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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第三十話





 うん、ヤナギのは明言やから保存しとかないとな。

 保存、保存。

「さて、ゴールド達はと………」

 俺はゴールド達を見ると、ゴールドは苦しい中、何とか手を伸ばして二枚の羽を取ろうと必死になっていた。

「ゴメンよシルバー」

 手を伸ばして羽を取ろうとするゴールドがシルバーに謝る。

「今、言っとかねーとな……何せもう二度とお天道さん……拝め……ねぇかもしれ…ね…ぇ……」

「何故此処まで……お前が此処までして戦う必要が何処にあるんだ?俺の……ためか?」

 ゴールドの言葉にシルバーが言う。

「バカ言うなよ、誰がおめーなんかのためにするかよ……」

「何?」

「………ずっと考えてたぜ。『何のために戦うのか』ってな。誰かのためとか、何かのためとか俺にはどうも恥ずかしくて言えねぇよ。俺の戦いは自分のため……俺自身の戦いだぜ……」

 ゴールドは二人にそう言う。

「まぁ、俺が俺のために起こした自分勝手な行動でも………最後に誰かの役に立つ………っていうなら悪かねぇな」

 その言葉と共にゴールドは二枚の羽を取った。

「くあァッ!!漸く生き返った気分だぜ」

 ゴールドは苦笑しながら、二人に二枚の羽を渡した。

「………シルバー、クリス。おめぇらと出会ってから、色んなとこ行って色んな奴等見て、一杯戦って面白かったぜ。スッゲー面白かったぜッ!!ありがとなッ!!」

 ゴールドはそう言うと思いっきりジャンプをしてヤナギの後を追った。

「ゴールドッ!!」

「ゴールドオォォォッ!!」

 シルバーとクリスが叫んだ。

 ………そろそろ行くか。

「シルバーにクリスッ!!大丈夫かッ!!」

「ショウさんッ!!どうやって此処まで………」

 思わぬ俺の登場に二人は驚く。

「ルギアとホウオウが飛び去った後に二枚の羽を見つけたんや。それでお前らを追いかけてきたんや」

 ほんまは既に後ろの方におったけどな。

「ゴールドの事は俺に任せておけ。必ず助けてやるからな。行くぞピジョットッ!!」

「ピジョーーーッ!!」

 俺とピジョットはゴールドの後を追いかけた。

「ヤナギィッ!!そのポケモンを放しやがれェッ!!」

 ………案外、すぐ近くにゴールド達はいたわ。

「てめぇみてぇな悪党に言い様に使われちゃあ可哀想だぜッ!!」

 ゴールドがヤナギの氷の身体の脚にしがみつく。

「何とでも言えッ!!お前などに分かってたまるなッ!!」

 ヤナギはゴールドを振り落とした。

「ヒョウガのタマゴを孵した時の私の気持ちがッ!!ラ・プリスとラ・プルスを失い、たった一匹生まれてきたヒョウガをこの手に抱いた時の気持ちがッ!!」

「………分かるぜヤナギ」

「何ッ!?」

「オーキドのジジイも言っていたからな。俺も孵す者だッ!!」

 その時、ゴールドのバックからピチューが出てゴールドの頭に乗った。

「行くぜェッ!!」

バチチチチチッ!!

 ゴールドの言葉と共にピチューが電撃を出してヤナギの下へ加速する。

「くッ!?ウリムー”ふぶき”だッ!!」

 ヤナギの膝に座っていたウリムーが”ふぶき”を吐き出した。

「ちぃ”電気ショック”だッ!!」

 ウリムーとピチューの技が激突するが、ゴールドは俺の方向へ弾き飛ばされてきた。

「よっと、大丈夫かゴールド?」

「ショ、ショウ先輩ッ!?」

「俺が後ろにおるから存分に戦ってこい」

「は、はいッ!!なら行っくぜェッ!!」

 ゴールドは再びヤナギの下へ向かう。

「ウオオォォリャアァァァァァーーーッ!!!」

 ゴールドはビリヤードのキューをヤナギの氷の身体の左肩付近に突き刺した。

「くらえよ(スーパー)ライジングサンダーッ!!!」

「いや何やねんそれは………」

 俺はそう呟く。

 まぁ電撃は見事にヤナギの後方に命中した。

「イイぜッ!!名前もまだねぇ俺のちっちゃな相棒ッ!!ライコウから電気エネルギーをたっぷりもらっただけあるぜッ!!」

 ゴールドはピチューを見ながら笑う。

「てめぇの氷の身体に刺さったキューに目掛けたこの一撃で、氷の盾ごとぶっ飛びやがれェーーーッ!!」

「ッ!?しまったさっきのかッ!!」

 キューを見たヤナギが叫ぶ。

「そのキューは電気エネルギーの落ちる先………避雷針だッ!!氷の盾だろうが何だろうが関係ねぇぜッ!!」

バキャアァンッ!!

 電撃は見事に命中したな。

「ん?」

 その時、後方から炎や水やらのエネルギーが飛来した。

「シルバー、クリス、先輩達の援護射撃だッ!!」

ズガアアァァァンッ!!

 レッド達からの援護射撃は全弾がヤナギの氷の身体に命中して、ヤナギが作った氷の身体はバラバラに砕け散った。






 
 

 
後書き
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