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威萌宇斗十二制覇

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01威萌宇斗 鈴凛1

 日曜のプロミストアイランド…
「ねえ、今日の鈴凛ちゃんって、何だか変よね」
「ええ~、姫の作った朝ご飯も食べてくれませんの~」
「ごあいさつしても、おへんじしてくれなかったよ」
「ここは名探偵のワタシにまかせるデ~ス、どんな難事件でも、このワタ~シにかかればすぐに解決。 さあっ、チェキするデスよっ」
 その虫眼鏡の前を、ローラースケートで素早く通り過ぎる少女がいた。
「鈴凛ちゃんっ、どうしたのっ? 元気ないねっ」
 コーーン
 迷探偵が調べるまでもなく、衛が鈴凛の肩を叩くと硬い音がした。
「「「「メカ鈴凛ちゃんっ!」」」」
「コレは迷宮入りの可能性が……」
「亞里亞は~、おねむなの~~」
「ねえ、本物の鈴凛ちゃんはどうしたのっ?」
「ハイ、伝言がアリマス。 ピーーー「ごめん、みんなっ。 あたしはアニキの所へ行くよ、その間、学校はメカ鈴凛が行くから心配しないで」…」
「録音ね…」
 眞深(マミ)に続いて、抜け駆けをする脱北者?が出てしまい、咲耶はダッシュで埠頭へ。 鞠絵はミカエルに鈴凛の服の匂いを覚えさせ、後を追いかけた。
「そんな、メカ鈴凛ちゃんに学校なんて、無理よ」
「大丈夫… 問題無い……」
「え?」
「やあ… 誰か学校に行きたい女の子はいるかい? ああ、そうだよ、鈴凛の代わりになってくれればいい、話し方や癖は知ってるだろ……?」
「ねえ、千影ちゃんって誰と話してるの?」
「「「さあ……」」」
「そうかい、じゃあ頼んだよ。 $&r%~H*+Y%&$d~ 魂よ、宿れ」
 ドクンッ
「オハヨウ、ミンナッ。 シンパイカケテゴメンネッ」
「「「「「…………」」」」」
 メモリに乗っている定型文以外の言葉を喋るメカ鈴凛。 だがその周囲には人魂が飛んでいるような気がした姉妹達。

 その頃、東京では
「航様、お客様でございます」
「え?」
 キィ、キィ、キィ
「め、メカ鈴凛ちゃんっ」
 アニキが東京へ行ったから、あたしも追いかけて来ちゃった。 え? 渡し船が無いだろうって? ちゃんと一人乗りの潜水艇があったんだよ。
 もしかしたら雛子ちゃんか、花穂ちゃんなら隙間に乗れたかも知れないけど、学校もあるし、アニキは「帰れ」って言うからね。 
「オハヨウゴザイマス」
「喋れるようになったの? メカ鈴凛ちゃん」
「ハイ、マスターから、アニキ…様の身の回りの世話をするよう、言われて来ました」
「そうなんだ」
 髪を染めて、あの服と帽子を着ただけで、あたしをメカ鈴凛だと信じているアニキ。 何だか可愛いな。 ちなみにこの服は、関節を動かすとキイキイ言うんだ。
「何でもお申し付け下さい」
「へえ~ やっぱり凄いな、鈴凛ちゃんって」
 そういってあたしの顔や体をジロジロ見るアニキ、何だか恥ずかしいよ。
 プニプニ
「あっ」
「メカ鈴凛ちゃんって、柔らかくなったんだね」
 ほっぺた触られちゃった、でもばれてないみたい。
「ハイ 最終形態デス」
「じゃあ、もう資金援助も、僕も必要無いね。鈴凛ちゃんもアメリカに行って、夢を叶えるんだ」
 アニキのバカッ、そんな訳ないじゃないっ!
「イイエ、まだ未完成です、テストして下さい」
「……うん」
 悲しそうに笑うアニキ、あたしと離れるのは淋しい?

