IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第七十四話】
前書き
ちょっとだけ展開がオリジナルで、何回戦かは書いて行く予定です
――第三アリーナ――
対戦相手が決まり、初戦は一夏&篠ノ之ペアとの対戦が決まった。
一回戦で男子生徒三人が一堂に介してるせいか、アリーナ観客席は満杯だった。
そして今現在、アリーナ中央で俺とシャルルペアと、一夏と篠ノ之ペアが対峙していた。
「まさか一回戦でヒルトとシャルルに当たるとはな」
「……しかも、あり得ないぐらいの歓声だし。余程注目されてるんだな、この対戦マッチが」
言うや、篠ノ之の打鉄装備のデータを表示する――。
……追加装備無し?
刀一本だけでやるのか…自信があるのか、或いは俺とシャルル相手に刀だけで充分だと思ったのか……。
プライベート・チャネルを開き、俺はシャルルに連絡する。
『シャルル?さっき伝えた内容覚えてるか?』
『大丈夫だよ、プランAはヒルトが一夏と篠ノ之さん二人に狙われたら僕がサイドに回って射撃による攻撃でどちらかを叩いた後、二対一で仕留める。プランBは僕が狙われた場合にヒルトがサイドアタック、そのどちらでもなく一体一の状況で一夏、篠ノ之さんが来たらそのまま相手をする――だね?』
『ああ、だが多分二人は俺を狙うだろう。理由は簡単でシャルルを二対一で狙ってダメージを負って戦うよりも、俺を狙ってダメージ軽微でシャルルと戦う方が勝率は上がるからな。シャルル相手にいきなり二人で戦うのはリスクが大きい、下手したら二人とも返り討ちに合う可能性が高いと思ってるはずだ』
『……ヒルト、良くあの短時間でそこまで考えられたね?』
『ん?――二人の性格を加味した結果だよ。頭で考えるより身体を動かせタイプだろうしな、これが』
『そうなんだ?ふふっ…何だかんだでヒルトって二人を良く見てるんだね?』
『べ、別に見てないし――じゃあプラン通りによろしくな?』
『うん』
その返事を聞き、プライベート・チャネルを切ると同時に篠ノ之が口を開いた。
「有坂、デュノア。悪いが勝つのは私達だ――全力で行かせてもらう!」
「凄い自信だな篠ノ之、でもだからって此方も簡単にやられるわけにはいかないさ、これがな」
互いに言い終わると各々の武器を構える――。
篠ノ之は近接刀、一夏は雪片、俺は天狼を構え、シャルルは盾だけを呼び出していた。
――と、ハイパーセンサーに表示されるカウントダウン。
今回はアナウンスする人も忙しい為か、機械に頼ることになったそうだ。
そして、徐々にカウントが進んでいき――0と表示されるや、直ぐ様機械音声による試合開始のアナウンスがアリーナに響き渡った。
そのアナウンスが口火を切り、試合開始と共に一夏は瞬時加速の体勢に、篠ノ之はスラスターを噴かせて此方に迫ってきた。
そして、瞬時加速を行う一夏はあっという間に篠ノ之を抜き、此方へと迫る――。
「ヒルト!」
「あぁっ!プラン通りってやつだな!」
シャルルから投げ渡された盾を左手に構えると同時に、後方へ移動、そしてシャルルは右サイドへと移動する。
「おおおっ!」
「甘いんだよ、これがなぁっ!!」
瞬時加速と同時に横一閃に此方に斬り込む一夏の斬撃を、天狼で受け止めると同時に体勢を崩さないように姿勢制御用スラスターを噴かす――。
「もらったぞ、有坂っ!!」
「何のっ!!」
飛び上がり、上空から勢いをつけて袈裟斬りを仕掛ける篠ノ之の一撃を、半身ずらして避け、着地した篠ノ之。
それと同時に振り向き様に刀を振り抜いた篠ノ之の一撃を盾で受け止めた次の瞬間――。
「悪いけど、この隙を逃がさないっ!」
右サイドに回り込んだシャルルは、既に展開していたマシンガンで一夏目掛けて発砲すると同時に、俺は上空へと急上昇する。
一度天狼を収納し、改めて疾風を呼び出す――そして、地上でマシンガンの射撃を受けている一夏に狙いを定め、矢を射ろうとするが――。
「一夏をやらせはしない…!」
急上昇した俺を追いかけるように迫る篠ノ之、突きによる一撃を此方に加えようと突撃をかけてきた。
「迂闊だな、篠ノ之!御柱、近接迎撃モードだ!!」
その声に呼応するかのように、周囲に浮かんでいた八式・天乃御柱は、接近してきた篠ノ之の打鉄目掛けて突きによる怒涛の迎撃を受ける。
