IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第524話】
前書き
親父の話
短いっす
更識楯無に遅れて出た有坂陽人――彼女の向かった先はわからないものの、自身の直感と兵士としての勘が侵入してくる部隊が何処から来るのかが分かる。
先日の真理亜から借り受けたパワードスーツ、既に粒子化され、IS同様に呼び出せば着用可能だった。
学園北側の一部、実は先日の襲撃事件で弱くなった学園の外壁がある。
何度か聞こえた爆発音の一つがそちらから聞こえてきた――つまり、そのルートから目標物が何にしても、絶対に通らざるを得ないルートがあった――IS学園調理室前。
借り受けたパワードスーツを身に纏い、パワードスーツに備わった大型の拳銃を構えると調理室へと向かった。
道中、何度目かの爆発音――それも近くだった、調理室へ向かう曲がり角から鏡を覗き込む――武装した特殊部隊の姿が見える。
『アンネイムド――【名も無き兵たち】……か』
陽人はごちる、名前の無い部隊名は基本何かしら軍規違反――例えば脱走や戦場での強姦等、軍規を乱したものたちの掃き溜めみたいな奴等ばかりだ。
仮に強姦ではなくとも、もしIS学園生徒が一人でも拐われれば、彼等の慰みものになるのは明白だった。
先手必勝――可能な限り無力化という制約が足枷になるのは分かっている中、陽人は通路から飛び出すと拳銃を構える。
「……!? 敵襲――ぐおっ!?」
気付いた兵士の一人は拳銃の一撃に沈む――弾丸は特殊プラスチック製で、急所にクリティカルヒットした。
二発目、三発目と確実に無力化していく――駆ける陽人の来たずんぐりとしたパワードスーツを見た部隊員は叫ぶ。
「そんなIS擬き出されても怖くねぇ!! 火線を奴に集中しろ!!」
構えられた無数の銃口――その間も確実に無力化、学園に響き渡る銃声、五発目、六発目と眉間に当たり、強烈な一撃によって気絶する兵士。
一斉に火を吹く軍用ライフル、サプレッサーの着いたライフルから放たれる特殊合金製の弾丸は、有坂陽人の着たパワードスーツに当たる。
『ぐうッ!?』
保護機能があるとはいえ衝撃自体は来るため、被弾する度、有坂陽人の身体には強い衝撃が無数に襲い掛かる。
多勢に無勢――だがそれでも、有坂陽人は退かない。
退けば確実に誰かが犠牲になるやもしれない――そして、この部隊を投入してきた国も、有坂陽人は直ぐに分かった――いや、装備を見た瞬間、分かってしまった。
有坂陽人自身が世話にもなり、助けもした国――そして、もう一度世界の大国へと返り咲きたい国――アメリカ。
「は、班長! このままでは――グハッ!?」
また一人、眉間にプラスチックの弾丸を受け、倒れる――あれだけ居た兵士を班長以外残して気絶させられてしまった事実に、班長は悪夢を見ている様だった。
着ているパワードスーツ擬きの力なのか――そんな考えが過るも答えは出ない。
今回の目標である無人機の残骸の回収すらままならず、部隊を無力化、全滅させられた班長は敵わないと思いながらも銃口を向けた――だが、その瞬間、班長の眉間に当たるプラスチックの弾丸。
最後の一人であった班長も倒れ、有坂陽人は拳銃の弾装を装填し、全員の息があるかどうかの確認をすると――。
『……本来なら不法侵入してきたお前たちの命が奪われても仕方ない状況なんだぜ? ……命があっただけでも有り難く思うんだな。 ――とはいえ、国に帰ったとしてもお前らに居場所は無いかもしれないがな』
気絶した兵士達の装備――軍服を含めた全てを没収し、真っ裸にして全ての兵士の親指を針金で縛り上げる――そして、足を用意していたロープで縛り、完全に無力化した。
気絶し、裸のままの情けない姿の兵士達を一瞥しつつ有坂陽人はごちる。
『……確かそろそろ、予定では空母が来るはずだったな。 …………』
回収した装備を、防御シャッターの閉じていなかった窓から全てを投げ捨て、侵入してきた経路に何も仕掛けられていないかを入念に調べる有坂陽人、仕掛けられていたモーションセンサー類を解除しながら学園の安全を確保していった。
後書き
完全無力化
とはいえ、眉間にプラスチック弾ってめちゃくちゃ痛そう
てか死んでそう
因みにあの部隊員全員パンツまで剥ぎ取られてます( ´艸`)
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