クイーンズブレイド リベリオン 最強にして最高の主人
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第五話 騎士姫
和樹とアレインが合流地点の村に着いた前の日。
顔が見えないようにフードを深くかぶった一人の美闘士が来ていた。
美闘士の名前はアンネロッテ・クロイツ。
かつて女王によって滅ぼされた、クロイツ騎士団の生き残り。
雷雲の女王の悪逆ぶりに彼女は持ち前の正義感から
この大陸をどうにかしなければと思い旅を続けている。
これは和樹がアレインと出会う前の話。
旅の途中でアンネロッテは刺客から逃げていた時。
アレインが住んでいた森に逃げてアレインに助けられ。
助けられた時に見せたアレインの力にアンネロッテは自分を鍛えてくれと頼み込む。
アンネロッテの熱意に負けアレインは
アンネロッテを二番の弟子として鍛えることを決めた。
それから何ヶ月後。
最初に比べて格段に強くなったアンネロッテはアレインの元を離れ旅を再開した。
それからさらに数ヵ月後彼女は、この世界を変えるかもしれない予言を聞いた。
なぜかは、分からないが予言を聞いた彼女は予言に希望を持ち。
予言に出たものを探した。
そして、何週間か前にこの村に予言のものが来るという情報を得た彼女はこの村に向かっていた。
そしてどういうわけアンネロッテは妙なことに巻き込まれてしまう。
森の中を歩いていると、遠くから女性の悲鳴が聞こえた。
助けなければと思いアンネロッテは、声が聞こえた方にかけ出した。
アンネロッテが駆けつけたそこは、村の広場。そこには、闘士と思われる女を追い詰めていて、斧を担いだ女闘士が立っていた。
そして、周囲には観客達が立っていた。
立会人は、アンネロッテを新たな挑戦者と認め、試合続行の形となった。
すなわちアンネロッテは、今目の前に立っている斧をかついだ女と、
観客たちの前で戦わなければならないという面倒臭いことになった。
悲鳴を上げたと思われる女は、すぐそばで横たわっている。恐らく目の前の闘士に敗北したのだろう。
斧を持った闘士は、声を上げて襲いかかってきた。アンネロッテの制止も聞かずに切りかかってきた。一度、二度、三度。しかしアンネロッテにとって、野良闘士の斬撃など止まって見える。
ついにアンネロッテは剣を抜き、一閃。闘士はその斬撃により、後ろへ吹き飛んだ。闘士のアーマープレートは砕け、斧は真っ二つに折れてしまった。アンネロッテの勝利に、周りから歓声が上がった。
歓声を上げていた観客達が、急に慌ただしくなった。
異端審問官が来た、そう叫んでいるのだ。
観客たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。
異端審問といえば、正統信仰に反する教えを持った疑いを受ける者を裁判にかけるもの。
信仰に反する者を異端とし、罰していくと言われている。
厄介ごとなる前にアンネロッテは、ひとまずその場を立ち去った
村人の歓迎を受ける異端審問官シギィ。
彼女がこの村に来た目的はこの村に予言のものが来るという情報を得てこの村に来た。
予言の人物が異端者かどうかを確かめるために
その夜、酒場で食事を食べながら、酒場の客たちの噂話に耳を傾けていた。
異端審問官の悪い話はきかない。人々の話を親身になって聞いてくれる、適切な指導を行なってくれる、そんな話ばかりだ。
そしてここだけでなく、数々の村でも評判は良く、女王にも認められている。
異端審問官は、今の荒廃した世の中をどう思っているのだろうか。
そして、占いで出た謎の人物について聞いてみようと思った。
次の日、アンネロッテは教会へ足を運んだ。
異端審問官に相談を行うためだ。
アンネロッテを迎えたのは、身長が高く、人を落ち着かせる、
優しい笑顔を持つ女性だった。
彼女が、異端審問官シギィだ。
さっそくアンネロッテは、彼女へ悩みを打ち明けた。
自分がどう生きてゆくべきかを迷っている事。この大陸では、数々の人々が苦しんでいる。
皆を救い、世の中を本当に良くするために自分は何をすれば良いのか。
シギィは答えた、祈ることだと。
祈る事こそ皆を救う道であり、全ての人が心から神に祈りを捧げれば
誰もが幸福になれる。神に全てを委ねなさい。
神は、唯一にして絶対の存在。
祈ること、それは考えるのをやめるという事ではないか。
アンネロッテは、異端審問官に食いかかった。
祈る事は確かに必要だが、全てを”神”に任せる事はできない、
人にしかできない事もあるはずだ。
しかし、シギィはアンネロッテの考えを、「思い上がり」だと指摘した。
人間に出来る事など、たかが知れている。
このタイミングで聞くのはどうかと思ったが、
アンネロッテは予言の人物のことを聞こうとするが・・・・・・
シギィ「あなたには異端審問が必要なようですね!
