「お前達は1時間後に出撃だ。目的はパトロールだが、いつバジュラと遭遇してもおかしくはない。問題無いな?」
「はい、分かりました。……って、ちょっとミシェル先輩! オズマ隊長が呼んでますよ!」
いつの間にかシェリルを眺めていたグレイスの方へと近づき声を掛けているミハエルに、慌てたように声を掛けるルカ。
……正直に言えば、あのキノコよりもこっちの方が色々な意味で危険に思えるんだけどな。ま、さすがにS.M.Sの内部で何かが出来る訳でも無いだろう。S.M.Sにしても、シェリル達のような部外者を社内に招き入れている以上は相応の対処をしているだろうし。
そう判断し、笑みを浮かべてグレイスに向かって話し掛けているミハエルを目にして思わず溜息を吐く。
ま、ああもミハエルに話し掛けられていては、何か行動を起こそうにも難しいだろうしな。
ミハエルをその場に残し、俺は出掛ける準備をするべく自分の部屋に戻るのだった。
「オズマ少佐。何故今回の件に彼のような一介のパイロットを連れていくのですか?」
大統領府へと向かっている車の中で、キャサリンの不機嫌そうな声が響く。
大きく髑髏のペイントをされた車で、運転席にはオズマの姿が。
スカル小隊の小隊長が運転手をやるってのはどうなんだろうな? まぁ、自分の車を他の者に触らせたくないとか思っているのかもしれないけど。
にしても、キャサリンの俺に対する印象は悪いな。いやまぁ、これまでの経験を思えば無理も無い事なんだが。
「アクセルは艦長の護衛も兼ねているんでな」
「艦長の? ですが、護衛というにはちょっと無理があると思いますけど」
どこか胡散臭そうな目で俺に視線を向けて来るキャサリンだったが、そこにオズマが苦笑を浮かべながら口を開く。
「こう見えても、こいつの実力は折り紙付きだ。それこそ、生身での戦いでは俺が手も足も出ない程度にはな」
「嘘でしょっ!?」
余程に意外だったのだろう。あるいは、元恋人だけあってオズマの実力を理解しているからこそか。つい数秒前の胡散臭そうな視線から一転、理解出来ないようなものを見る視線を向けられる。
「ま、こう見えてもそれなりに腕利きであるというのは自覚しているからな」
「……オズマに勝てるんなら腕利きどころの話じゃないと思うけど」
「言っておくが、アクセルに負けると言ってもそれはあくまでも生身での戦いに限定してだ。VFの操縦に関してはまだ負ける気はないぞ」
「ふんっ、そのうちVFに関しても追い抜いてやるよ」
「もしそうなったら、新しい小隊を作る必要があるかもしれんな」
これまで黙って俺達の話を聞いていたジェフリーが、ポツリと呟く。だが、俺としては新しい小隊というのはあまり歓迎したくない。腕利きだとは言っも所詮小隊員でしかない現状と比べると、小隊長になれば嫌でも目立つ羽目になるのは間違い無い。
……いや、シェリルと一緒にTVに出ている時点で目立つというのは避けられないか。軍の方に関してもバジュラ艦に突入したというので名前が知られてはいるだろうし。
そうなると当然俺の経歴を調べる奴も出て来るんだろうが……その辺に関してはオズマ達を信頼するしかないだろうな。
「さて、着いたぞ。今日の会議に関してはバジュラ関係だとしか聞いていないが、具体的にどんな話なのかそっちは聞いてるか?」
大統領府の地下駐車場へと車を止め、オズマが告げる。
バジュラ関係か。確かに今のフロンティア船団で最重要なのはバジュラ関係で間違いは無いしな。にしても……
「アルトに対しての報告はどうなった?」
「あれか。……悪いが、信憑性が薄いと判断されたらしい」
オズマの顔に苦々しい表情が浮かぶ。自分の妹もその場にいたんだから、やはり気になっていたのだろう。それが簡単に却下されて不満がある訳か。
「当然でしょう。バジュラが何故早乙女准尉を狙うのです? 一応貴方からの報告書を見て早乙女准尉を詳細に調べましたが、何の異常もありませんでした」
「だが、俺達の技術で見つけられない何かがある可能性もあると思うが?」
俺の言葉を聞きながら車から降り、エレベーターのスイッチを押してからキャサリンは再び口を開く。
「確かにその可能性は否定出来ません。ですが、それは同時に早乙女准尉に対して異常があったとしてもどうしようも無いと判断せざるを得ないでしょう。……それに、これまで幾度かバジュラとの戦闘を繰り返してきましたが、貴方の報告書にあったように早乙女准尉に対して執着するような様子はありませんでしたが?」
上の階に到着したエレベーターの扉が開き……
「やあ、キャシー。今日は急に呼び出して済まなかったね」
まるで待ち構えていたかのようにキノコが姿を現した。
いや、実際に俺達が来たのを見計らっていたのだろう。
「レ、レオン……ええ、バジュラに関する事だと言うし、問題は無いわ」
「そうか、そう言って貰えると助かる。ジェフリー艦長とオズマ少佐も無理を言って済まなかったね。……ん? おや、君は確か」
チラリとその視線が俺へと向けられる。
一見すると特にこれと言ったマイナスの要素は感じられない視線。だが、巧妙に隠されたその視線の奥には、間違い無く俺に対して不審そうな色が浮かんでいるのを感じられる。
だが、不審? ……俺の経歴か何かを調べて違和感でも持ったのか?
