FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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第190話 幕開け
前書き
紺碧の海で~す♪
今回はいよいよ!大魔闘演舞最終戦の開幕です!強者揃いの大反乱、果たして、優勝するのはどのギルドかーーーっ!?
ナレーション風に書いていきます。
それでは、第190話・・・スタート♪
暁が過ぎ、東から太陽が顔を出す。鳥のさえずりが聞こえ、夜が明けた。
今日は7月6日、大魔闘演舞最終日。
ドムス・フラウでは、色とりどりの花火が空に打ち上げられ、雲一つ無い朝の青空を華々しく彩った。
チャ「さぁいよいよ!いよいよこの日がやって参りましたっ!年に一度の若き魔道士達の熱き祭典、大魔闘演舞最終日---ッ!!」
チャパティ・ローラの実況が興奮と歓喜に包まれた観客席を更に盛り上がらせる。
チャ「泣いても笑っても、もう後戻りは出来ない!今日、フィオーレ一の魔道士ギルドが決まりますっ!実況はお馴染み、私チャパティ・ローラと、解説には元評議員のヤジマさん。」
ヤ「よろスく。」
チャ「そしてスペシャルゲストにはなぁーんと何とっ!大魔闘演舞公式マスコットキャラクター、マトー君にお越し頂いておりますっ!」
マト「カボー。」
マトー君が白い手袋をした右手で手を振る。
チャ「マトー君、今日はお仕事よろしいのですか?」
マト「今日は大丈夫なんだカボ。皆応援してるカボー。」
チャパティ・ローラ達がいる実況席も、最終日だからなのか色とりどりの花で飾られている。
チャ「さぁ、そろそろ出場チームが入場して来ますっ!」
石造りの会場の出入り口にぼんやりと黒い人影が映る。チャパティ・ローラが実況したのと同時に、黒い人影が姿を現した。
チャ「現在10位!地獄の底から大大大逆転となるかっ!?四つ首の猟犬!」
出入り口の前に茶色い四つ首の猟犬のギルドマークが浮かび上がったかと思うと、ギルドマークがパリィン!と硝子のように音を立てて酔いの鷹、バッカスが殴り、「ワイルドォ・・・フォーーーッ!!」とメンバー全員で叫びながら大歓声を浴びる。
因みに涙魔法を使うウォークライは出場していないみたいだ。
チャ「続いて現在9位!初出場にて、優勝の涙を流す事が出来るのかっ!?月の涙!」
空中に黄色い月の涙のギルドマークが浮かび上がったのと同時に、通称「7つ道具」である7本の杖を背負ったセインを先頭に大歓声を浴びる。
チャ「続いて現在7位!優勝の可憐な花を開花させる事が出来るかっ!?幸福の花!」
出入り口の前に桃色の幸福の花のギルドマークが浮かび上がり、メンバーが姿を現したのと同時にギルドマークが色とりどりの花弁となって舞い散った。
ナデシコを先頭に、口元に小さな微笑みを浮かべた美少女達がその容姿には似合わない大歓声を浴びる。
チャ「同じく7位!その青い翼で優勝までひとっ飛びなるかっ!?青い天馬!」
小さな花火と共に青い青い天馬のギルドマークが空中に浮かび上がり、妙なポーズを決めた一夜を先頭に、大歓声と女性達の甲高い声援を浴びる。
因みに機械を使うキルロは出場していないみたいだ。
チャ「現在6位!大空の向こうに待っているのは優勝カップかっ!?気楽な禿鷹!」
リートを先頭に、5~6羽の純白の羽を持つ鳥達と共に大歓声を浴びる。
一番後ろを歩いていたヒリアが指をパチン!と鳴らすと、鳥達はその音と共に飛び去り、空中に緑色の気楽な禿鷹のギルドマークが浮かび上がった。
チャ「現在5位!純白のマントとベールは優勝の証となるのかっ!?白い柳!」
水の滅神魔道士であるウララを先頭に、純白のマントとベールを風でなびかせながら大歓声を浴びる。
チルチルがカーキ色のオーバーオールの胸ポケットから折り畳まれた紫色の布を取り出すと、布が宙で広がるように放り投げた。広がった布には、白い糸で白い柳のギルドマークが縫い付けられていた。
チャ「現在4位!海の底に沈む優勝カップを手にする事が出来るのかっ!?海中の洞穴!」
風の滅竜魔道士であるバロンを先頭に大歓声を浴びる。
