【艦これ】艦隊これくしょん・闇 響・黒編
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第2章 闇艦娘、響
第06話
前書き
※このお話の続き「二艦合魂、雷電!(一般向け)」公開中です。
暁サイト内(http://www.akatsuki-novels.com/manage/stories/view/114842/novel_id~9128)
★こちらがメインサイトとなっています。
マフポコの巣(艦これ、こちら鎮守府前第二駐在所)
(http://mahupoko.blog62.fc2.com/)
艦これ動画「くちくズ」公開中! 詳細はメインサイトをご参照ください。
★他サイト(pixiv)でも掲載しています。
「くぃぁぅッ」
提督が甘ったるい情けない悲鳴を上げた。
響・黒は肉主砲を吸い上げながら、前歯で優しくカリ首と裏スジを甘噛みした。
提督はたまらず肉主砲をびくんッと跳ね上げる。
すると響・黒は、ちゅぽんッといわせてと肉主砲を解放した。
肉主砲が解放されたことで響・黒という支えを失った提督は、2歩3歩と後ろに向かってたたらを踏んで、どたぁッと尻もちをついてしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ」
提督は必死になって肺に酸素を供給する。
酸欠を起こした身体と脳に新鮮な空気が送り込まれ、少しづつ意識がはっきりしていく。
響・黒にしてやられた。
身も心も溶かし犯す響・黒の愛の言葉攻めフ●ラは、提督をこれ以上ないほどに情けなくもてあそんだ。
完全に手玉にとられてしまった提督は、ひどくくやしい気持ちにさせられた。
「はぁ、はぁ、はぁ、ちぃッ、はぁ、はぁ、はぁ、ち、ちきしょうめがぁ……」
提督は肘で上半身を支えながら身を起こす。
そして怨みがましい目で響・黒を睨みつける。
そんな提督の目に映ったのは、手皿に溜まっている大量の汁をうっとりとした目で眺めている、ひどく淫靡でいやらしい響・黒の姿であった。
響・黒は手皿をまわして溜まっている汁を転がしてもてあそび、そしてぺろっと汁を舐め取って味わう。
「んふふ、提督のお汁、なんだか可愛い。すっごく可愛いお汁だよ。提督のお汁、大好きだよぉ」
響・黒はとろけた熱い目でお汁を見つめながら、じゅるぞぞぞろろろぉッとお汁を吸い飲んだ。
そして全てのお汁を吸い飲むと、手にまとわりついている残り汁をぺろぺろと舐め取る。
最後にぺろりと舌舐めずりして、小悪魔な笑みを浮かべながら提督を見つめる。
「ごちそうさま、提督」
提督の身が奇妙な熱さに包まれた。
変に気持ちを高ぶらせる響・黒の笑みを見て、ひどく恥ずかしいような、妙な背徳感に襲われたような、異様な興奮を覚えてしまう。
そして提督は限界を超えた射精をした直後にもかかわらず、まるで数ヵ月射精を我慢し続けたペ●スのように、ぎっちぎちに勃起してしまっている。
そんな節操が無さすぎる提督のたくましい肉主砲を見つめながら、響・黒はうっとりと熱い溜息を漏らした。
「嬉しいよ、提督ぅ。こんなに硬くて大きいままだなんて、まだまだ出来るよね? もっともっとシてもいいよね? 提督のおち●ちん、もっともっと愛してもいいよね?」
提督を見つめていた響・黒は目線を亀頭に移し、肉主砲に了承を得るべく人差し指の先で砲口付近を撫で回す。
肉主砲はぴくんッと揺り動き、まるで返事をしたかのように頷いて見せた。
「ありがとうだよ」
響・黒は嬉しそうに亀頭にキスをした。
そしておもむろに亀頭を掴む。
男走汁でぬらぬらになっている亀頭は、響・黒の手の平にぬちゃりとした淫猥な感触を伝える。
そのいやらしい感触に胸を熱くしながら、響・黒は亀頭をしごきだした。
亀頭だけを手の平で優しく柔らかく掴み上げ、ぐちゅぐちゅちゅッと粘着質な水音をたてながら素早い動きで手を上下動させる。
「くぅぁッ! ぐぬぅぅぁぅッ!」
射精直後の肉主砲への刺激は、どうしようもなく凶悪で猛悪な快楽となって提督を襲った。
イッたばかりの男性器はこの上なくデリケートで、敏感で、刺激にひどく弱い。