 それからアニキの部屋で二人っきりになったけど、アニキは数学の勉強を続けてる。 やっぱり帰るつもりなんて無いんだね、それともあたしになんか興味無い?
「オ茶ガ入りました、ドウゾ」
「ああ、ありがとう、ちょっと休憩しようか、メカ鈴凛ちゃんもこっちに座って」
「ハイ…」
 アニキに呼ばれてソファーの隣に座る。 え? どうしてそんなに近くに来るの?
「髪の香りまで鈴凛ちゃんそっくりなんだね、ちょっと調べてもいい?」
 アニキったら、そんな事まで知ってるなんて… 調べる? 何を?
「顔も瞳も、何もかもそっくりだ。 凄いな、どうやって作ったの」
 そんなに顔を近付けちゃだめだよ、唇がくっついちゃう。
「マスターから直接、型取りしました」
「へえ、じゃあ他も?」
「…ハイ」
 アニキ、何考えてるの? まさか……
「でも、これ以上調べたら、鈴凛ちゃんに怒られるかな?」
 ドクンッ
 だめだよ…… でも、断ったらアニキは帰って来ない、あたしはアメリカへ、そんなの嫌だっ!
「ワタシには守秘義務があります、アニキ様のプライバシーは守ります」
 言っちゃった。
「ありがとう。 じゃあもっと見せてくれる? 鈴凛ちゃんとは兄妹だから駄目だけど、メカ鈴凛ちゃんなら… いいよね」
 見られちゃう… アニキに何もかも見られちゃうよっ!
 チュッ
 ……キスされちゃった。あたしのファーストキス、アニキに奪われちゃったよ。

 プツ、プツ、プツッ
 帽子と上着を脱がされて、ブラウスのボタンも外されて行く。 キスされて頭の中が真っ白になったあたしは何の抵抗しなかった、本物のメカ鈴凛みたいに。
「へえ~、綺麗だね、肌がスベスベしてる。 本当に生きてるみたいだ」
 あたしは今、ブラウスを袖まで脱がされて、後ろで手を縛られたみたいに何もできない。 それに上半身はブラしか残ってないのに、アニキに体を撫で回されてる。
 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクンッ
 だめっ、聞こえちゃう、心臓の音がアニキに聞こえちゃうっ! そしてついにアニキの手はあたしの胸に。
「あったかくて柔らかいね? どうしたの、大丈夫?」
「ハイ、ポンプが全力運転中ですが、問題ありません」
 体が震えて、多分、顔は真っ赤になってる。 ばれちゃうっ、来る前にメカ鈴凛と練習したけど、こんなんじゃすぐにばれちゃうよっ。
「あれっ? どうやって外すのかな?」
 アニキにブラの外し方まで聞かれちゃったよ。
「背中にホックがありますが、この中は敏感なメンテナンス用の端子があります、不用意に触ると問題が発生します」
「ふーん、だめなんだ。 ありがとう、でもこれは鈴凛ちゃんには内緒にしててね」
 だめっ! アニキがあたしに服を着せようとしてる。 このままじゃ、このままじゃあっ!

「いえ、アニキ様なら、構いません」
 そう言いながら、あたしは自分でホックを外した。
 見られてるっ、ホックが外れて肩紐が落ちたから、あたしの胸も全部アニキに見られちゃってるっ!
「(ゴクリ)綺麗だ… 女の子の胸って… 鈴凛ちゃんの胸ってこんなに綺麗なの?」
「ハイ、マスターと同じです」
 当たり前だよ、あたしは鈴凛なんだから。 そしてアニキはあたしの袖を抜いて、ブラを外した。
「こ、これが鈴凛ちゃんの胸」
 どうしよう、もう上半身裸だよ、今ならまだ「鈴凛だよ」って言ったら許してくれるかな?
「メカ鈴凛ちゃん、どうして胸を隠すの? そんなに綺麗なのに変だよ」
 変なのはアニキの方だよっ、いくら女の子の体に興味があるからって、あたしとおんなじ体見てそんな顔するなんてっ。 まるで、まるでっ!
 ムニュウッ
「あっ!」
 触られちゃった、あたしの胸、男の人に、アニキにBまでされちゃったよ。
「痛かった? えーとメカ鈴凛ちゃんだから、痛いじゃないんだね、大丈夫?」
「ハイ、敏感なだけです、優しくお願いします」
 それからアニキはあたしの胸に何度も頬擦りして、破裂しそうな心臓の音を聞いていた。 止まらない、もう止まらないよっ! アニキも、あたしも……
 
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