一番後ろを歩いていた似てない双子の姉妹、アニーとアリーが光銃と闇銃を発砲し、水色の海中の洞穴のギルドマークを空中に浮かび上がらせる。
チャ「現在3位!その冷静さと判断力は今年こそ、優勝の糧になるかっ!?蛇姫の鱗!」
零帝の異名を名乗るリオンを先頭に大歓声を浴びる。
リオンは薄緑色をした氷で蛇姫の鱗のギルドマークを造形し、隣にいたトビーが電気を帯びた長い爪で氷のギルドマークを砕き、ダイヤモンドダストのように空中でキラキラ光り輝いた。
チャ「そして現在2位!夜空を埋め尽くす広大な銀河の行く先は優勝と、フィオーレ一のギルドかっ!?銀河の旋律!」
空中に銀色の絵の具で描かれた銀河の旋律のギルドマークと共に銀河の旋律のメンバーが姿を現す。
姿を現した銀河の旋律のメンバーを見て、会場がざわつき始めた。
チャ「あぁっと!銀河の旋律はメンバーを入れ替えてきたぞーーーーーっ!」
キース、カオリ、レヴル、ルチーア、アンナの5人が集う。
ヤ「初日のメンバーに戻ったんだねぇ。」
マト「コグレとナナヨはどうしたんだカボー?」
ヤジマが銀河の旋律のメンバーを見て呟き、マトー君が首を傾げた。
観1「何だー、あの強い奴等いねェのか。」
観2「俺あの2人と妖精の尻尾のバトルが見たかったんだけどなー。」
観3「でも昨日のバトルであの2人、何か体から変な物出てなかった?」
観4「そうそう!血じゃなくて茶色っぽい液体とか。」
観5「まさか、アイツ等人間じゃなくてロボットなんじゃねェか?」
観6「それで昨日のバトルで故障しちまって、修理中か破壊しちまったんじゃね?」
観7「まっさかー。」
とある観客達がそんな会話をしていた。
本気で言ってる訳ではないが、話の内容は事実と大体似ている。
ア「ね、ねぇ・・やっぱり不思議がられてるよ。」
ルチ「やっぱり、僕とアンナは出ない方が良かったんじゃ・・・」
コグレとナナヨと入れ替わったルチーアとアンナが身を隠すようにカオリとキースの後ろに隠れる。
カ「大丈夫、ルチーアとアンナが身を引く必要なんてないわよ。」
レ「うん。」
カオリが2人を励まし、同意するようにレヴルも頷いた。
キ「それに昨日、帰る直前に妖精の尻尾の最強チームの皆さんに言われただろ?」
ア『あ、もうこんな時間!』
キ『それじゃあ俺達、そろそろ帰ります。』
レ『明日、最終日で。』
くるりと背を向けて、森の小川を出ようとすると、
ナ『おーい待てよ。』
ナツに呼び止められキース達は振向いた。
ウェ『最終日、銀河の旋律は誰が出場するんですか?』
シャ『コグレとナナヨは、もういないからね。』
ウェンディとシャルルの問いに、キース達は一度顔を見合わせると、
カ『またルチーアとアンナに出てもらおうと思っています。』
ルチ『これでも最初は正式に出場していたからね。』
カオリとルチーアが答えた。
ア『・・・・・』
ユ『アンナ、どうしたの?』
カオリの隣で暗い顔をしているアンナに気づいたユモが、アンナの顔を覗き込んで首を傾げた。
ア『・・私とルチーアが出場して、変に、思われないかな・・って・・・』
戦力で比べると圧倒的にコグレとナナヨの方が強い。だが、そのコグレとナナヨはもういない。最終日に限ってその2人が出場せずに他のメンバーに入れ替えたら不審に思われるとアンナは思ったのだろう。
ルチ『それならいっそ、別のメンバーに入れ替えれば良いだけだよ。』
キ『でも、他のメンバーはまだ魔法を使うのが初心者なんだぞ。』
レ『俺達5人しか、まともに使えない。』
キース達が頭を悩ませる中、呑気な声がキース達の頭を冷やした。
マ『そんな事、気にする必要ないじゃん。』
マヤが腰に手を当ててため息と共に言う。
ト『コグレさんとナナヨさんがアンドロイドだって事と、爆破されちゃった事を知ってるのは皆さんと妖精の尻尾だけですから、きっと大丈夫ですよ。』
フ『まぁ、体から機械油とかが出てる事には気づかれたかもしれねェけど。』
ハ『それだけで「アイツ等はアンドロイドだーっ!」とは思われないと思うよ。』
マヤに続いてトーヤ、フレイ、ハッピーが答える。
