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威萌宇斗十二制覇

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06威萌宇斗 四葉

「ハハハハハッ!ワタ~ル君、君の可愛い妹、四葉チャンは、ワタ~シが預からせてモラった。 返して欲しければ要求を聞きたマエ」
「待てーっ! 怪盗クローバー!」
 いつものように、ウェルカムハウスには怪盗クローバーが現れ、誘拐?された四葉を、もっと可愛がるように要求していた。
「お待ちなさいっ! 兄君様に仇なす曲者、今日こそ成敗して差し上げますわっ」
「亞~理~亞~も~~」
 もちろん、「クローバー = 四葉」を知らないのは、この3人だけで、他の姉妹達は月に1,2度起こる楽しい行事だと思っていた。
「ハハハハハハッ! ハハハハハハハッ! チョウッ!」
 笑いながら屋根伝いに走り、2階のベランダから華麗にジャンプするクローバー。
 パシッ!
「エッ?」
 しかし、そこで追いついた航に足首を捕まれ、二人一緒に落ちて行く。
「ア~~~ッ!」
「うわ~~っ!」
 ベチャ! ドスッ!
 お腹から着地するクローバーと、四葉のお尻に顔から落ちるワタ~ル君。

「大丈夫っ? お兄様っ! よつ、じゃなくてクローバーもっ!」
「お兄ちゃん!」
 また、可憐のテレキネシスで救われたらしい。
「イテテ… 大丈夫だよ」
「さあっ、クローバー、大人しく四葉さんを返しなさい」
「フフフッ、ワタ~シを捕まえた所で、四葉チャンは帰って来まセ~ン」
 起き上がろうとしたクローバーに、春歌の木の薙刀が突き付けられたが、そこで赤いマスクが落ちた。
「あっ! 君は四葉ちゃん…」
「そんなっ、クローバーが四葉さんだったなんて」
「亞~理~亞~も~~」
「フフフッ、違いマ~ス、ワタシは四葉チャンではアリマセン。 怪盗クロ~バ~なのデ~ス」
 それからもずっと、自分はクローバーだと言い張り、逃げようとする四葉を春歌が取り押さえて、家の中に連れて行った……

「どうしちゃったの四葉ちゃん、頭でも打ったの?」
「ねえ、もういいでしょ、危ないから今日で終わりにしましょう」
「いや… 確かにこの子は四葉ちゃんじゃない… 怪盗クローバーだよ……」
「その通りデ~ス」
「「「「「「ええっ?」」」」」」
 航の問いかけも、他の姉妹の話も聞こうとしなかった四葉だが、千影の言葉には笑顔で答えた。
「だって、どう見ても四葉ちゃんじゃないかっ」
「じゃあ、あんちゃん。 実は双子で月に1回、日本とイギリスで交代してるとか?」
「でも、この膝のバンソコウも、四葉ちゃんが貼ってたのと同じ場所よ」
「ウ~~、ワウッ、ワウッ」
「ミカエルもそう言ってる……」
 困惑する姉妹の前で、まだ警戒を解かず、喉を鳴らして吠えかけているミカエル。
「そうなんですの、ミカエル?」
「フウォウ、ヒュウォンン」
 鞠絵とミカエルが犬語で会話していると、千影が重い口を開いた。
「多分、二重人格だね…… 一人遊びが過ぎたんだろう……」
「ええっ?」
「そんなっ」
「きっと、ストレスが溜まった時… 悪戯をして周りの者を困らせるのがクローバー… それを解決するのが名探偵の四葉ちゃんだったんだね……」
「知らないデス」
「そうですわ… わたくしも御婆様と遊んで頂いた以外、お屋敷の外に出て友達と遊ぶ事など、殆ど有りませんでしたから…」

 春歌的イメージ映像…
「幽霊の正体はアーデルハイドだったんですか? 本当にこの子は次から次へと」
「山が… 山が燃えてるの… 夕日に照らされて真っ赤に……」
「故郷の山が恋しかったんだね、それであの絵を見に毎晩」
「山の話をすると、お嬢様が大変悲しまれます。 ですからアーデルハイドには、お嬢様の前で山の話などしないよう、きつく言い付けておきました」
「なんて酷い仕打ちをっ! ハ*ジを幽霊にしたのはロッテンマイヤーさんっ! 貴方のせいだっ!」
「な、何ですって? 旦那様」
「いかんな、この子はすぐにでも山に帰してあげよう」
「駄目だっ、ハイ*を病気のまま、お爺さんの所に帰すなんてできないっ、この家で十分治療してから…」
「そんな事を言ってる場合じゃない、さあ明日にでも帰らせてあげるよ、だから今日はゆっくりとお休み」
「はい……」
(きっと四葉さんは、こうやってデルフリ村に送り返されたんですわ…)
 イメージ終了…