「くっ…、うぐっ…!」
打鉄のシールドでガードしつつ、突きを捌こうとするが、八基全てが近付いた篠ノ之に対して一切近付かせず、尚且つ装甲部分のみを的確に突いていく――。
その間も、シャルルによる射撃は続き、アリーナを瞬時加速で駆け巡るように弾丸を避けようと動き回る一夏。
「箒!今援護に――」
「行かせないよ一夏!――僕から逃げられないよっ!」
「俺も狙い射たせてもらう!!」
一夏の高度が俺と同じ高さになるや、直ぐ様展開した矢を射る――。
「ぐ…ぅっ!?」
「一夏、もらったよ!!」
マガジンを取り替えたマシンガンによる一斉射撃、矢を避けた一夏はその射撃を避けられず、ヒルトとシャルルにとっては理想的な十字砲火による射撃が的確に一夏のシールドエネルギーを削っていった。
「―――はぁぁあああっ!!」
「――何っ…!?やるな、篠ノ之!」
装甲がぼろぼろになりながらも、御柱による攻撃を掻い潜った篠ノ之。
此方に肉薄するや、気合いの入った横一閃による一撃が、俺の腹部装甲へとクリーンヒットした――。
シールドバリアーを突破したことにより、ほぼ満タンだったシールドエネルギーが減少した――。
「はあっ…はあっ…――まだま――」
「わりぃな篠ノ之、一撃与えた後に直ぐ様離脱しなかった結果が――これだぁぁっ!!」
背部ブースターを全開に噴かせ、盾を構えたまま、篠ノ之の背後から体当たりによる一撃を与える。
加速力と質量の差によるその一撃は、篠ノ之をアリーナへと墜落させた。
その衝撃により、篠ノ之の打鉄のシールドエネルギー残量が0になり、膝をついて地面を叩く姿を見た――。
地上へと急降下した俺は――。
「篠ノ之、悪いがこれは勝負だからな、戦うのは嫌いだが勝負という事ならもう甘いことも言っていられない」
「くっ……!…私にも専用機があれば有坂に負けるなんて事は……!」
「……専用機があれば篠ノ之は勝っていたとでも言うのか?――そんな事言ってる内は、俺に勝つなんて二度と無理だ、これがな」
「……っ!!」
――専用機があれば勝てるなんて考え方は甘いよ、篠ノ之。
結局専用機があろうと無かろうと、常に自身で高みを目指すように努力しなければ――。
人にやらされる努力ではなく、自らが率先して行わないと――。
……今は篠ノ之の事じゃなく、試合を続けないとな、これが。
上空へと戻ると、一夏は零落白夜を起動し、シャルルと格闘戦を繰り広げていた――。
「シャルル、加勢するぞ!」
「うん!僕がヒルトの動きに合わせるから!」
「っ…!箒はやられたのか…」
苦虫を潰したような表情になる一夏、シャルルに向かって袈裟斬りを仕掛けるが、シャルルは左腕に備わったシールドでその一撃を受け止めた。
盾で受け止めた事により、シールドバリアーに触れることはなかった。
「……ぉぉぉおおおっ!!」
突然雄叫びをあげたかと思うと、突きによる一撃。
――だがそれもシャルルには読まれていたようで、瞬時にクイックブーストで左へ緊急回避してその一撃は届かなかった。
「悪いが一夏!これでチェックメイトだな、これがぁっ!!」
背部ブースターを起動させたオーバーブーストで急接近、白式のウイングスラスターから背部装甲にかけて天狼によるバリア無効化攻撃による一撃を浴びせると、ウイングスラスターは小規模な爆発を起こし、小破した――と同時に体勢を崩した一夏のその隙を逃さないように肉薄するシャルル。
「ごめんね一夏、でも――これも勝負だから!!」
「ぐあっ……!?」
二刀流の構えで十字に斬りつける――それと同時に一夏の機体のシールドエネルギーは0になり、試合終了のアナウンスが流れた――。
「~~~~~っ!やったな、シャルル!!」
「うん!僕たちの勝利…だね?」
パァンッ……と、俺とシャルルがハイタッチすると甲高い音がアリーナに鳴り響いた。
それと同時に沸き上がる、観客席からの声援――。
一回戦Aブロック一組初戦は、俺とシャルルペアの勝利で終わった――。
後書き
早ければ明日には投稿しますが、書く戦闘内容がオリジナルになるので遅れる可能性も
その時は申し訳ないです
この話も、投稿がギリギリでしたし
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