ショ『それに、強かったコグレとナナヨを、魔法を使うのがまだ初心者の人達に入れ替えると、余計に変に思われるんじゃないか?』
グ『それなら、アイツ等と入れ替わったルチーアとアンナが出場した方が良いと思うぜ。』
ショールとグレイの言葉に、ルチーアとアンナは顔を見合わせた。
リョ『心配すんな。コグレとナナヨがアンドロイドだったって事も、爆破されたって事も、誰にも他言しねェって約束する。』
エ『妖精の尻尾の魔道士は、約束を破る事は絶対にしない。』
ル『キース達は明日、正々堂々としてればそれで良いのよ。ね?』
リョウ、エルザ、ルーシィの順に笑いかけながら言う。
ナ『それにさっきも言ったじゃねーか。』
ずっと頭の後ろで手を組んでいたナツが歩み寄りキースの前に立つと、吊り目の目を猫のように細くして笑うと、
ナ『俺達は敵じゃねぇ、ライバルなんだ。ライバルなら正々堂々とかかって来いよっ!』
キ「妖精の尻尾の最強チームの皆さんの言葉を信じて、正々堂々としてればいいんだ。今の俺達に出来る事は、それだけだ。」
緑色の瞳に鋭い光を宿らせたキースの言葉に、カオリとレヴルはもちろん、弱音を吐いていたルチーアとアンナも力強く頷いた。
チャ「そして現在1位!現最強ギルドであり、2年連続優勝を手にする事が出来るのかっ!?妖精の尻尾、入場ーーーーーッ!!」
出入り口の前に、赤い妖精の尻尾のギルドマークが浮かび上がると、ギルドマークが灼熱の炎に包まれ焼き消え、ナツを先頭にエルザ、リョウ、グレイ、ユモと続いて妖精の尻尾のメンバーが姿を現した。
観全「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
大大大歓声が会場を包み込む。
レビ「ユモー!頑張ってーっ!」
マカオ&ワ「エルザーーー!いけーーーーーっ!!」
エル「リョウ!漢なら怪我なんか気にすんじゃねェぞォ!」
ウォ「ぶちかましてやれっ!グレーーーイ!」
ロ「ナツ兄!頑張れーーーっ!」
応援席から声援が飛ぶ、飛ぶ、飛び回る。
ショ「ここから改めて見ると、本当にすごいチームだな。」
ト「負ける姿が想像出来ないのは、僕だけですか?」
ウェ「私も全く、想像出来ませんよ。」
ショールが呟き、トーヤの問いにウェンディが同意する。
フ「勝つか負けるか、進む道は2つだけ・・・か。」
鳥の姿になっているフレイがマヤの頭の上で独り言のように呟く。その呟きが聞こえたのか、マヤが目を上に向けて、
マ「あの5人が行く道は、勝つ道に決まってるじゃん!」
自信満々の笑みを浮かべて言った。
ル「皆、「勝つ」って言葉しか頭にないと思うなぁ。」
ルーシィがどこか楽しげに呟いた。
ナ&リョ&ユ「ふぇ~~~~~。」
一方その頃、会場にいるナツ、リョウ、ユモは目を丸くしていた。
ナ&リョ「す・・すげー、な。」
ユ「もう「イベント」って騒ぎじゃなくなってる気が・・・」
グ「去年もこんな感じだったよな?」
エ「あぁ。もっと盛って言うと、去年よりすごいと私は思うがな。」
ナツとリョウとユモの正直な感想を聞いて、グレイとエルザが口を開く。エルザは高い位置で束ねたお団子とポニーテールを合わせた緋色の髪を揺らしながら会場を見回す。
バフッ!と炎を纏った拳を掌にぶつけナツがニィッと口角を上げて笑った。
ナ「燃えてきたぞ。」
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ドムス・フラウの地下深く。
銀色の台座に置かれた黒い大砲。黒い大砲の中央部に書かれている赤い術式は休まずに刻々と時を刻み続けていた。
『『極悪十祭』まで、残り2日 50時間28分31秒』
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チャ「己が武を、魔を、そして仲間との絆を示せ。これより!大魔闘演舞最終日、チーム全員参加のサバイバルゲーム、“大魔闘演舞”を開始致しますっ!」
チャパティ・ローラの実況と共に、巨大な花火が1つ打ち上げられた。
チャ「バトルフィールドとなるのは何と、クロッカスの街全域です。各ギルドのメンバー達はすでに街中に分散して待機しています。」
