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異世界から戦女神の神殺しがやって来たようですよ?

作者:メア
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色々とごめんなさい





 自己紹介した俺達はさっそくゲームの内容を決定した。

『ギフトゲーム名:“捕縛ゲーム”

・プレイヤー:逆廻 十六夜、久遠 飛鳥(くどう あすか)、春日部 耀(かすかべ よう)、エクリア・フェミリンス
・ゲームマスター:セリカ・シルフィル

・プレイヤークリア条件:2人1チームとし、セリカ・シルフィルを手の平で捕まえる事。10分間逃げ切る事。
・ゲームマスター側の勝利条件:プレイヤー二人を手のひらで捕まえる。

・報酬:プレイヤーはゲームマスターに対する一つの命令権と空飛ぶ靴を得る。プレイヤーが敗北した場合はゲームマスターが一つの命令権を得る。

※舞台補足
・参加者はこの場から半径1km以上離れてはならない。
・主催者はこの場から半径1km以上離れてはならない。
・飛行してはならない。
・参加者は何が有っても死亡せず、全ての物はゲーム終了後にゲーム開始時の状態に戻る。
※命令権制限
・必ず命令するときには二つの選択肢を用意する事。
・選択肢を出された場合、5分以内にどちらかを選ばなくては行けない。また、時間を過ぎた場合は両方を選択する事になる。


宣誓 上記尊重し、誇りと御旗の元、“ノーネーム”はギフトゲームに開催します。
                             セリカ・シルフィル』

ルールはこんな感じだな。

「それじゃあ、先ずは誰から来る?」

「私とエクリアで。良いよね?」

「ええ」

「って事は俺はお嬢様とか」

「よろしくね。足を引っ張らないでよ?」

「はっ、そっちこそ」

耀とエクリアは準備運動をしていく。

「それでは、これより捕縛ゲームを行います。両者、準備はいいですか?」

「ああ」

「うん」

「はい」

「それでは、ゲームスタートです!」

黒ウサギの宣言と共に二人は逃げる。

「へぇ~」

「あら」

「おやおや? 突っ込むかと思ったのですが…………」

森へと逃げ込む二人。俺も二人を追っていく。

「これでよかったの?」

「神殺し相手に手で捕まえるだけでいいとわいえ、真面目に相手していられないわ」

「神殺し?」

「ええ。あのセリカ・シルフィルは神を殺し、その肉体を奪った存在よ」

「つまり、相手は神様って事なんだ…………」

「まともにやっても勝てない。なら…………」

「時間を稼ぐ!」

「ええ。戦闘領域の付術、英雄領域の付術を展開」

「凄いよこれ。身体が凄く軽くなった!」

やっぱり強化して来るか。なら、こちらも全力で追うだけだ。

「早い…………」

「氷垢螺の吹雪」

氷の吹雪は吹き荒れ、周りを白く塗りつぶして行く。流石は姫将軍。

「だが、そっちがその気なら…………行け、ゲイ・ボルク、グングニル」

俺は呼び出した魔槍と神槍をそれぞれに放つ。




黒ウサギ




「うわぁ~~セリカ様本気で狩りに行ってますよ!!」

投擲された槍によって、木々は吹き飛び魔槍と神槍が対象を獰猛に狙って行きます。

「おいおい、化け物かよ」

「有り得ないわ…………あのエクリアとかいう人もだけど」

エクリア様は鞭では無く、連接剣を持ち出して槍を弾きますが、槍自身が直ぐにエクリア様達へ向かって飛んで行きます。

「…………セリカの強さは…………多彩な神器…………」

「あんなのをいっぱい持ってるって事か…………おもしれえな」

「このゲーム、早まったかしら…………」

「だから、黒ウサギは何度も止めようとしたのに、皆さん聞きませんし、対等になるとこうなっちゃいますよ…………」

「しかし、殺す気で放ってるが大丈夫なのか?」

「それは問題有りませんよ。ギアスロールに記載されている事は強制的に順守させられます。よって、例え心臓を貫かれても死ぬ事はありえません」

「マジかよ…………全力を出せるって事か」





 神槍と魔槍に追わせて、俺自身は詠唱を行う。

「くっ、不味い」

「フシャーー」

「雷が来るって…………」

「正解だ。くらえ、審判の轟雷」

ゲームでの威力は魔法攻撃+9500、魔法威力40、命中+30、麻痺3だ。そして範囲は5×5。これは全域を表す。つまり、フィールド全てに対する雷撃による攻撃だ。

「がっ!?」

「エクリア!!」

エクリアが耀を押し倒して雷撃をその身に浴びる。

「あぐっ!?」

そして、重なる二人に魔槍ゲイ・ボルグと神槍グングニルが貫き、縫い止める。麻痺も合わさって行動は出来ない。

「はい、捕まえた」

一瞬で近づいて二人を捕まえてゲームを終了させる。これによって二人の傷は無くなり、全てがゲーム前の状態へと戻り、開始場所へと二人が転送される。俺も急いで元の場所へと戻る。