「亞~理~亞~も~~」
 亞理亞的イメージ映像…
「パリではパリカールに会いましたよ」
「まあっ、パリカールにぃ」
「そう、それと男のような格好をなさった方、ええと…」
「ルクリおばさんっ」
「そう、その方が宜しくと仰っておられました、ペ*ーヌ様」
「…………」
「ビルフラン様、私の調査はこれで終了です」
「それで、どうなんだねっ!」
「はい、この方こそ、エドモン様のお嬢様、「ペリー*・パンダボアヌ様」です」
「おおっ! やはりっ!」
「何だって? オーレリーが?」
「さあっ! オーレリーッ! 私の所へ来ておくれっ!」
「お爺様っ!」
「本当のお名前は、ぺ*-ヌ様と仰います」
「ペリ*ヌ、*リーヌ… 良い名だっ」
「お爺様っ!」
「もう一度、もう一度呼んでおくれっ!」
「お爺様っ!」
「おおっ! 神よっ! この幸せをどのように感謝すれば宜しいのでしょうかっ!」
 イメージ終了…
 もしかすると、亞理亞も祖父の秘書になるまで、製糸工場でトロッコ押しをして、粗末な狩猟小屋で自給自足の生活をしていたのかも知れない……

(でも、まさかイギリスの寄宿学校って…)
 可憐的イメージ映像
「セーラさんっ! 貴方はっ! 貴方と言う人はっ!!」
 ビシッ! ビシッ!
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! ミンチン先生っ!!」
 四葉が「ダイヤモンドプリンセス」である事が判明するまで、屋根裏部屋で貧しい暮らしを強要されたり、真冬に馬小屋で寝かされ。 最後には小屋が燃えたのも四葉のせいにされて追い出され、泣き虫はヒマワリに笑われるような生活をしていたのではないかと、恐ろしくなる可憐。
(まさかそんなひどい虐待を?)
 もちろんそんな生活は送っていなかったが、他の姉妹達も年に数回、この島で航と一緒に遊んだ事だけが、子供時代の楽しい思い出だった。 その思いは今も残り、航「だけ」を渇望するよう、誰かに仕向けられていた。

「私もそうだったわ」
「ボクも」
「わたくしだけじゃ無かったんですね、でもわたくしにはミカエルがいましたから」
「花穂もね、さびしかったよ」
「ひなも…」
 他の姉妹達も、南北戦争時代に若草の四姉妹だったり、隣のお坊ちゃんの奥さんや愛人になった前世の記憶や。 グリーンゲーブルズに住む兄妹に養女として貰われて、ダイアナ(誰?)と永遠の忠誠を誓ったりした記憶があるのかも知れない。
「でもこういう時って、頭を打って、あんちゃんと四葉ちゃんが入れ替わるのが普通じゃないの?」
 全員が手を振って「無い無い」と言っていた。

「イギリスには友達になってくれる子供もいなかったんだろうね…… 今日は兄君に捕まえられたから、元に戻れないんだと思うよ……」
「お可哀想に、人事とは思えませんわ」
「ナニを分からないコトばかり言ってるデスか、ワタシはトイレに行きたいデ~ス」
「えっ? 大変っ」
 取りあえず逃げないよう、椅子にグルグル巻きにされていたクローバーだったが、トイレと聞いて可憐が慌てて紐をほどく。
「フフフッ、甘いデ~ス。 このままワタシが、おとなしく戻って来るとでも思っているデスか?」
「じゃあ、どうすればいいの?」
「ワタ~ル君、手を出しナサ~イ」
「え? こうかい?」
 カシャ、カシャッ
「ああっ!」
「こんな事もアロ~うカト、こうしていれば安心デ~ス」
 航の左手と、クローバーの右手に「運命の赤い手錠」がかけられた。
「さあ、トイレに行くデス」
「ちょっと待ってよっ、四葉ちゃん!」
「四葉チャンではアリマセ~ン、「クロ~バ~」デス。 それに早くしないと大変なコトになりマ~ス」
 そのまま引きずられるように連行される航と、監視のためについて行く姉妹達。
「一緒になんてだめだよっ、これ外してよっ」
「フフッ、鍵のアリカは名探偵四葉チャンしか知りまセン、ワタシには外せないのデス」
「そんなっ!」
「兄君… それを四葉ちゃんだけが知っていると言う事は… こうする事が四葉ちゃんの願いなんだよ… 暫らく我がままを聞いてやると良い……」
「分かったよ」
 トイレに着くと、姉妹達も中に入り、クローバーが航に変な事をしないよう見守っていた。
「このママデハ、下着が降ろせまセン。 ワタ~ル君、手を貸しなサ~イ」
「えっ?」 
 兄の手を取って、自分の下着を降ろさせ、腰を振りながら、お尻を見せて屈むクローバー。
「だっ、だめだよっ! 見えちゃうよっ!」
「ちょっとっ、何してるの四葉ちゃんっ! 女の子だったらもっと恥じらいを持ちなさいっ!」
「違いマ~ス、ワタシはクローバーデス」
「自分では無いから、こうやって大胆な事もできる…… 誰かみたいにねっ……」
 ビクッ!
 約1名、千影に睨まれて、すくみ上がる発明好きの少女がいた。
「四葉ちゃんも、兄君に女として見て欲しいんだよ……」
「だめよっ!」
「でも、咲耶ちゃんだって、いつも鍵もかけないで入って、「ハ~イお兄様」って言って、お兄ちゃんに見せたりしてるでしょ」
「あ、あれは偶然よっ」
「この間だって、お兄ちゃんと交代しても、「男の子がどうやってするのか見せて」って、追い出されるまでずっとトイレにいたじゃない」
「それは… 私が見られちゃったから、おあいこにしようと思って…」
「まあっ、そんなはしたない事をなさってたんですか? 咲耶さんには乙女としての恥じらいと言う物が有りませんのっ? ぽっ」
「姫にはできませんの~」
「花穂、お兄ちゃまに見られたらしんじゃう」
「ちょっとみんなっ、今はそんな場合じゃ無いでしょ」
 クローバーに突っ込むはずが、自分が恥も外聞も無いような女として白い目で見られ、一人浮いている咲耶。
「ボクは昔、兄ぃと一緒にお風呂に入ってたから平気だよ」
「それは子供の頃でしょ」
「うわっ、咲耶ちゃんて、やっぱりすご~い」
「あんただけには言われたくないわっ、リ~ン~リ~ン~~ッ!」
「ヒッ!」
 一人で抜け駆けして、とうとう航と思いを遂げてしまった凛鈴を見るため、首を180度捻って、恐ろしい目付きで睨む咲耶。