提督はあまりにもな快楽に襲われてしまい、快楽を超えた苦痛を感じてしまう。
「お、お前……ぐわぬぅぅぁぐッ……い、いい加減にしや……ぐぁげぬがあぁぁぐぬぅッ……く、クソッたれめぇ……」
提督は歯を食い縛りながら、猛烈な苦痛に耐えている。
錯乱して叫び出しそうなのを必死にこらえ、ギリギリと歯ぎしりしながら身を震わせて耐えている。
響・黒は無理に我慢している提督の姿を見て、たまらない気持ちになった。
提督が可愛い、たまらなく可愛い、可愛いくてどうしようもない。
あまりにも可愛い提督を目の当たりにしてしまい、亀頭を擦っている手に熱がこもる。
「あああぁぁぁ……素敵だよ提督ぅ……そんな顔されたら私……たまらなくなっちゃうよ」
響・黒は提督が何もしてこないのをいいことに、亀頭を擦りに擦りまくる。
あまりにもな速さで擦られている亀頭は、ぐちゅちゅぐちゅぎちゅちゅッといやらしい水音を響かせながら、砲口をひくひくと震わせている。
響・黒は震えうごめく砲口をうっとりと見つめながら、ちゅッ、ちゅッと可愛いらしいキスをした。
「くぁぅッ! バッ、バカ野郎がぁ! くぅぅぁぁぅぅッ! そ、そんなのよぉッ! くぅあおぉぉぅッ! んなことされたらよぉッ! で、射ちまうだろうがぁッ!」
もう限界である。
第二の発射が近い。
全身にぞわぞわとした悪寒のような痺れが走り、下半身が今にも爆発して粉々になりそうである。
射精直後に更なる射精へと導かれ、提督は神経を直接撫でられているかのような、例えようのない猛悪な快楽にさいなまれている。
「提督ぅ……大好きぃ……提督ぅ……」
響・黒は砲口に唇を押しつけ、小さな砲口に舌の先端を入れ込もうとする。
砲口と響・黒のディープキス。
響・黒は砲口の入口をぬろぬろと舐め上げていく。
「ぐぅぁぐぅぅッ……だ、ダメだ……もう限界だぁ……」
弱音を吐く提督の声が聞こえた響・黒は、目だけを動かして提督の顔を見つめる。
提督はあまりにもな情けない顔をしながら、それでも必死に歯を食い縛って、耐え抜いている表情を浮かべている。
提督をこんな顔にしてしまっているのは自分なんだ……そんな自負が響・黒をどうしようもなく興奮させ、響・黒の瞳にハートマークが宿る。
「提督ぅ……可愛い……大好きぃ……可愛いよぉ……大好きだよぉ……提督、好きぃ……大好きぃ……」
息を荒くしながら砲口を舐め上げ続ける響・黒。
その刹那、プシュッという音と共に砲口から透明な水っぽい汁が噴き出してきた。
「ぐぅわぁぁぐぐぅッ! ぎぃああぁぁぅがぁぁぅぁッ!」
まるで間欠泉のような激しすぎる勢いで、響・黒の口内に生ぬるい汁が放出される。
提督は狂った野獣の咆哮のような耳障りな叫びを上げながら、響・黒の口内にぶしゃあぁぁッ! びしゅじゃばばぁぁッ! と水塊を噴き出し続けている。
びくびくと全身を痙攣させ、ぐらんぐらんに身を揺らしながらも、提督は必死に立ちつくしながら汁を放出し続けている。
「んぶぅッ、んむむぐむぅぅんッ」
響・黒は砲口にキスしたまま、提督が噴き出しているお汁を全て口で受け止めている。
男濁汁とは比べ物にならない量のお汁が、どばどぼと、じょぼぼぼぼぼぉと、響・黒の中で放たれ続けている。
あまりにもな量のお汁は、容積が少ない小さなお口の響・黒の口内を、一瞬で満たしてしまう。
そのせいで響・黒はごくごくと、ごくんごぶッと、噴き出し続けているお汁を飲み込み続けている。
「ぐぎぃぁぁぐわあぁぁぐぅッ! ぎぎゃぁぁぅぁぁううぐわぁッ!」
提督は頭をぶんぶんと振って激悪な快楽と戦っている。
提督のお汁大量放出という異常事態にもかかわらず、響・黒はいまだ亀頭を擦り続けていた。
手の速度をまったくもって緩めることなく、お汁を放っている亀頭を容赦なく擦りまくっていた。
そのせいだろうか、提督はお汁の放出がいつまででも続いてしまい、気を狂わせる快楽に襲われ続けていた。
「んぷぅッ、んむうんんぅんッ」
響・黒は止めどなく噴き出しているお汁を飲み込みながら、肉主砲の裏スジをずりりぃと舐め擦った。