私と勝負なさい!!」
考えと価値観の違いから生まれた一括で阻まれてしまう。
足元に立てかけていた槌鉾を手にとり、立ち上がり。
槌鉾をアンネロッテに突きつける。
そして、時間は戻り現在。
教会裏。アンネロッテは、異端審問官シギィと戦う事になった。
この騒ぎに村中の住人が集まった。
ここまでの住人が集まるには訳があった。
女王はクイーンズブレイドを廃止しただけではなく。
町中で公然と行われていた美闘士同士の試合も禁止した。
そのため、女王軍にばれないように裏で試合を行う事もある。
アンネロッテがこの村で戦ったのもそれだ。
美闘士の戦いを見ることができず。
人々は戦いの刺激を欲していたため、
二人の戦いを見ようと多くの現物人が集まる中に
昨日アンネロッテが倒した美闘士とこの村にたまたま来ていた複数の美闘士もいた
そして、その中に和樹たちもいた。
和樹「あの二人それなりに強いな」
リーラ「そうですね・・実力的に言ったらベルリネッタ達より上かもしれません。」
和樹「アレインはどう見る?・・ってアレイン?どうかしたか。」
アレインに意見を聞こうとアレインの方を向くと・・・
アレイン「まさかとは・・・思ったがアンネロッテがいるとは・・・・」
教え子を見守るような表情でアンネロッテを見ていた。
アイリ「アレインはあの青髪の人を知っているんですか?」
アレイン「ああ、私の二番目の弟子アンネロッテだ。」
和樹「へぇ~~そうなのか・・・あれが・・・アレインの・・」
話は聞いていたがこんなことになるとはなと思っていた。
和樹「弟子に一声かけないのか?」
アレイン「いや、今ここで私がアンネロッテに声をかけたら、
アンネロッテは戦いに集中できない。この一戦が終わったら声をかける。」
和樹「いい師匠だな。」
師匠として弟子に気遣う、アレインの心意気を素晴らしいと思った。
そして、戦いが始まるとしたその時・・・・
ジンオウガ「(おい・・・和樹!)」
和樹「(ジンオウガ?一体どうした。)」
心の中にいるジンオウガの声が和樹の心に響く。
ジンオウガ「(魔の気配がする)」
和樹「(なんだと?)」
この世界に転移した影響でジンオウガは半径五百キロ以内までの
気配を探知できる能力を身に付けていた。
ジンオウガ「(どのような魔物かは分からないがかなり多い。
おそらく、百・・・いいや三百以上はいるだろう。)」
和樹「(その程度なら俺一人で十分だな・・・でどのくらいでこの村に来る。)」
ジンオウガ「(そうだな・・・・・
このスピードならおそらく後三十分前後と言ったところか。)」
和樹「(三十分か・・・それならこの戦いを少し見てから、迎撃するか。)」
リオレウス「(そうしようぜ!俺様もこの戦いが気になる!
くぅ~~~ワクワクしてきやがった!早く始めやがれ!)」
闘う事も好きだが戦いを見るのも好きなリオレウスが興奮する。
アンネロッテvs異端審問官シギィ。
そして、襲来しようとしている、突然のモンスター軍団。
平穏だった村に嵐が起こる。
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