「あ、彼はアクセル少尉よ。ほら、バジュラ艦に突入した」
「……ああ、そうだったね。シェリル・ノームと共にTVに出演していたのは見させて貰ったよ。いや、君のおかげでフロンティア船団のシェリル・ノームに対する好感度も上がっているんだ。感謝してもしたりないよ。おっと、挨拶が遅れたね。私はレオン・三島。大統領の首席補佐官を務めさせて貰っている」
そう告げ、手を差し出してくるレオン。
さすがに少尉の身でスポンサーとも言える相手からからの握手を拒む訳にもいかずに、そっと手を握り返す。
「アクセル・アルマー少尉だ」
「……なるほど、聞いた通りの性格のようだね。私は言葉使い云々と細かい事は言わないが、人によっては不愉快に感じる者もいるから気を付けた方がいい」
今一瞬、こっちを侮蔑するような色が浮かんだな。立場にあった言葉使いが出来ていないといったところか。……この辺であっさりと仮面が剥がれるんだから、正直どうかと思うが。
「おや、三島君。こんな所でどうしたんだね? ……キャシー?」
「お父……大統領閣下」
お互いがお互いを内心で見定めようとしていると、突然そんな声が聞こえて来る。
レオンから手を離して声のした方へと視線を向けると、そこにいたのは初老の男だった。褐色の肌をして髪は白髪に近い色をしている男、ハワード・グラス。このフロンティア船団の大統領だ。
政治家としては凄腕や一流と言えるようなものではなく、どちらかと言えば改革派と保守派の間を取り持つ中道派として有名な人物だ。
まぁ、政治家一門の当主という事で、大統領を過不足無く勤め上げるだけの能力はあるのだろうが……それでも、緊急事態に近いこの状況では若干の力不足だと捉えられているらしい。
とは言っても、シャドウミラーの代表としてはいずれ交流を持つかもしれない相手が切れすぎるというのはあまり嬉しくはない。それを思うと嘆く必要は無いんだろうけどな。
ちなみに能力的にはいまいちであっても、その温和な人柄と過不足無く政治を行っている為に市民からの人気に関しては非常に高いらしい。噂では支持率70%前後を常にキープしてるとかなんとか。
平時であれば文句無く最高の大統領と言えたんだろうけどな。
「おや、君は……」
そんな中、俺に視線を止めて尋ねてくるハワード。まぁ、フロンティア船団のこれからに関する会議をするだろう時に俺のような見知らぬ存在がいれば疑問に思うのも当然か。
「私の護衛でしてな。アクセル・アルマー少尉です」
俺が何かを言う前に、ジェフリーがそう告げる。口の利き方を知らないと思ったのか? いやまぁ、キノコ相手のやり取りを見ていればそう思われても不思議はないんだが。
「そうか。さて、とにかくそろそろ時間だ。会議室に向かおう」
ハワードの言葉に従い、それぞれが会議室へと向かって行く。
俺は護衛として来たので当然会議に参加する資格がある訳も無く、大人しく控え室に向かう。
控え室にはキノコやハワードの護衛としてきたのだろう、黒服のSP達がかなりの人数おり、微妙にやりにくかったのは内緒だ。
その後、1時間程して会議が終了し、S.M.Sはバジュラの巣があるとフロンティア船団の研究者が予想している宙域の探索を行う事になる。
尚、俺達が大統領府にいる間に行われたパトロールで、赤バジュラと遭遇してミハエルがアルトを誤射――正確に表現すると頭を掠めただけなので誤射寸前――するといった出来事があり、更にはそれが原因で殴り合いになってアルトが一方的にボコボコにされたらしく、顔中をガーゼやら何やらで覆った姿を見る事になる。
……明日にはバジュラの巣を探す為に出撃しなきゃいけないんだが……こんな状態で本当に大丈夫なのか?
思わず内心でそんな不安を抱きつつ、ベッドで横になるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:660
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:641
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