亀頭をごしゅごしゅしゅッとしごきまくりながら、裏スジまでぬろろぉと舐め上げてしまう。
その瞬間、肉主砲はびくんッと跳ね上がり、響・黒の砲口ディープキスから逃れてしまう。
そして響・黒から解放された肉主砲はお汁を噴き出しながら、響・黒に向かって一斉放水してしまう。
「きゃぅッ、ひゃああぁぁぅッ」
びしゅぅッ! ばしゃしゃぶしゅぅッ! と超強力ウォーターガンのような勢いでお汁を放ち続ける肉主砲は、響・黒の全身にお汁のシャワーを浴びせてしまう。
生暖かい、生ぬるい、提督の体温と同じ温度のお汁は、響・黒の全身を淫靡に、淫猥に、いやらしく濡らしていく。
「ぐぎぃぁああぐぅッ! にぎぎゃぐぐぁぃうッ!」
いまだ放出が止まない提督の肉主砲。
それもそのはず、この期に及んでも響・黒は亀頭を擦り続けていた。
肉主砲は響・黒の砲口ディープキスからは逃れられたが、亀頭しごきからは逃れられなかった。
あまりにもしつこい響・黒の亀頭しごきは、どんなに逃げようとも執拗に追ってきて、絶対的にしごき続ける。
もはや回避不可能な超高性能追尾システムである。
提督は膝をがくんがくんにしながら、倒れることも出来ずに無理やり立たされている。
そして、身体の水分が全て出してしまうのではないかと思えるほどに、提督はお汁を大量に噴き出し続けている。
「なにこれ? なにこれぇ! 凄いよぉ、提督ぅ! たくさん出てるぅ! たくさん出てくるぅ! 私もう、提督のでびしょびしょだよぉ! 凄い凄いぃッ! すっごいお汁ぅッ! まだ出るの? まだまだ出るの? まだまだ出るよね? 出ちゃうんだよね? なら、もっともっと出しちゃうんだからぁッ! 提督、もっともっともぉっと出してよぉッ!」
すっかりお汁に夢中になっている響・黒は、目を淫靡に輝かせながらハートマークが宿る瞳でお汁の放出ショーを眺めている。
しかしお汁放出ショーはあっけなく終わりを迎えることになる。
提督と響・黒の足元にはお汁のせいで大きな水溜りが出来ていて、がくがくに震え揺れ暴れている提督は水溜りに足をとられて、その場で滑ってしまう。
そして背中と後頭部を激しく床に打ちつけ、提督は派手な転倒をしてしまう。
そのせいで亀頭をしごいていた響・黒の手は亀頭を離してしまい、空をしごきいてしまう。
「あ……」
響・黒はひどく寂しそうな声を漏らした。
目の前にいた肉主砲が突然いなくなってしまい、変に孤立した気分にさせられた。
手には肉主砲のぬくもりと肉主砲を擦っていた感触が残っていて、じんじんと痺れている。
響・黒は手の痺れが愛おしく思えて、自分の手を頬ずりする。
「ぐはぁッ! はぁぐッ! はぁッ! ぐぁふッ! ひあぐッ!」
提督は床に大の字に倒れ込みながら、荒くなった息を整えている。
あまりにもな量の精液や体液を失った提督は、脱水のせいだろうか、無理すぎる射精のせいだろうか、全身から力が失せてしまい、まったく動けないでいた。
「ぐぅぁッ、ぐふぅぁッ、ち、ちきしょうめがぁ、響・黒、てめぇ、や、やりやがったなぁッ」
提督は天井をぼんやりと眺めながら、怨みがましい声で響・黒に言った。
「まさかお前が男の潮吹き攻めにでるとはなぁ……まったくもって考えてなかったぜ……この野郎が、えげつねぇことしやがってよぉ……悪魔か、てめぇはよぉ……」
響・黒は全身をぐっしょりにしながら茫然として、肉主砲を擦っていた手をぺろぺろと舐めている。
「男の潮吹き? ……提督、潮吹きってなんだい?」
提督の脳が一瞬止まった。
そしてすぐに状況を理解し、提督はぶはぁッ! と吹き出した。
「ぎゃはははははぁッ! マジか! 天然か! 潮吹きを知らねぇだぁ? そうだろうなぁ、知るわけねぇよなぁ、お前がよぉ! 潮吹きなんてよぉ! ぎははははははぁッ! 無邪気さ故か?! 幼さ故か!? ガキがよぉ、あんな極悪な攻めを平然とこなしやがってよぉ! やっぱ凄ぇぜお前、ポテンシャル高すぎるぜぇッ!」
笑い上げた提督は、少しづつだが身体が動くようになってきた。
提督は身を震わせながら無理やりに身を起こし、響・黒に下卑た笑顔を見せつける。
