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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第245話】

 
前書き
超短いっす 

 
 リビングを出た有坂陽人が向かった先は寝室。

 そのままドアを開けると、陽人のキャリーバッグの中身の整理を行っている真理亜の姿が――。


「真理亜、わざわざそんなことしなくてもいいぜ?」

「うふふ、良いじゃないですか。 夫婦なのですからぁ」


 楽しげな声を洩らし、中に入れた物をちゃんと整理していく手つきは其処らの一般的な主婦と遜色は無いだろう。

 IS研究や他の研究の傍ら、こういった普通の主婦業をこなすようになったのは自分達の子供に、あまり親らしい事をしてこなかった何処か後ろめたい気持ちがあるからかもしれない。

 そう陽人は思うが、ヒルトも美冬も変わらずに自分達をちゃんと親だと思って慕ってくれているのは普段の応対でわかる。


「……ありがとな、真理亜」

「……良いのよぉ。 はるくんのお世話するのも好きですからぁ」

「……はるくんは止せって」


 付き合った当初から呼ばれたあだ名を呼ばれ、急に恥ずかしくなったのか照れ隠しでそう言った陽人に――。


「うふふ。 ……あなた、PPSの整備は万全ですが使用に関してはあまり無茶しないでくださいね……?」

「あぁ。 ……とは言うものの、財団諜報部からの情報によれば【亡国企業】がアメリカのISを狙っているらしいからな。 ……財団所有のドリームカーを狙う組織は相対的に少なくなったが……」

「…………」


 亡国企業という単語を聞いた真理亜の表情が暗くなる。

 それに気づいた陽人はすかさず――。


「真理亜、暗い顔するなよ。 ……真理亜は何も悪くない、あの子達は君を守るのが任務だったんだ」

「……ですけど……やはり私より若い子が命を散らせるのを見ると……」

「……だからって、真理亜をあいつらに渡す訳にはいかないからな。 ……割り切るのは難しいが、あまり思い悩むなよ、真理亜?」

「……えぇ。 ……ありがとう、はるくん」


 陽人の気遣いが嬉しいのか、少し表情が和らぐ真理亜は――。


「うふふ♪ あなた、ご飯はどうなさいます?」

「ん。 機内食でも食べるさ。 お前の手料理も良いが、今日はヒルト達の為に振る舞ってやれよ」

「うふふ、わかりました。 ……あなた」


 そっと自身の唇に指差すと、頬を紅潮させて瞼を閉じる真理亜。

 そんな可愛らしい仕草を見た陽人の心臓が高く跳ね上がると、真理亜の上顎を指で上向きに向かせてそっと口づけを交わす。


「ん……。 うふふ、キスするのは久しぶり……ですね」

「……ま、まぁな。 ……さ、さて、荷物の整理の続きでもするかぁっ!」


 照れ隠ししながらいそいそとキャリーバッグの整理の続きをする陽人に、柔らかな笑みを浮かべて真理亜もそれを手伝った――。

 時刻は夕方の五時を少し過ぎた辺りの出来事だった――。 
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