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居場所を奪われし少年は異世界を目指す。

作者:ATEMU!
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第4話「赤き竜の目覚め」

俺の神器を目覚めさせる為に訓練場まで来たのはいいが何故か幼馴染のフリーと戦うはめになってしまった。

「なんで俺がフリーと戦うことに?」

「神器は持ち主の思いに影響され進化を遂げるの。そのせいか持ち主が危険に遭うと目覚めるってパターンが多いんだ」

「そ、そうなのか……」

それはいいんだが……

「フリーのその格好はどうなんだ?」

「ふふっ♪ボクって元々は教会の戦士をしてたんだけどこれはその頃の戦闘服なんだ♪」

このもろに身体のラインが強調されてるボディースーツみたいのが教会の戦闘服なのか?
それでいいのか教会……

「それじゃあ……行くよ!」

「っ!?」

フリーは宣言と同時に一瞬で俺の目の前まで近づいてきてどこからか取り出したナイフを振り上げてくる。
って!ナイフなんてどこから出したんだよ!
どうにかギリギリでかわせたからいいけど危ねえよ!

「ちなみにフリードの神器は【聖具創造(ホーリー・クリエイション)】といって聖なる力を持った道具や武器を自由に創り出すことが出来る神器さ」

そ、そんなのありかよ!?

「ま、聖遺物クラスとか生き物までは作れないんだけどね?」

「そ、そういう問題じゃねえ!」

ていうか神器が発動する気配が全然感じられないんだけどどういうことだ?
って、ヤバッ!

ガキンッ!

「え?」

「ほー」

「へー」

「綺麗……」

ナイフが当たると思って目を瞑ったんだが何時まで経っても痛みが来ないので目を開けると俺の背中から白銀の綺麗な翼が2枚生えていてその翼がフリーのナイフを止めていた。
この翼が俺の神器なのか?

「どうやら無事に目覚めたみたいだね?それにしても……初めて見る神器だ」

どうやら俺の神器はかなり珍しいものらしく俺以外の3人は興味深そうに観察してる。
何か3人もの女子に注目されると恥ずかしいな……

「ドラゴンの翼……かな?アルビオンは知ってる?」

『ええ、その神器の名前は【赤き竜の紋章(レッド・エンブレム)】と言って2体のみ存在する龍神の1体【ケツァルコアトル】の化身たる6体の竜が宿る神器ね。ちなみに、その翼は6体の竜のうち1体のもので確か風と星を司る力を宿している筈よ』

「それって複数の能力があるってことだよね?しかも龍神に関係する神器だと神滅具クラスなの?」

『そういう認識で間違いないでしょうね。今迄所有者が極端に少なかった為に神滅具に数えられていないけど能力的には曹操の持つ【黄昏の聖槍】にも劣らないわ』

「?」

ヴァーリの背中に現れた機械のような白い翼が光ってそこから女の人の声が聞こえるんだが……
腹話術……じゃないよな?

『理解不能って感じね。自己紹介をさせてもらうと私はドラゴンなのよ。名前はアルビオン。白い竜とか白龍皇とか呼ばれてるわね』

「ど、ドラゴン?」

「アルビオンは私の神器【白龍皇の光翼】に封印されているドラゴンなんだ。一誠君のも強力なドラゴンが封印されているみたいだしお揃いだね?」

まだ完全には理解出来ないけど……凄いドラゴンが封印された珍しい神器ってことでいいのかな?

「そこまで難しく考える必要は無いんじゃないかな?ドラゴンの宿る強い神器ってだけでも理解出来ていれば今は十分だからね」

「お揃い……ヴァーリ、ボクと神器交換しない?ボクもいっちゃんとお揃いになりたい!」

「無理なこと言わないでよ!」

『フリード……貴女って人は……』

「アハハハ……」

こうやって誰かと騒ぐことなんて父さんが死んでいらい中々無かったから新鮮だな……

『兵藤君。その神器についてなんだけどいいかしら?』

「こいつに関して?別にいいけど……」

何かあるんだろうか?
やっぱり同じドラゴンだから色々知ってるってことか?

『その神器には6体の竜が宿っているってことはさっき話したけどどんなドラゴンが宿っていてどんな力を持っているかは教えてなかったから教えてあげるわ』

おお!それは助かるぜ!