会場に6つの映像魔水晶の映像が映し出され、映像にはクロッカスの街中にいる各ギルドのメンバー達が映っていた。
チャ「街中を駆け巡り、敵ギルドのメンバーと出会ったら戦闘となります。相手を気絶、もしくは戦闘不能にすると、そのギルドに直接1ポイント加算されます。また、各ギルドにはリーダーと副リーダーを設定してもらいます。他のギルドには誰がリーダーなのか副リーダーなのか分かりません。リーダーを倒せば5ポイント、副リーダーを倒せば3ポイント加算されます。」
マカ「リーダーと・・・副リーダーじゃと!?」
メ「昨年にはなかった設定ですね。」
マスターが驚嘆の声を上げ、その隣でメイビスは至って冷静に呟いた。
ト「妖精の尻尾は誰がリーダーになるんでしょうかね?」
シャ「やっぱりエルザじゃない?」
フ「リョウとユモの可能性もあるぜ。」
ハ「以外にもナツかグレイだったりして。」
シャ&フ「それはないっ!!」
ハッピーの言葉にシャルルとフレイが全力で否定した。
チャ「最多ポイントの理論値は何と、99ポイント!どのギルドにも優勝の可能性は十分にあります。」
ル「高ッ!」
理論値を聞いてルーシィが驚嘆の声を上げた(計算したらこうなったんですよ by紺碧の海)。
チャ「このサバイバルゲーム、チーム一丸となって動くか分散するかで戦略が分かれるところですが、ヤジマさんはどう思いますか?」
ヤ「そうだねぇ・・1人1人の戦力が高いチームは、分散スた方が有利かもスれないねぇ。」
チャ「なるほどぉ。マトー君は?」
マト「1人1人のバトルも見たいけど、2人1組や3人1組でも面白そうカボ~♪」
チャ「なるほどぉ。そこに注目しながら見るのも面白いかもしれませんね。それでは間も無く、大魔闘演舞開始ですっ!」
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一方、クロッカスの街中にいるチーム妖精の尻尾は・・・
グ「そろそろだな。」
グレイが会場の方を見上げて呟いた。
リョ「俺達は今首位にいるけど、2位の銀河の旋律とはたったの2ポイント差だ。」
エ「2人か3人、もしくは副リーダーを倒せばあっという間に逆転されるな。」
ユ「でも、皆優勝を譲る気は一切無い。でしょ?」
指を折りながら言うリョウに続いてエルザも呟く。
ユモの言葉には全員無言で首を縦に振った。
ナ「別に良いんじゃねェか。追いつかれて抜かれて、また追いついて抜いて―――優勝するまでの楽しみが増えるじゃねーかっ!カーカッカッカッカァ!」
高らかに笑うナツを見て、グレイとリョウは肩を竦め、エルザとユモは顔を見合わる。が、全員笑みを浮かべていたのは確かだった。
エ「だが、目的はただ1つ。」
エルザが目付きを鋭くし、
グ「俺たちだけじゃなくて、ギルドの目的だ。」
グレイが握り締めた右手の拳を右胸に刻まれた紺色の紋章にぶつけ、
リョ「優勝、だろ?」
ユ「もちろん。」
リョウが問い掛けるような口調で言い、ユモが力強く頷きながら答え、
ナ「面しれェ、やってやろーじゃねーか。今年も優勝するのは、俺達妖精の尻尾だっ!」
ナツが口角を上げて笑ったのと同時に、会場の方からチャパティ・ローラの実況が聞こえた。
チャ「栄光なる魔の頂を手にするのは、勝利の女神が微笑むのはどのギルドかっ!大魔闘演舞・・・開始ィ!!」
チャパティ・ローラの実況と共に、像の上にいる男が通常より遥かに大きい銅鑼をゴォォォォォォォォォォン!!と街中にいる魔道士達にも聞こえるくらい力強く叩いた。
ナ「行くぞォ!」
グ&エ&リョ&ユ「オオッ!!」
円陣を組み、ナツの掛け声に続いて他の4人も声を上げた。
雲一つ無い青空が広がる7月6日、大魔闘演舞が幕を開けた―――――。
後書き
第190話終了~♪
遂に始まった大魔闘演舞!盛り上がってきましたよ~!
次回は次々に戦闘を繰り広げる中・・・ってあれれぇ!?妖精の尻尾、今年もまた動かない!?もちろんあの方が大活躍!
お楽しみに~♪
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