 その頃、便座に座っていたクローバーは。
「昔みたいに、シーシー言いながら撫でてくれないと出ないデス」
「そんな…」
「兄君、両方の記憶が混乱してるようだけど… 望みを叶えて上げないと、四葉ちゃんは帰って来ないよ……」
「わ、わかったよ、ほ~ら、いい子だ、シー、シーー」
 今日はア*コでは無く、頭を撫でられていたが、それはそれで気持ち良かったのか、目を細めて始めちゃうクローバー。
 シャーーーーーー
「アア、捕らわれの身として、こんな姿をワタ~ル君に見られてしまったデス。 こうなってはセキンンを取ってもらうしかアリマセン」
「なっ、自分でしておいて何言ってるの!」
「これも四葉ちゃんの要求なんだよ…… こうやって兄君を自分の物にしようとした、咲耶ちゃんが羨ましかったんだろう……」
「えっ?」
「「「「じゃあ、咲耶ちゃんって、いつもこんな事してるんだ(ですのね)」」」」
「亞~理~亞~も~~」
「ちっ、違うわよっ、いくら私だってここまでしないわっ」
 周囲の白い目が、軽蔑の眼差しに変わった。 そこで用足しを済ませて、満足したクローバーは。
「これでは右手が使えまセン、ワタ~ル君… 拭いてクダサイ(ポッ)」
「そんなっ、できないよっ」
「「「「咲耶ちゃんって、最低~(ですわ、ぽっ)」」」」
「してないったら~~!」
 カラカラカラカラッ
 トイレットペーパーが巻き取られ、航の左手に渡された。 その手を掴んだクローバーの右手は……
「だめだよっ四葉ちゃん!」
「何度も言わせないでクダサイ、ワタシはクロ~バ~。 大人しくしないと四葉ちゃんは返しまセン」
 航が脱力した所で、左手はクローバーに持って行かれ、下腹部に……
「「「「「「「「「「「ああっ!!」」」」」」」」」」」
「コンナ所まで触られてしまうとは… 今度こそセキニンを取ってもらうしかアリマセン」
「じ、自分でしておいて…」
「「「「「「「やっぱり咲耶ちゃんって、最低~~~~!(ですわっ!)」」」」」」」
「してないったら~~~~~~~っ!!」
 周囲が騒いでいる間に、クローバーの様子が次第に変になって行った。
「アアッ、ワタ~ル君っ、そこは敏感なので、乱暴にこすってはダメデスッ! アッ、アアアッ!」
「君が動かしてるんじゃないかっ」
 可憐や春歌は、年少組の耳を塞いで、外へ出て行った。
「亞理亞も~っ」
「だめですわ、亞理亞さん、ぽっ」
「ねえ、よつばちゃんどうしたの?」
「お腹が痛いのかもね、外にいましょう」
「花穂もお部屋にいるね、お兄ちゃま、四葉ちゃんをお願いね」
「姫もキッチンにいますの~~」
 白雪と花穂も手を引かれ、顔を赤らめながら退出して行った。

 …しばらくお待ち下さい…
「フーーー、フーーー、フーーー」
 沢山「おもらし」して満足したのか、顔を赤らめて、荒い息をしているクローバー。
「も、もういいよね、そろそろ四葉ちゃんを返してくれないか?」
「芝生に落ちてドロドロデス、それにここもベトベトになってしまいマシタ、次はお風呂に入りたいデ~ス」
「「「「「ええ~~~~っ!!」」」」」
 怪盗クローバーの要求は続いた…… 
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