「頼む!さすがに自分の神器について知らないのはどうかと思うから助かる」

『ちょっと長いけど一気に行くわね。まずは……』

アルビオンの説明を纏めると以下の通りだ。

神器【赤き竜の紋章】
形状は背中に現れる赤い竜の紋様で神器の中にはアステカ神話の龍神【ケツァルコアトル(別名、赤き竜)】の化身である6体の竜が封じられている。
能力は【封じられた6体の竜の身体の一部を具現化させての能力行使】と【とある邪神の封印】の2つ。
それぞれの竜の名前と能力は以下の通り。
【星竜スターダスト】:具現化する際には背中に1対2枚の白銀の翼として現れる。風と星を司る竜で能力は風と重力の操作と使用者の速度の上昇。
【魔竜レッドデーモンズ】:具現化する際には深紅の両籠手として現れる。炎と破壊を司る竜で能力は炎の操作と攻撃力の上昇。
【黒竜ブラックフェザー】:具現化する際には6対12枚の漆黒の翼として現れる。闇と呪いを司る竜で能力は闇の操作と呪いによる相手の弱体化。
【炎竜ブラックローズ】:具現化する際には赤い棘付きの銃剣として現れる。炎と植物を司る竜で能力は発火能力に炎の操作、植物の生成に植物の操作。
【生竜ライフストリーム】:具現化する際には金色の槍として現れる。水と生命を司る竜で能力は水の生成と操作、完全治癒などの生命に関すること全般。
【守竜エンシェント】:具現化する際には水色の宝石の付いた杖として現れる。光と守護を司る竜で能力は光の操作と結界の構築。
これらは全て通常時の能力であり、神器の奥の手(禁手や覇神というらしい)を使えば更に能力は増えたり強力になったりする。
それと後者の能力に関しては現状意味が無いという話なので説明されなかった。

「なんていうかさ……凄いな……」

もう凄いとしか出てこないぞ。
実質上12種類の能力を1つの神器で使えるのに更にここから能力が増えたり強くなるなんて……

「確かに凄いの一言に限るね……」

「いいじゃないか。強力な力を持った仲間が増えたのだし喜ぶところだと思うが?」

「そうそう♪いっちゃんが仲間になってくれるなんてボク嬉しいし!」

本当に凄すぎだって……これ。
後、フリーは急に抱きついてくるなよ!
大きくて柔らかい物が当たってるから!

「?……いっちゃん、顔赤いよ?」

「な、なんでもない!と、とりあえずは少し離れてくれないか?」

はぁ……どうにか離れてくれたぜ……

「不潔……」

「ふふっ……本当に君は見ていて面白い」

色々あったが神器も無事目覚めて良かったのかな?
とりあえずヴァーリはその汚いものを見るような目は止めてくれ……
さすがに傷つくから。
曹操なんか明らかに新しい玩具も見つけたような顔だし。

…………本当に良かったのか?  
 

 
後書き
以下に一誠とフリードの神器の詳細を記載


神器【赤き竜の紋章】
形状は背中に現れる赤い竜の紋様で神器の中にはアステカ神話の龍神【ケツァルコアトル(別名、赤き竜)】の化身である6体の竜が封じられている。
能力は【封じられた6体の竜の身体の一部を具現化させての能力行使】と【とある邪神の封印】の2つ。
それぞれの竜の名前と能力は以下の通り。
【星竜スターダスト】:具現化する際には背中に1対2枚の白銀の翼として現れる。風と星を司る竜で能力は風と重力の操作と使用者の速度の上昇。
【魔竜レッドデーモンズ】:具現化する際には深紅の両籠手として現れる。炎と破壊を司る竜で能力は炎の操作と攻撃力の上昇。
【黒竜ブラックフェザー】:具現化する際には6対12枚の漆黒の翼として現れる。闇と呪いを司る竜で能力は闇の操作と呪いによる相手の弱体化。
【炎竜ブラックローズ】:具現化する際には赤い棘付きの銃剣として現れる。炎と植物を司る竜で能力は発火能力に炎の操作、植物の生成に植物の操作。
【生竜ライフストリーム】:具現化する際には金色の槍として現れる。水と生命を司る竜で能力は水の生成と操作、完全治癒などの生命に関すること全般。
【守竜エンシェント】:具現化する際には水色の宝石の付いた杖として現れる。光と守護を司る竜で能力は光の操作と結界の構築。
これらは全て通常時の能力であり禁手や 覇神(オリジナル)といった奥の手も存在し、それに至ると能力が増加したり基本性能が強化されたりする。
能力スペックだけ見れば神滅具最強と言われる【黄昏の聖槍】にも劣らないが所有者が極稀にしか現れないので神滅具認定はされていない。
※初代所有者の封印した邪神の魂の半分が神器の奥底に封じられている。(これに関しては初代所有者しか知らない)



神器【聖具創造《ホーリー・クリエイション》】
創造系神器の1つで言ってしまえば【聖剣創造】の上位交換に当たる神器
創りだされる物全てが聖なる物なので悪魔や吸血鬼などの聖なる物に弱い種族にとっては天敵とも言える。
ただし、生物や聖遺物クラスは創ることが出来ない。
また、【魔剣創造】や【聖剣創造】と違い神器で創造した物を他者が使うことが出来ないので所有者のスペックに依存される部分がある。
 
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