「ったく、てめぇは素適にいい女だなぁ! だったら今度は俺がお前を噴かしてやんよぉ! 潮噴かしてやんぜぇ! びっしゃびしゃによぉ、ぐっちゃぐちゃによぉ、大洪水な潮吹きを体験させてやんぜぇ! ぎひひゃはははははぁッ!」
狂ったように笑い上げている提督を、響・黒は不思議そうに見つめている。
なにがおかしいのかわからないが、提督が嬉しそうなのは伝わってくる。
響・黒は提督にあわせてアハハと笑った。
「とりあえずよぉ、ま●こ舐めるぜ。死ぬほどフ●ラしてもらったお礼だ。今度は俺が死ぬほどク●ニしてやんよぉ」
提督は舌をだらんと出して下品な笑みを浮かべている。
「ダメ。それはまた今度教えてよ。いきなりたくさんのことを知るより、じっくりひとつひとつ教えてよ」
出鼻をくじかれた提督はガクッとこけてしまい、そのままよろけて響・黒の方に倒れてしまう。
倒れ込んだ提督は響・黒の膝に頭を乗せ、膝枕の格好となった。
響・黒はクスッと笑んで、膝の上にいる提督を優しく見下ろす。
「ねぇ、提督。これからもたくさんたくさん、エッチなことしようね。たくさんたくさん、エッチなこと教えてね」
響・黒は提督の頭を柔らかく撫でながら、とろけた目をしてお願いする。
「エッチなこと、ひとつひとつをじっくり、ゆっくり、堪能しきるまでやり込もうよ。満足するまでやり尽くして、楽しみに楽しみぬいて、楽しみつくさせてよ」
「ったくスケベな願いだなぁ、おい。ああ、いいぜぇ、たくさんたくさんしてやるよ。色んなもん教えてやんぜ。この世のエロいこと全部してやっからなぁ」
響・黒は嬉しそうに笑みながら、提督の額に自分の額を合わせる。
そして至近距離から提督をまっすぐに見つめて言った。
「毎日してくれる?」
「……そういう困るようなことは言うなや。無理なの知ってて言ってんだろ、お前」
響・黒は少し悲しげな表情を浮かべながら、それでもくったくのない笑顔で提督を見つめる。
「んふふッ、いいよ、時間が許すかぎりで。毎日じゃなくてもいいよ。本当は毎日してほしいけど、できれば一日中ずっとシてほしいけど、でも大丈夫だよ。私、待っていられるから。だって提督は私のこと愛してくれてるんだもん。いつまででも待っていられるよ」
そして響・黒は唇を重ねるだけの口づけをする。
「だから提督がエッチしてくれるの、ずっと待ってるからね」
提督は複雑な顔をしながらも、響の純粋すぎるキスを堪能する。
――――――
――――
――
どれだけの時間が経っただろうか。
全力を尽くして愛をぶつけ合った提督と響・黒は、疲労しすぎて動かなくなった身を休めながら静かに抱き合っていた。
「そうだ、すっかり忘れてたぜ。お前に任務があんだよ」
「任務? 私に?」
「お前にはおつかいにいってもらう。なぁに、簡単なもんだからよぉ。散歩がてら行ってきてくれや」
「おつかい? うん、わかったよ」
響・黒はスッと立ち上がり、脱ぎ捨てられた衣服を手に持った。
「準備ができたら、また来るよ」
「ああ、そうだな。まさか汁まみれの素っ裸で行かせるわけにはいかねぇもんなぁ。まぁ、そのまんまの格好で行ってもらったっていいんだけどもよぉ」
響・黒はクスッと笑みながら、んべぇッと舌を出して見せる。
そして全身が提督と自分の精液や体液でまみれている響・黒は、全裸のまま提督室から出て行った。
「はぁ、行ったか」
響・黒の姿が見えなくなったのを確認すると、提督はぶわわわぁと全身から闇を噴き出した。
そして闇は提督の身体中にまとわりつき、うぞぞぞぉと提督の身の上を流れうごめいている。
「ああ、マジで死ぬ思いだったぜぇ……にしても便利なもんだよなぁ、闇ってやつはよぉ。普通の人間なら絶対ぇに死んじまってるような怪我でもよぉ、一瞬にして治しちまうんだからなぁ」
響・黒を抱き終えた提督は、身体中に大怪我をしていた。
様々な箇所が複雑骨折し、関節は亜脱臼を起していて、背中には肉がえぐられた裂傷が出来ている。
そして内臓にもダメージがあり、多臓器不全を起こしてしまっていた。
そんな絶命必死な怪我を、闇は一瞬にして治療してしまう。
闇は欠損した部位を補い、壊れた個所を修復し、ダメージを負った部分を回復してくれる。
