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ハイスクールD×D 力ある者

作者:遠山 龍介
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旧校舎のディアボロス
  イッセーの初デートプラン

「ご馳走さまでした」

俺は夕飯を食べ終わり、くつろごうと思いソファーに腰を下ろす。

「……兄さん、ちょっと話があるんだけど」

イッセーが、俺の耳元で周りに聞き取られないようにこっそりと言う。

「……なんだ?」

「部屋で……話しがたい」

「……わかった」

俺はイッセーの部屋へ移動し、イッセーに気づかれないように(気づかないだろうけど)部屋に防音の結界を張った。

「話とはなんだ?」

声が漏れることがないので、普通のボリュームで話す。

「さっきの…夕麻ちゃんのことだけど…俺、今度の休みにデートしようかなって思うんだ……」

…あぁ~、結局そうなったっわけね。

「俺に訊いても、言うことは何もないぞ?」

「へっ?兄さんは……誰かと付き合ったことないの?」

…予想外の返答だったか?

「あぁ、付き合ったことは無いな。まぁ、黒歌あたりに訊けば……いいんじゃないか?」

「えっ!でも、それだと…その……白音ちゃんに聞かれたら、何か悪いなぁと思って……」

「…そうだったな。白音はおまえに少なからず好意を持っている。…学校で聞いてた話からの推測だが」

…本当を言うと、白音とイッセーが出会ってからだな。

「えっ?!いつからあそこにいたの?」

「はじめからだ」

「マジ?」

「それは俺がフォローを入れておくとして、本題は『デートコースについて』だろ?」

「そうなんだよね。俺、初めてだから……何もわからなくって」

「…わかった。おまえはおまえなりに考えておけ。黒歌には俺が訊いておく」

「ありがとう、兄さん。…その、帰ってきて早々にゴメン。俺…情けないよな…」

「別に気にすることはない。それは誰でも一度は経験する道だ。…イッセー、頑張れよ」

「……ありがとう、兄さん」

「頑張れ、義 弟(おとうと)よ……」

俺は気づかれないように結界を解いて部屋を出る。

出てすぐのところに、黒歌が聞き耳を立てていた。

「聞こえたか?」

「……あんまり聞き取れなかったにゃ。龍介がどんどん遠い存在になっていくのにゃ」

「そう悲観するな。俺の張った結界を、少しでも破ったのはすごいと思うぞ」

「……ありがと」

「ところで、相談なんだが……ここじゃ…話づらいな。黒歌の部屋でいいか?」

「はにゃっ!いきなり私の部屋に!ちょっと待ってて!!すぐに片付けてくるからぁぁぁ!!!」

ドタドタ――バンッ!

言うが早い。自室に飛び込むように入っていった。

――五分後。

……ガチャ。

「…龍介、入っていいわよ」

「意外と早かったな」

俺は部屋に入ると、即防音結界を張る。

「……話ってにゃにかな?」

「おまえ、噛んだのかよくわからないしゃべり方するよな。まぁ、それはだな…」

今日、イッセーが公園で告白を受けて付き合うことになったこと。今度の休みにデートに行くこと。そして――、

「……その娘は堕天使だ。たぶん、イッセーの(セイクリッ)(ド・ギア)を狙っていると思う」

「…っ!!」

驚く黒歌。仙術で探れば一発でわかるだろうに。

「堕天使うんぬんは置いておいて、デートプラン考えてくれるか?」

「……別にかまわないけど、イッセーはだいじょうぶなの?」

「あぁ。そのために俺と黒歌が尾行する。まぁ、変装&疑似デートだ。気配も隠せば、バレることはないだろう」

「そうね。もし、イッセーを殺そうとしたら、私たちが返り討ちにすればいいのね」

「そゆこと。早々ないとは思うが、もしものために尾行する……頼んだぞ、黒歌。相手の気をイッセーへ夢中にできるプランを立ててやれ。確証はないが、そうすれば、躊躇する可能性も出てくるだろうからな」

「OKよ。最高のデートにしてやるにゃ!」

…ありがとうな、黒歌。

「任せたぞ。俺も『もしも』の為に、準備しておく」

そう言い残して、俺は結界を消して部屋を出た。

あとは、イッセーに言っておくだけか。
 
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