「さて、次は二人だな」

「はっ、楽しくなってきやがったじゃねえか」

「私は…………」

「お嬢様は無理すんなって。アイツは正真正銘の化け物だ」

「そうだな。別に不戦敗でも構わんぞ。十六夜は参加するようだから、十六夜が勝てばそちらの勝利だ」

「いえ、やり…………」

「死ぬ程痛いよ?」

「実際、死にましたし」

「う…………」

耀とエクリアの言葉に揺らぐ。

「なら、飛鳥にする命令は俺達のコミュニティに参加して訓練を受けるで良いか? 俺達の目的は打倒魔王だからな」

「…………それなら…………いいえ、参加するわ」

「なら、はじめよう」

そして、一定の位置に付いてゲームが開始される。開始と同時に十六夜は飛び出して来る。

「“セリカ、動くな”!!」

「無駄だ」

「おいおい、結構本気なんだけどな…………あっ」

瞬時に飛鳥の命令を無視し、突撃して捕まえようとする十六夜の音速を超えた手を避けて服の袖を掴み、投げ飛ばす。十六夜は空中で蹴りを放って来る。そして、直ぐに気づいて戻そうとするが、それを俺はさせずに手のひらで膝を受け止めた。普通の物なら問題なかっただろうが、こっちとら身体の一部を雷に変えて光の速さで捕まえてやった。

「さて、残りはお嬢様だけだけ…………あ~~そらそうなるか」

「ヤハハハハ、やっちまった」

十六夜の衝撃波で吹き飛ばされて気絶していた。十六夜の衝撃波が届く前に言葉を発していたから最初は大丈夫だったんだろうが。十六夜自身も最初の踏み込みはこちらの隙を探していたから遅かったしな。

「取りあえず、これでゲームクリアーだ」

「ちっ。良いぜ。まあ、楽しませて貰えそうだからな。俺にどんな命令をするんだ?」

「お前には…………コミュニティに入ってもらう。その後、修行だな。荒削りすぎるぞ。人間の技術を学べ」

「あ~それなら問題ねえな。確かに俺はもっと強くならなきゃいけねえみたいだ」

「魔王どもを相手にしてもらうんだから当然だ。これは飛鳥もだ」

飛鳥をタッチするとゲームが終わった。十六夜も飛鳥もコミュニティに入って修行する事に同意した。これは修行は命令権を発動させて貰った。

「さて、耀とエクリアだが…………」

「何?」

「何ですか?」

「悪いがお前達には外道な事をさせて貰う」

俺はフラフラしながらもそういう。

「「っ!?」」

「ちょっと!」

「セリカ様っ」

「どんな事をする気だ?」

「先ずは春日部耀。お前に与える選択肢はその胸に下げている木彫りのペンダントを俺に渡すか、俺の眷属…………奴隷になるかだ」

「嫌っ!!」

「そして、エクリアは死ぬ事を禁じるかお前も俺の眷属になるかだな」

ナベリウスを除く女性陣から睨みつけられるが気にしない。

「ちなみにエクリア」

「なに?」

「俺の眷属になれば殺戮の呪いも解いてやれる」

「っ!?」

葛藤するエクリアと耀。

「ちょっと、ふざけないでよ! そんな命令、聞ける訳…………」

「ギアスロールは絶対に効果を発揮します。それは例え死んでも蘇るくらい」

「つまり、諦めろって事だな」

「くっ」

「悪いが、こっちも二人は必要なんでな。エクリアに関してはその力もだが、なにより魔力が高い。そして、耀にはその木彫りのペンダントの力が有れば得られる魔力の量が増える」

「セリカ様っ、そこまで身体の維持が大変なんですかっ!!」

「正解だ。身体を維持するのに魔力が馬鹿みたいに使うくせに元の俺は魔力なんてほとんどないからな。生み出す量が無いに等しい。そして、魔王と戦う力を得る為には眷属が必要なんでな」

「私は呪いが解けるなら眷属にでもなります」

「私も…………このペンダントはお父さんからもらった大事な物だから…………これを失うぐらいなら眷属になる。でも、条件がある」

「条件?」

「うん。私達を大切にする事と友達を増やすの手伝って。特にケルベロス」

「それぐらいなら構わんぞ。じゃあ、大切ついでに幸せにもできるだけしよう。先ずはその猫の近づいている寿命でも無くしてやろうか?」

「本当っ!? 出来るならお願い!! 何でもするから!!」

「良いだろう。眷属になったらやってやる」

「うん。わかった。すぐにでもなる」

「ちょっと、春日部さん、それでいいの?」

「私は良いよ? 友達も増えて、これだけ強ければ将来も安定になるし」

「現実的なのね…………」

「まあ、それじゃあさっそくホームへ案内するのですよ」

なにわともあれ、耀を手に入れられた。この選択肢を絶対選ぶ事はわかっていたが、エクリアが手に入ったのはいい誤算だった。後は二年と少しで出来るだけこの四人を魔王と戦えるように育て上げるかだな。






 
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