「ったく、エロいことすんのに慣れてねぇ初心者闇艦娘はよぉ、マジ殺す勢いで攻めてくるからなぁ……超天然無意識ドSってやつだぜ。気づかないうちに相手をぶっ壊しちまう、破壊的性行為をしちまってんだからよぉ……いくら俺が闇の洗礼を受けてるって言ってもよぉ、身体ぶっ壊されんのはきついっつーの」
やれやれな顔をしながら、提督は噴き出していた闇を自分の身の内に戻した。
すると提督の身体は完全回復し、傷ひとつない超健康優良児と化していた。
『そうぼやくな、冬海提督よ』
「海提様!」
提督の頭の中で声が響く。
そして提督はバッと立ち上がり、誰もいない部屋の中でひとり最敬礼をする。
『さすがだな、冬海提督。響・黒はすっかりお前の虜ではないか』
「ハッ、お褒めにあずかり光栄であります」
提督は頭を下げたまま、はっきりとした大きな声できちんと答える。
頭に直接話しかけてくる海提に対して、提督はまるで目の前に海提がいるかのように振舞う。
『数えきれぬ闇艦娘どもを手玉にとってきたお前にとっては、駆逐娘を手なずけることなぞ造作もないであろう』
「そのようなことは……わたくしめはいつだって本気でございます。どの艦種の娘であろうと、闇艦娘に対しては、気を抜けるような隙は全くもってございません。もしわたくしめに一部でも隙がありましたら、瞬時に絶命していることでしょう」
『隙あらば闇艦娘にとり殺されるか? だが、それほどまでに危険な性行為を、お前は今まで一度たりとも仕損じたことはないであろう? 失敗は即消滅。それが闇艦娘を抱くということよな』
「おっしゃる通りでございます。今ここに私が存在していることこそ、闇艦娘との性行為に成功し続けていることの証。そしてこれからも、失敗することはありえませぬ」
『頼もしいことだな、冬海提督よ。闇艦娘どもに対し、お前が本気でぶつかるからこそ、闇艦娘どもも本気でぶつかってくる。お前はいい仕事をしてくれる。これからも頼むぞ。闇艦娘どもの育成はお前に一任しておるでな』
「心得ております、海提様」
提督の頭から海提の気配が消えた。
頭を下げ続けていた提督は、はぁッと溜息をついてその場にあぐらをかく。
「……ったくよぉ、たまったもんじゃねぇぜ。俺はいつだってあいつらに対して……闇艦娘どもに対してマジだっつぅんだ。だけど、まぁ、マジで好きんなってもなぁ……どうせ結ばれねぇ運命……どんなに好きになろうが、愛そうが……チッ、マジでしんどい任務だぜ、バカ野郎がよぉ……」
提督は苦々しく唾を吐いた。
「提督、入ってもいいかな?」
扉の向こう側から響・黒の声が聞こえた。
「ああ、勝手に入んなぁ」
響・黒は静かに扉を開け、部屋の中へと入ってくる。
真っ黒い衣装に身を包んだ響・黒は、提督に抱かれる前に比べて数段も色っぽく、妖しく、頼もしく見えた。
「お前が内在している闇を感じるに、今のレベルは3ってとこか? なら大丈夫だなぁ。闇を知らねぇ普通の艦娘なんぞ相手になんねぇぜ」
響・黒は不思議そうに提督を見つめる。
「おつかいって、何をしたらいいのかな?」
「なぁに、ちょいと地上の鎮守府に行ってよぉ、あいさつしてきて欲しいんだわ」
「あいさつ?」
「そうだ、あいさつだ」
ふたりは見つめ合いながら、解り合ったように笑みを向け合う。
「じゃあ行ってくるよ、提督」
「ああ、気をつけて行ってこいや」
響・黒は扉を開けて部屋を出ようとしたところで、何かを思い出したように提督に向かって振り返った。
「そうだ、提督。おつかいから帰ってきたら、その……愛してくれる?」
「んあ? ご褒美が欲しいってか? しょうがねぇ奴だなぁ……いいぜ、帰ってきたら嫌ってほど愛してやんぜ」
「絶対だからね、提督」
響・黒はぶわわぁと闇を噴き出し、妖しく身にまとわせながら提督室をあとにした。
(任務達成)
後書き
※このお話の続き「二艦合魂、雷電!(一般向け)」公開中です。
暁サイト内(http://www.akatsuki-novels.com/manage/stories/view/114842/novel_id~9128)
ページ上へ戻る