IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第565話】
次の競技が始まるまでのリバイバル中。
グラウンドには破壊された装置の破片を急いで片付ける上級生達。
他の上級生は次の競技の準備か、ISを使ってまるで軍隊の訓練の様な設備を設営していた。
壊れた装置の事はどうしようもなく、怪我人が出なかっただけでもよしとしないといけなかった。
それはさておき、墜落した美冬が心配で俺は妹を捜していた。
「怪我はなさそうだが……何処にいるんだ、美冬は」
当てもなく捜していると、自販機近くに美冬が居た。
「美冬」
「あ、お兄ちゃん」
飲み物を買おうとしたのか、それを止めて嬉しそうに近付いてくる美冬。
「怪我とかしてないか?」
「平気だよ? 墜落しちゃったけど、私も無事だし村雲も傷ひとつついてないから」
「ん、そうか。 無事なら良いんだ」
「えへへ……心配してくれて嬉しいなぁ」
笑顔の美冬は、俺の腕を取るとそのまま腕に抱きついてきた。
体操着越しからでも伝わる柔らかな乳房に、俺は頬を指で掻いた。
「あっ、お兄ちゃん。 まだ次の競技まで時間あるし、ちょっと此方で美冬と話そっ?」
そう言って指差したのは学園の中庭でわりと茂みがある場所だった。
断る理由もなく、俺は美冬と共に其処に移動し、芝生に腰掛けた。
「へへっ、何だかお兄ちゃんとこうしてるのって久々な感じ♪」
「そうだな。 ……もしかして寂しかったか?」
「べ、別に寂しくないよ? ……お兄ちゃんとはいつでもスキンシップ出来るもん」
そう言って隣に座っていた美冬は俺の前に座り直し、身体を預ける様に凭れ掛かってきた。
「えへへ~。 ん、しょ……」
「……!?」
俺の手を取った美冬は、あろうことかそのまま自身の乳房を触らせてきた。
いくら茂みがあるとはいえ、誰かに見られたら言い逃れ出来ないこの状況――。
「……お兄ちゃん」
僅かに振り向く美冬、手のひらいっぱいに伝わる乳房の柔らかさ。
俺は赤面しつつも、バレないように妹の乳房を揉み始める。
「ん……ッ! お兄ちゃ……ん」
「な、何だ?」
「……気持ちいぃの……」
「そ、そっか」
短く返事をした俺、状況が状況だが、俺は妹の乳房を揉み続けている。
僅かに呼吸が荒くなる美冬――最後までしてないとはいえ、本来ならこういう事はダメなのだがもう歯止めが効かなかった。
陽光が辺りを照らす――俺は変な気持ちになりかけたその時、アナウンスが聞こえてきた。
「次の競技の準備が出来ました。 各組代表者は至急集まってください」
「……うぅ。 せっかく良いところだったのに……」
トロンとした瞳で俺を見つめてきた美冬、だが呼ばれたからには行かなければいけなかった。
「ん……しょ。 じゃあお兄ちゃん、行ってくるね?」
「あ、あぁ」
俺の額に口付けを落とし、美冬は駆け足でグラウンドへと向かった。
俺も乱れた体操着を整えるとその場を後にする。
確かに準備が出来たらしく、パッと見障害物走の様に見えた。
実況席へと戻ると、一夏が話し掛けてきた。
「ヒルト、何処に行ってたんだ?」
「……飲み物飲みに行ってただけだ」
「ふーん。 競技終わる度に抜けてるからさ、何してんのかなって思ったけど」
パイプ椅子に背を預け、そう言う一夏。
何をしてたとか逐一言えるはずがない――てかしてた事を言ったら社会的にアウトだ。
とりあえず俺も椅子に座ると、楯無さんが俺の顔を覗き込んできた。
「せっかくだからヒルトくん、次は君が実況する?」
「え? い、いいですって、俺は実況向きじゃないんだし」
「あら、それは残念ね。 ……じゃあ、アシスタントよろしくね?」
ウインクする楯無さんに、ドキッとする――そして、楯無さんはマイクを握ると――。
「さあさあ、続いての競技は軍事障害物走です!」
グラウンドに響く楯無さんの透き通る声、案の定次の競技は障害物走だが――。
「楯無さん、障害物走の前に何で軍事ってついてるんですか?」
「うふふ。 それは簡単よ、IS学園の障害物走は自衛隊や各国でも取り入れられてる訓練を模したものよ! ヒルトくん、あの机を御覧なさい!」
指差す先にある机を見るや、何やら分解された小銃が並んでいた。
「先ずは彼処でアサルトライフルの組み立てを行い、そして組み立てたライフルを担いであの梯子を登ってもらいます!」
更に先を指差す楯無さん、三メートルほどの高さがある梯子を登った先には鉄骨の橋が向こう側まで五メートル程延びていた。
「あの鉄骨が見えるかしら? 落ちてもネットはあるけど、鉄骨には痺れる程度の電流を流してるからね」
……何か何処かのビルで繰り広げられてそうな内容だな。
更に楯無さんは先を指差す。
「鉄骨を過ぎたらポールで一気に地上に落下して着地、後は目の前の網を匍匐前進で抜け、その先で実弾射撃って訳」
かいつまむと、銃を組み立て、障害抜けた先で実弾射撃するって訳だ。
明らかに運動会ではないが、今さら突っ込むのも疲れるので皆の健闘を祈ることにした。
「あ、やほー、ひーくん~。 みてみてー」
両手でひらひらと手を振るのほほんさんに、俺も応えて手を振り替えした。
「あっ、ヒルトくんが手を振ってる!?」
「てか織斑くんも居る!!」
何か聞こえたが、第一走者全員が実況席へと手を振り返してきた。
「あら、モテモテね、ヒルトくん」
「……大半は一夏でしょ、俺はあくまでも一部からです」
「……やっぱりモテてる自覚あるじゃん……」
ムスッと膨れっ面になる楯無さん、流石の俺でも気付く所はある。
とはいえ今なお一夏の方が人気はあるが、俺にとっては気にする内容ではないため、放置した。
――と、そろそろ競技が始まるらしく、競技用ピストルを構えた先生が姿を現した。
この競技は組代表の参加は認められていないらしい(特にラウラ辺りは速すぎるからだろう)。
とはいえ、どう転ぶかわからないのが障害物走だ、俺は走者全員の健闘を祈るしかなかった。
「全員、スタート位置に!」
その激が飛び、一斉にスタートラインへと並んだ第一走者達――そして、スタートの合図であるピストルの音が響き渡るのだった。
後書き
ちょい美冬と……
一応IS最新刊とハンドレッド最新刊は買ったり
気付いたらハンドレッドのが進んでたね、っても実はまだ一巻の途中しか読んでないが(・_・;)
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